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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

お待たせしましたFCRくん 其の2

前回からの続きです。で、ノーマルキャブ周り、スロットル周りを全部外します。使うのは、ノーマルエアクリーナBOX周りだけですので。
で、まずはFCRキャブをただ装着するのは簡単です。ノーマルキャブ外して、FCRをインテークマニホールドに差し込むだけですので。問題は大幅に変わる、アクセルワイヤーの取り回しとそれに伴うエアクリーナBOXの要加工です。

写真↑がFCR装着してエアBOXを仮に乗っけてみたところです。見ての通り、白い線の部分がアクセルワイヤーの取り付け部にあたってしまい、エアクリBOXがこれ以上下にも後ろにも持ってこれません。ということで、この部分を切削加工してしまいます。
  
↑が加工後、当たる部分をくり抜いてます。これを最終的に無理なく装着できるようになるまで 小加工と仕上げを兼ねて整形します。


↑がキャブ周りのプレ装着状態です。BOXが問題なく装着できるかもありますが他にも理由が。
なぜプレなのかと言うと.....まだエアBOXのインシュレータ部分に繋がる アダプタをFCR側に装着してません。本来標準仕様は、「ファンネル」仕様ですので。忘れてはいけない、FCRは「レーシングキャブレター」ですので ファンネル仕様で最大の威力を発揮します。ですが、先にも書いたように街乗りでも扱える懐の深さが色々な方面で長きに渡ってもてはやされている理由です。どんな車両も「モアパワー感」が体感できますので。
話はそれましたが、今回は街乗りでおススメ仕様の「エアBOX」仕様ですので、ファンネルが付く部分にインシュレータへのアダプタを装着します。これを最初から装着してしまうと、キャブのプレセッティングが出来ないのがFCRの特徴でもあります。
 
エアBOXから覗いた状態ですが、キャブレター吸入口に見える赤い丸い穴部分が低回転及び高回転での空気の吸入量を測っている部分。この低回転側はマイナスドライバーにて調整できるようになっています。この調整、ファンネルやアダプタを装着した状態では調整できなくなります。
ですのでまずこの状態である程度低回転側のセットを出してからもう一度本装着となります。
この手のキャブはその車両に合ったセッティングである程度出荷されてきますが、車体にもキャブにも個体差はありますのでその都度 セットはしなければとtetsuは思っておりますので。
それほど大幅に変更はしなくてOKでした。もう一度エアBOXを外して、アダプタ装着にて本格的装着しました。

今朝 5kmほど試走して 問題ないことを確認してFCRくん装備完了です。後は、オーナーさんの扱い方によりけりですね。おっと、今日追加になった リヤブレーキロータも交換になったんだった。土曜日に間に合えば、やりますよ!

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お待たせしましたFCRくん 其の1


はいお待たせしましたよ~、Mざわくん。お預かりしてしばらく放置状態でしたが.....
先週末にはできるかと思いきや、色々な急患やら予定外な事件が起こり 本日にいたりましたことお詫びします。流石に今日は 「Mざわ、SS FCR装着Day!」と題して 付きっ切りでヤルと決めていました。
トラスト時代、前オーナーよりtetsuが面倒みてます 92年型900SS。ケイヒンFCRキャブの装着依頼です。FCRキャブが解らない方はググってください(笑)。高性能キャブの代名詞みたいなものです。高性能だからと言って、「エラい」わけではありませんのでお間違いなく。tetsuは基本的に推奨しませんが、自分のバイクの走りに変化を付けたかったり、パワー感を感じたい人には 間違いなく、「素晴らしい」キャブです。基本的にレース用キャブですが街乗りでも十分対応してくれる優れた「高性能」キャブです。

装着の仕方にも色々あります。ファンネルのみの「直キャブ仕様」。「パワーフィルター仕様」。ノーマルエアクリーナーBOXを装着する一番tetsuが推奨な「エアBOX仕様」と。
今回はtetsuのおススメ通り。エアBOX仕様での装着です。
合わせて、スロットルも定番の「ハイスロ」仕様にします。
ではちゃっちゃとバラして、プレ装着してみます。きっとエアBOX加工しいなければいけませんので......
つづく

と思ったら.....

昨日アップしたM900本日 追い込みの車検整備にて一つ発覚したことが。

排気ガス検査していましたら、COが高すぎです。アイドリング高さも悪くなくアイドリングの安定性もわるくありません。がたまに 不安定になるところもありますが、それにしても少し高い数値です。当該車両は「平成11年排気ガス規制」車です。この規制では、アイドリング時の排気ガスの成分で「CO 4.5%、HC 2000ppm」以下であることと定められています。ですので、このままでは COがアウトですね。一般的にCOが多い場合、酸素供給が不十分な不完全燃焼であると発生する。HCが多い場合は、燃焼が不完全で燃焼できなかった混合気がそのまま排出されると発生する。しかしここにはアイドリングの適切な回転数やエンジン温度、またスロットルボディ側の状態等、はたまたエンジン本体の異常も考えられるというそれらの絡みあいで変化します。更に COを減らすとHCが多くなり、HCを少なくするとCOが多くなるといった相反するもの。インジェクションの場合調整には機材と感性も必要です。
当該M900は2002年式もインジェクション車です。ECUはこの当時の最新型 マレリの59Mというタイプで以前紹介した748Rのような大きいお弁当箱なECUではなく遥かにコンパクトなECUとなっています。そのため、ECU内部の低回転の燃調をするトリマー調整も専用機器でECU内にアクセスして変更するものとなっております。この変更と共に スロットルボディ側のバイパススクリューの調整を合わせてするようです。
とはいえ、前回車検で大丈夫だったので まずは スロットルボディの汚れと同調を診てから調整することにしました。エンジン本体は音や状態、走行距離やオーナーの使用の仕方でも可能性は低いと断定してます。
思った通り、左右のスロットルの同調が少しずれてきていました。結構この頃のD社のインジェクション、特に空冷車はずれてくるのがたまにありますね。

作業結果 調整前のCO 6.0%越えだったものが、2.0%前後でバランスすることができました。これよりも少なくすることもできましたがあまりそこまでするとアイドリングが不安定になりすぎるので 適度なところでやめておきます。これで車検も完璧です。

こちらはM900Sie


こちらはD社のMでも 900です。車検でお預かり中のM900Sieさん。伊東二輪では数少ない、女性オーナー様です。もう長く乗っていただいておりますが、ここ数年 距離を延ばしておらず、車検から車検が 1000km行くか行かないかといったところ.....(汗)。と言いながら、保管場所の環境がよく 放置歴の割りに 車体周りはしっかりしていますね。タイミングベルト周りのテンションローラベアリングやプーリのサビも殆ど出てませんし、タイミングベルト本体も硬化進行する気配もありません。さすが、温度変化が少なく 空調も良さげな環境です。今回は基本整備のみですみそうです。
って本人様が現在足をリハビリ中なので 乗れるのはもう少し先ですかな......

またまた謎の.....でもその前に....


本日お預かりしたドカのM400さん キャブです。当ブログを見て先日一度ご来店いただき、不調内容を説明いただき 修理依頼となりました。今まで どこのバイク屋さんでもちゃんと診てもらえなかったそうですが,,,,,お気の毒です。tetsuとしましては、「この度は当店お選び頂き 誠にありがとうございます!」 なんですがね。しかし 何度も言いますが、D屋ではありませんから。
当該車両は 2000年モデルでまだ400だけはキャブの時代ですね。個人売買で入手したそうで走行距離も12000kmとそれほど刻んでもいませんね。
昨年10月にオーナー様が譲り受けたときが 6600kmですのでかれこれ5000km以上乗られています。
不調の内容は 高速道路でスピードが出ない(?)、ときたまエンジンストールもしくは回転数が上がりっぱなしで戻らなくなる、ストールするとしばらくエンジン始動困難。お話し聞いていると まずは「キャブ?」と疑う内容です.....が 複合技も入ってそうです.....

ということでまずはこの状態で試走してみないことには始まりが解りません。で、閉店後 いつものごとくお店周辺を試走してみましたところ、全く調子悪くないのですよ。ゼロ加速もよく 「調子いいM400でしょう?」な第一印象。しいていえばアイドリングは低いですが、これは出荷状態のままと考えるとこんなものですので後で調整します。
で、調子も悪くならないので 帰店後 プラグの焼けを確認してみましたら、案の定こちらも全く問題ありません。逆にドカで言うと 良い焼けですね。

と考えながら、車体をグルりと見ていて 早速変なところを発見!

キャブレターがちゃんと着いてません!
これは紙一重でダメです。よくアイドリングできています。


キャブの差し込み部を車体右側と左側の側面から撮った写真です。
左側(リヤバンク側)のキャブがマニホールド(黒いゴム部分)にちゃんと差し込まれてないです。(赤い矢印分浮いてます)
ということは、一度 どこぞの誰かが開けているということですね、このキャブ。
しかも 右側キャブは フロートチャンバ―とうキャブレター下部の部分のOリングが劣化していてガソリン滲んでいるのも確認。左キャブは元々酷かった形跡が 写真でも見受けられます(全体に茶色いですよね。これってガソリンが熱で焼け付いたものです。)
で、ここからの推測ですが。この状態で 譲り受けてから6000km近く走れてこれたのは奇跡です。左側のキャブがちゃんと装着されてないことにより、二次エアと言って 必要でない空気を吸い込むと 回転が上がりっぱなしにもなりますし、逆に その隙間が大きくなりすぎると 十分な燃料も吸えなくなるので その時はエンジン回転も落ち込みます。
そうなると つじつまが合うのが、走りの力もこの時はなくなりますよね。
ということで、とりあえず キャブはなにがどうなっているのか解りませんので当初の予定通り、全バラしてみます。

う~む、なぜか立て続けに この手のトラップ修理が多いな~