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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

いろいろいろ

昨日748Rは無事オーナーの元に戻りました。と、まだネタは続くのですが 今日は一休み。
なんせドカ祭りは他の車両でも続くので。
今日は 朝からいろいろいろとやることもありまして。


①お預かり V100シート張替

またまたV100って言わないで(苦笑).....
あまりにも長期のシート切れのまま乗っていたため 下のスポンジ部分に多量の水がしみ込んでいまして.....しばらく放置である程度乾かせねば と 今日で4日目。大分 良くなってきたので本日シート表皮 張ろうかな~って思っていたら......順次お仕事が来て今日は張れませんでした.....


②常連さんV100のリヤブレーキの戻りが悪いとのご来店。(連チャンだ...笑)

診てみると、リヤブレーキシューのアームの戻りが悪いです。シャフト部のサビ、汚れが原因なのでリヤ周りバラしてのシャフト清掃処理ですが.....タイヤの山がスリップサインギリギリですね....と話していた矢先、カッターの刃が刺さっているのを偶然tetsuが発見してしまいました。まだ最下層まで到達してませんでしたが、ある意味ここで発見してラッキーでした。作業工程的にリヤホイール取り外しますからね。ということで合わせてリヤタイヤ交換も承りました。


③以前よりお付き合いある近所の新聞屋さんに、たまたま伊東二輪で在庫だったプレスカブくんが売れました。

明日 8日(月)午前中納車なので納車整備です。前後ブレーキ点検清掃、タイヤはまだ使用できましたが 以前よりお世話になってますので今回は前後新品タイヤ交換にて納車します。

④と最後に これまた常連 T見くんの998R オイル交換のご用命です。

エンジンオイルは 伊東二輪推奨の 「NUTEC」4V系には 「NC50」を入れております。3000km毎か一年一回の交換です。今回は 約一年 2200kmでの交換でしたが やはりそれくらいしっかり愛車に気を遣っていればいいですよね。

明日は午前中 プレスカブ納車して まずは本日できなかった、V100シート張りですね。
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748R その⑤

次にインジェクションセッティングです。
当該車両持ち込まれたときに 吹けが今一なのと低回転時の不安定なところ、初動から低回転でのつながりのギコちなさ.....走行低速になるとたまにエンジンストール....と SBKとしては今三な状態でした。まぁ エンジンストールしてしまう車体は ドカのインジェクション車は4V系は結構あるのですがね。基本となっている車体造り、セッティングが街乗りには向いてないというのもありますが....色々縛りもありますから....
この車体は当初からテルミニョーニのチタンスリップオンが装着されておりました。ノーマルもあるとのことでしたのでオーナーさんに試しにノーマルに戻してみて走行してもらったところそちらの方が感触が良いとのこと。ということは、インジェクションマップ周りはノーマルのままでマフラーのみ交換した仕様と推測されます。では いくらか 改善策を投じてみます。

シート下、後部に位置する748RのECU。上部のキャップ周りの封印透明シールが残ったままでしたので一度もここは開けてないのか....ちなみにこのタイプのECUはこのキャップを外して内部のロムチップを交換してのマップ変更が基本でした。当時はテルミのなんちゃら用のなんちゃらロムチップが ドゥカティパフォーマンス製としても社外としても存在しました。また車と同じくロムライターで書き換えるなんて方々もいたようで.....しかし このロム交換はあくまで全体底上げ仕様みたいなもので アイドリングから極低回転でのアクセル付き等の変更は他の部分で行います。っていうか今まで18000キロ、誰にも診られなかったの~(驚)

調整のためキャップを開けますと、ロム記号は案の定 ノーマル748R用でした。ロムチップの脇に 低回転時の燃調を変更できる小さなダイアル(トリマーと呼んでおります)がありその可変によって燃料の濃さが変わります。が、この部分だけでは、 ほんの数度変化させただけでは良くなるよりも悪くなるほうになります。アイドリング付近は更にスロットルボディ側にある「アイドルバイパススクリュー」も調整してあげないといけません。こちらはアイドリング時のみの空気の流路調整となります。これらのバランスでアイドリング回転数~最初の開け始めのアクセルフィーリングを変えます。ある程度 人間感性でも合わせられますが 経験とコツも必要です。しかも内燃機燃焼状態も把握できないとなので 同時に参考的に使用するのが 排気ガステスタです。


通常では空燃比計も併用するとよりいいのですが最近表示が曖昧なので修理中検証中のため今回はガステスタのみで判断します。とはいえこれだけでも十分解るですけどね。測る成分は「CO」「HC」なのですが、これらの数値は内燃機関内の燃焼状態が良ければ ある一定の値以内に入ります。著しく 逸脱した数値になる場合は CO、HCのどちらがどう増加するかである程度 「燃料が多い」「空気が多い」と判断できるのです。この年式のドカは、O2センサも触媒もありませんのでより解りやすく変化します。とまぁ 少しトリマー、バイパススクリュー調整しながらこんなところにしてみます。トリマーは 結果 1度~2度行くか行かないかのところで落ち付きました。と流れ作業に見えますが、スロットルボディのバイパススクリュー調整(リヤヘッド側)は都度 タンク外すのですがね.....
アイドリングも 安定傾向で上がり、低回転からのブリッピングもいいでしょう。
後の仕上げは実走です。やはり人間の五感はバカにならないので....とtetsuのある種信念です。
極低回転はこんなものにして、次に 全体側です。
ロム交換はしません。ではどうするかというと......後にお手軽にセッティング変更できるよう tetsu996Rでも使用している、「パワーコマンダー」なるものを組み込みます。とうことで 今日はここまで.......つづく

748R その④


では次にクラッチ全バラします。歴代の整備内容が解りませんので現状の状態を把握しておかないと方向性も見えませんのでね。特にスリッパ―クラッチ搭載車はより煩雑な点検、整備が必要です。
スリッパークラッチとはなんぞやと言うと多く説明するのは面倒なので 各自ググってください(笑)。簡単に言うと エンジンブレーキの時に後輪がロックしずらくする装置という、レースの世界から降臨してきた仕様です。今でこそ各国産SSも標準装備車が多いですが 2000年当時としては、748Rは既に 標準装備でした。当時の世界スーパースポーツ選手権の厳しいレギュレーションをかいくぐるためと言われておりました。(後で社外クラッチ機構にするのは違反とされていた。)

と、まずはプレッシャープレート外して クラッチプレート達を取り外します。ここまでは基本構造はスリッパ―でもSTDとなんら変わりません。スリッパー機構の構造上 クラッチプレートの材質が違うようですが 組み方 形状等に変わりはありません。
のはずですが.....クラッチプレートをバラシて行くと ??? なんか順番がメチャクチャなんですけど(汗)
正直 「意味不明」な順番で組まれていました。
当該車両に組み込まれていたのは、社外品の サーフレックス製。距離的に一度交換されてもおかしくはない距離ですが...... 交換してからも数千キロは走行しているであろう クラッチ外周の当たり具合でしたが..... とにかく、意味不明の組み方でもクラッチも切れるし、走りもしますが......
とりあえあずそれは後で組みなおす時に考えて先に進みます。


スリッパー機構部はインナードラム部分にあります。STDのスリッパー機構は「カム」方式と言って インナードラムの赤丸部分が凸のカムで、その受けが下写真の黄色丸印部分となります。
普通のクラッチハブは、この二枚の写真分が一体となっていると言えます。

このカム間で動くことにより 減速時のミッションへの反動を逃がしているのです。
その逃がすスピードや間隔を調整しているのが一番外側の大きいナットと共締めの「スパイダースプリング」です。

前オーナーもスリッパー機構はほぼ使用はしてないようでカム部分もグリスは切れてましたが、状態はキレイなものでした。
しっかりグリスアップして再組み込み。センターナットを規定の大トルクで締め付けておかないと後に外れてしまいますからね。
問題のクラッチプレート達。これは問題なく標準通り組みます。唯一 気になるのが、このサーフレックス社のクラッチ。特に上位機種に使用するケブラータイプの製品は停止状態からの初動時の激しいジャダーが出るものが多いです。これをなるべく起こらないようにするのも簡単ではありません。ひとまず 次に作業の インジェクションセッティング後の試走でクラッチの動作具合も診てみます。つづく.....


748R その③


 
日々の業務をかいくぐりながら着々と作業が進む748Rさん。次はタイミングベルト交換。
ベルトカバー外して タイミングベルト見ると張力も緩いですし、状態もけっこうヤレてました。
タイミングベルトは新車当時のものでしょう。しかもベルト合わせ層の一部が変形してしまってはみ出してきてしまってます。ベルト内側ヘリも随分変形してしまってますね。前オーナーさんがこの車両を酷な環境下で走らせていたのだろうか・・・・
「酷な環境」というのは、「渋滞はまりすぎ」、「外気温30度以上の日走行」、「休日のわざわざ混んでいるところへの走行」とどれも ドカ SBKに大敵な環境下です。
それでも748Rは996系よりはエンジン発熱は少ないはずなのですが、 やはりSBKですので。
前オーナーはあまり整備も走りも気にしていなかったのでしょうね。まぁ周りにそれを注意してくれる人もいなければ走れる限り走るのが 普通のライダーさんですよね.....
すみません、なにかと ウルサクて(笑)。
新品タイベルに交換、張力調整して まずはここ完了。
次に クラッチ周りをオーバーホールします.....ここにも謎な発覚が(苦笑)...つづく