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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

748R その⑤

次にインジェクションセッティングです。
当該車両持ち込まれたときに 吹けが今一なのと低回転時の不安定なところ、初動から低回転でのつながりのギコちなさ.....走行低速になるとたまにエンジンストール....と SBKとしては今三な状態でした。まぁ エンジンストールしてしまう車体は ドカのインジェクション車は4V系は結構あるのですがね。基本となっている車体造り、セッティングが街乗りには向いてないというのもありますが....色々縛りもありますから....
この車体は当初からテルミニョーニのチタンスリップオンが装着されておりました。ノーマルもあるとのことでしたのでオーナーさんに試しにノーマルに戻してみて走行してもらったところそちらの方が感触が良いとのこと。ということは、インジェクションマップ周りはノーマルのままでマフラーのみ交換した仕様と推測されます。では いくらか 改善策を投じてみます。

シート下、後部に位置する748RのECU。上部のキャップ周りの封印透明シールが残ったままでしたので一度もここは開けてないのか....ちなみにこのタイプのECUはこのキャップを外して内部のロムチップを交換してのマップ変更が基本でした。当時はテルミのなんちゃら用のなんちゃらロムチップが ドゥカティパフォーマンス製としても社外としても存在しました。また車と同じくロムライターで書き換えるなんて方々もいたようで.....しかし このロム交換はあくまで全体底上げ仕様みたいなもので アイドリングから極低回転でのアクセル付き等の変更は他の部分で行います。っていうか今まで18000キロ、誰にも診られなかったの~(驚)

調整のためキャップを開けますと、ロム記号は案の定 ノーマル748R用でした。ロムチップの脇に 低回転時の燃調を変更できる小さなダイアル(トリマーと呼んでおります)がありその可変によって燃料の濃さが変わります。が、この部分だけでは、 ほんの数度変化させただけでは良くなるよりも悪くなるほうになります。アイドリング付近は更にスロットルボディ側にある「アイドルバイパススクリュー」も調整してあげないといけません。こちらはアイドリング時のみの空気の流路調整となります。これらのバランスでアイドリング回転数~最初の開け始めのアクセルフィーリングを変えます。ある程度 人間感性でも合わせられますが 経験とコツも必要です。しかも内燃機燃焼状態も把握できないとなので 同時に参考的に使用するのが 排気ガステスタです。


通常では空燃比計も併用するとよりいいのですが最近表示が曖昧なので修理中検証中のため今回はガステスタのみで判断します。とはいえこれだけでも十分解るですけどね。測る成分は「CO」「HC」なのですが、これらの数値は内燃機関内の燃焼状態が良ければ ある一定の値以内に入ります。著しく 逸脱した数値になる場合は CO、HCのどちらがどう増加するかである程度 「燃料が多い」「空気が多い」と判断できるのです。この年式のドカは、O2センサも触媒もありませんのでより解りやすく変化します。とまぁ 少しトリマー、バイパススクリュー調整しながらこんなところにしてみます。トリマーは 結果 1度~2度行くか行かないかのところで落ち付きました。と流れ作業に見えますが、スロットルボディのバイパススクリュー調整(リヤヘッド側)は都度 タンク外すのですがね.....
アイドリングも 安定傾向で上がり、低回転からのブリッピングもいいでしょう。
後の仕上げは実走です。やはり人間の五感はバカにならないので....とtetsuのある種信念です。
極低回転はこんなものにして、次に 全体側です。
ロム交換はしません。ではどうするかというと......後にお手軽にセッティング変更できるよう tetsu996Rでも使用している、「パワーコマンダー」なるものを組み込みます。とうことで 今日はここまで.......つづく
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