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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

M400の顛末 其の4

で、タイミングベルトがどうなっていたかと言うと。

これ解ります?フロントバンク側のベルトの内側 プーリの引っかかる「山」の部分の三分の一部分が(赤い矢印) キレイに無くなっているではありませんか~~~~!
随分前に 900SSオーナーさんの 山が10個ほど吹っ飛んでいたの以来のビックリ事件です。
適時 ベルト調整が一度もなされていない結果の状態なのですが.....ベルトが表側にずれてベルトカバーに接触したまま 駆動していたという.....
本来 この年式のタイミングプーリーのドライブ側はプーリ端部に ベルトストッパーが付いていますので、よほどの事がない限り 外側にずれる事はないのですが......よほどの事だったのですね.....
という状況だったので 勿論ベルトカバーも削れているわけで.....

キレイにベルトの形に削れています(苦笑)赤線に沿っている部分ですね。
ついでに、しばらくの放置歴の環境もよくなかったか..... タイミングベルトのテンション調整部のベアリングの表面も劣悪な状態でした。ベルト表面をこのサビで削っていることだったので.....

こうやってみると、譲り受けてから 約5000km。超綱渡りな走りだったことです....
ちなみに、走行中にタイミングベルトが切れたら ほぼ間違いなく エンジンブローにて終了です.....
ということで、テンションベアリングも交換して、タイミングプーリーは予算の関係上 新品交換までできないので、出来る限りキレイにして再使用とうことで組み込みました。
メーカーは「2万キロ」交換不要とうたってますが.....どんな使用環境を顧慮しているのか.....
3000km毎以内で見ていても 特に空冷のベルトは信用ならないのですがね.....一般オーナーは走っているからOKって捉えらえますよ....今回のように。
さて、次回でいよいよ 最終章となります。キャブの復活はいかに.....
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今日は現況に戻って....

連載中のM400モードはまだまだあるので 今日は本日の事を。

2月に納めましたPCX150さん、リヤサス交換の依頼です。デイトナ製への交換です。色気ずいての、メッキボディの赤スプリングをお選びになられました。
で、現行PCXのこの部分は 初物の作業なのですが....スクーター系....特に近年モデルは考えさせられるのですよね~ 外装の取り外し....
かなりの確率でネジ固定より「ハメ込み」で外装類装着は構成されているので、どうやって組み合わさっているか、どの方向でハマり込んでいるかを推測しながら 時に「慎重に」時に「大胆に」攻めないと外装が外せないのです(汗)。しかも、新車から一度も取り外してない箇所は 本当に 硬いので結構 「ビビる」んですよね~....と言っていても先に進まないので 大胆に行きますよ!

で、早速 検証の結果 リヤサス外すのに、メットインのBOXを外さないと交換できないのですが....まず、この後ろのウィング部分を外さないとなのですが.... ネジが二か所、しかも木ネジしかないんですけど..... 確実にハマり込みですね。
まぁ 検証しながら 10分ほど試行錯誤して「ほれこのとおり!」

とここまでくるとあっと言うまに見えますが、ここからまだ色々な部分を外したり、うまくかわさないと 目的の部分まで辿り着けないようにできているのが 「スクーター」達です。
間の行程はもう写真ないです(笑)。一気に集中なので。
あれやこれや、この間 30分ほどでなんとかサス取り外しまで行きましたよ~

左がデイトナ製。右がノーマルです。スプリングの特性が全く異なるのが解ります。線径も全然違いますね。デイトナのは、初期の動きを柔め、奥n踏ん張りを 一気に立ち上がらせる方向か....車高は 5mmあがる設定のようですがね....
後はちゃっちゃか組み立てて、ほら完成でっす。

なか色合いも合っていて、カッコよくなりました。オーナーさんも満足でした。
ま、この作業も しばらく同じ車両が来ないと リセットされちゃうんですけどね(苦笑)

M400の顛末 其の3

で、ご本人が持ってきた中古キャブくんですが....
写真右側がそれですね....

2002年のキャブ最終のM400のものらしいのですが....結構キレイ目で使用距離も少なそうです。キャブヒータも付いてますのでM400後期のものではあるようです期待できそうですが.... ひとまずこういうものは全て疑うことから入らないとイタイ目合いますので。どちらにしろ、要所の部分のキャブパッキン類は交換して装着しますので フロートチャンバ―を開けて、内部セッティングを見てみますと.....
メインジェット、パイロットジェット共 「900仕様じゃん!」というオチに....この車両にまつわる事例がそんなのばっかりですが、ここまで来ると驚きもしません。ニードルが400と同じで段数だけ変わっていたので、前使用者は キャブボディが同じ400のキャブの仕様を変えて、900で使用していたのか.... まったくもって使っていた人しか解りません。元のキャブもあんな状態でヒドイので、ジェット類は全て新調します。更にこの中古キャブを再セットして装着する上で、ノーマルセットも元々新車時から今一なので、どうせなので 長年のtetsuの「自己推奨セッティング」を導入することでご了解得て こちらの中古キャブで進めることになりました。ジェット類を発注している間に 他の作業をします。
当初から頼まれていましたタイミングベルト交換なのですが.....
ここでも 驚くべきことが発覚していたのです.....
まだまだ続きます......

M400の顛末 其の2

問題の「左側」のフロート室を開けたときに.....
下にあるステンレスのバッドに「カラ~ン」となにかが落ちました.....????
なにか汚くて、小さいものですが 音的に硬いものです.....
で、その物体を見て すぐに解りました。
「このキャブ、壊れてんじゃん!!!」ということがこの時点で発覚した瞬間でした。

写真の物体が落ちてきた物。
これがなにかというと、右側キャブの ↓写真の赤四角部分の物。そのまともな状態。


で、↓が 壊れていいた左側キャブの写真。


解ります? 真鍮の六角の部分が折れているのです。この部分の締め付けで、その下の 「ジェットホルダー」部を固定している物です。ついでに、この先(上)部分が ニードルジェットとなっているため、ここが折れている=メインジェット関係なしの状態なのです。
通常この部分が折れることはないです。まぁ あまりの腐食でしたら 外そうとしたときに折れることもあるとは思いますが、今回 tetsu触る前ですし......ということは、以前に開けただれかが .....という推測になります。実際、落ちてきた部分の折損部を良く見てみると 自然に折れた状態ではありませんでした。
外的要因ですね。
こうなると、なにが原因で調子が悪かった.....それ.以前のもう誰にも解らない....それこそ 「やった人しか分からない」車体です.....(怒)
ていうか、そのまま組むか~、普通..... 個人売買だからって、知らなきゃいいっていう話しじゃぁないですよね.....
このヒドイキャブを再使用するのもやりようによっては出来ますが、得策でもありません。と考えていたら、オーナーご本人がなぜだか 「中古のキャブ」を持っているとの情報。M400の実働車より取り外し品とのことですが..... これに関しても見てみないと判別つきませんのでね。なんせ、400のキャブは 基本的なキャブボディに関しては 900と同じですので。年式によって違いはあれど、内部のセッティングを変更していることにより400に対応させているという、 少し「無理がある」コンポーネントなのです。世界で400があるのも日本仕様だけですしね。
しかもこちらも個人売買物ですので..... よく解っている人が用意しても個人売買物にはリスクがあるのに、解らないうえに 推測のなにものでもない状態での入手ほど、更にリスクは大きいものです。そんな人たちを今まで何人も見てきましたので.... やはり信用はできませんよね。
ということで、その中古キャブ次第でこの後の方向性が決まるというものでしたが....
またまたこれにも一筋縄では行かないっていう..... そこは出所不明の中古品ですから....(苦笑)
更につづく.....

こういうのを 「ハメられた」と言いたくなるという.... M400の顛末 其の一

お題目は、「ハメられた」ですが、厳密に言うと お客様がなにも知らずにハメられた延長で、修理受けた側も 実際にその不具合箇所に直面したときに 感じる憤りの現れです。
まぁこれが個人売買の全てでもないでしょうが.....久しぶりに 内容が濃かったので...いつアップしようかと思ってました。
そんな一例の修理だったのを アップします。お客様ご了承ですので容赦なくアップします。というかお客様は当ブログを見てご来店くださり、今回のアップも楽しみにしていてくれたので。あらためてありがとうございました、H方様。
修理完了自体は 3月半ばでお客様にもお渡ししてあるのですが、内容が盛りだくさんだったのとここ最近の忙しさで なかなか内容を書けなかったというものです。

約一か月前 2月27日の記事を観てください。その後のお店でtetsuが作業していたのを覚えている方ならピンと来るとは思いますが、↑のDUCATI M400さんです。
この時の記事で、キャブの不調によるご相談で このときに「キャブがちゃんと装着」されてない!という発見で終わっています。その後の 作業からのアップとなります。

あの後 約一週間は忙しく 車体に触る事が出来なかったのですが、やっと診れるときが来て 早速キャブを取り外しました。取り外しながらまず気が付いたのが、なぜか メインの燃料ホースは社外の おそらく耐ガソリンホースではない薄いものに交換されています....「危ないな~」と思いつつも まぁ今回交換すればいいやと思いつつ、キャブ本体を車体から取り外します。tetsuは今までの作業能率上、ドカの空冷2Vはキャブにアクセルワイヤーを装着したまま取り外します。どういうことかと言うと、ハンドル部のスロットルホルダーをバラシて 取り外すという方法です。ドカのこの手の物は、キャブが車体に装着された状態でアクセルワイヤーを取り付けるのが結構面倒くさいので この方法に行きつきました。で、今回も同じように取り外したのですが、なにも触ってないのに キャブ側で固定されいるはずのアクセルワイヤーのロックが引き側も戻し側も 「ゆるゆる」だったのですね。こんなとこにも いかに以前のオーナーからこの車両が出て来る状態がいい加減だったかが伺えますが.....こんなものではなかったのがこの先です..... 
気を取り直してキャブをバラしにかかります。このときも違和感を感じました。ドカのミクニ製のキャブ。新車時より一度でもバラシタ形跡があると、フロート室を取り付けているネジが普通にドライバーのみで取り外せます。しかしバラしたことがないものは、十中八九 「ショックドライバー」を使用しないと ネジの頭をナメてしまうくらい 機械締めされています。当該車両はというと....右側のキャブは ショックドライバー使用でないと開けれませんでした。ネジ頭もドライバーでどうのとやった形跡がありませんでしたし。しかし、左側のキャブ(ちゃんと装着されてなかった側)のこの部分のネジは 予想外に 緩かったのです。????これが一番の違和感です。ここもバラした形跡が.....
で、開けてビックリ..... まず最初に目に飛び込んだのは......

写真の通り、「サビ・水・ヘドロ」状態!!!でした.....よく走ってました....と感心している場合ではありません。
そんなことよりもっと怒りなことが発覚するのです...... つづく