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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

PCX150 駆動系修理

常連様 Hさんのホンダ PCX150。 初期型で 現在 約7万キロに到達する状態。
しばらく忘れていた ドライブベルト周りの交換です。
本来ならもう一万キロくらい手前で交換しておくべきでしたが 本人もtetsuもすっかり忘れてまして....
というのが PCX(特に初期モデル)にアルアルの エンジンオイル消費が随分前からあり 通勤スペシャル車両な当該車両はtetsuの推奨通り 1000kmごとにオイル交換でご来店するので 定期的に良く合うことで 駆動系への意識も忘れていたということです。


で、心配された状態ですが 予想以上に状態は良く もう少し先でも大丈夫であったであろう状態。
ま、そうは言いながら 前回交換から 4万キロほど使用してますのでやはり怖いですのでね。
それ以外の ドライブ、ドリブン側プーリー、クラッチも状態よく ベルトとローラ交換のみでOK。オーナーの優しい走りが垣間見れます(笑)。
このまま オイル消費のみ気にしていれば エンジン的には もうしばらく先までは乗れそうですね。こんなところが 良くも悪くも 流石のホンダ車。
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GSXR600 カーボン噛み

常連さま Aさんの スズキGSXR600 ある日突然 始動時からエンジン不調で 急遽入院。

最終的にエンジン不始動状態にてレッカーされてきましたが どうもエンジンの圧縮がない感じです...(汗)。

4スト原付系で多い事案の『カーボン噛み』と同じ様相。


プラグを外す前も外した後も ただセルの「キュルルルル」というかろやかな音しかしてませんので.....
所謂 「全くかかる気がしない....」です。
一応 バッテリー満充電&他バッテリーからのジャンプでも試みましたが変わりませんね。
以前に バッテリー不良で始動できないという案件もありましたから。
ただ今回のはあきらかに エンジンの圧縮がないですね。
この事象 簡単に説明すると 不燃焼のカーボンが不運にも バルブの隙間に挟まったままになってしまいエンジン圧縮が抜けてしまう状態になることです。
2010年辺りからの排気ガスがもう一段厳しくなってからの原付で結構起こる事象でして 基本 エンジンバラさずとも何事もなくエンジン再始動できればその後 またしばらくは症状が出ない物が多いです。
高年式の スーパースポーツ系も 比較的要注意です。
勿論 機械的にエンジンが壊れている事も 十分ありえますが それは確率論となります。

なる要素で多いのは やはり 比較的混雑路が多いところのゴーストップが多い車両。またエンジンオイル交換頻度が少ない車両。オイル入れすぎな車両は顕著。
また 特に 大排気量車ほど 過酷な道路事情に左右されると思います。

当該車両も都心に向かっての通勤スペシャルなので 本来の走る条件下よりかなり酷な使われ方をされているのが問題だったかと。
 
案の定 外したプラグは濡れている割に 真っ黒ではなかったですね。
どちらにしろ経年距離を考えて オール交換。
ただ それだけではカーボン噛みしている車両はエンジン始動しませんので 色々とtetsuのノウハウで攻め込んで行き エンジンがかかりそうなところまで来て 一気に始動。
しばらく回転維持にてエンジン燃焼室の生ガスと湿ったカーボンを排出して 無事元に戻りました。

ハイパーモタード796 セルモータ交換

昨年末のドカ祭りの続きの模様です。
全体写真ありませんが ハイパーモタード796さんです。
他で購入された車両ですが 昨年 tetsuが一度 別の作業を承った車両です。
今回の依頼内容は 出先でバッテリーが弱くて エンジン始動が困難になるということ......
「充電不良なのかな?」という疑いのもと お預かりしました。
要所見る分には 充電系に不具合はなさそうな感じ....
がしかし エンジンがかなり暖まった状態で再始動しようとすると セルの回りが異様に遅い....っていうかクランキングできない。
「??」と思いつつ 一旦 エンジン冷やすと また始動可能。
「?????!」な感じで 「セルが弱い?」
と思いつつ 配線周りをチェックしたり バイパス配線も導入してみたりしてもあまり良い方向に変わりません。
新車購入から 実走 約11000km車ですが 「セルモータがダメ?」という疑念になりまして 始動困難状態の時に 更にセルモータに直接 電気を流してみましたが 変わりませんでした。

結果 セルモータ不良の断定が下りました。
セルモータ....... お高いんですよね~
かと言って 謎の社外品はおススメしませんよ。電装類は純正使用が間違いないので。
ただ 交換は結構面倒なんです.....
まだ空冷だからいいですが.....

左エンジンカバーを取り外さないと セルモータが外せないです。

実は 前ドカ作業の900SSも左エンジンカバー外しての作業でしたが、その作業の後に同日に行った作業なのです。.
左のエンジンカバーを開ける作業は同じってところだったので 900SSの作業の勢いそのままで こちらもやっつけました(苦笑)。

で 付いている部分はこの赤丸印。

L型エンジンのドカは 水冷も空冷も 新旧 この部分にあります。で、見ての通り 右側に抜くには オイルラインがおもいっきり邪魔。

で、左のケースは何故外すかと言うと ケース内部からセルモータ留めてるボルトが 2本あるため。

旧エンジンまでは フライホイールは外さなくてもセル固定ボルトが外せたのですが ハイパー796系からのエンジンは少しケース形状も変わったせいか フライホイールと ピニオンギアを外さないと 固定ボルトが緩められない構造ですので 結構面倒なんです。

そして 取り外し。新旧のセルモータです。


ここで ふと気が付いたことが。
旧セルモータのラベルには 「DUCATI」の文字は入っていますが どこぞの製品かは不明。

ドカはキャブ時代から2000年代後半辺りまでの車両は みな「DENSO]セルモータでしたが どこかのタイミングから変わっていたのですね.....

そして 新セルモータはと言うと...... 形は一緒ですがラベルに「DENSO」の文字が!!

「なるほど~、そう言う事か~」って 印象でしょうか(笑えない)。
今回の不具合になった理由もこれで な~んとなく 理解してしまったりして.....
大きな声では申せませんが(苦笑)。
セルモータも工業製品ですので いずれ壊れるものですが 今回の ハイパー796さんは新車から 11000km...... 普通に考えると 今回の案件のような壊れ方はしなそうですがね。
新しいセルモータが DENSO製に置き換わった点にヒントがあるかもですが。。。。
こればかしは tetsuの妄想の範疇にしておきましょう(苦笑)。

ということで新しいセルモータになってハイパー796さんは 元気よく治りました。

900SS ピックアップコイル交換

ドカ祭りの12月の様相通り連続 ドカネタです。
こちらは 埼玉からの常連さま N田さんの900SSハーフカウル 、エンジン不調により 入庫。

11000kmの車両を8年前に購入いただき 現在 43000kmほど。
いつも ツーリングに使用して好調だったエンジンに本人的 違和感を感じたようで。
それでも 走れてしまっている状態だったので 気が付かない人は気が付かないでしばらく走っていたかもしれませんね。
本人的には ここ一か月 少しづつ悪化してきているとのことで。

当初はキャブ不調説があったのですが 車両預かり後 エンジン始動からしばらく見ていて たまにエンジン失火するのに着目。
どうも 点火系がおかしいですね。

この時点で ほぼピックアップコイル異常と睨んでおりますが そうでないパターンも今まであったので他も視野に入れつつ慎重に検証します。
ピックアップコイルがなんだかわからない人は ググってください(説明面倒なので 苦笑)。

ドカの場合 各気筒 独立点火方式で ピックアップコイルもそれぞれ ホリゾンタル側、バーチカル側と独立してあります。
という構成なので どちらかのコイルが死んでも、もう一方は生きているという壊れ方が大半です。
今まで 数台見た壊れ方もそうでした。
ただ この壊れ方がマチマチでして。
通例は そのまま壊れた側は点火できなくなるので ずっとエンジン片肺(片方のみ爆発)になるし その時点でプラグにも火が飛んでないので分かりやすいです。
その次に多いのが エンジン始動直後は 普通に2気筒で調子いいのに しばらく走ると 突然片肺いなるというもの。
今回のケースはtetsuも初見で エンジン始動時に比較的片肺気味 でも走り始めてしばらくすると 二気筒っぽく爆発はする、でも少し違和感ある ていう感じだったようで。
このケースだと 900SSではエンジンのキャラ上 通常始動時にこのようになるケースも多々あるので 判断つきづらいです。始動失敗にてプラグ被らせるなんていうのも 慣れてるtetsuでもあり得る車両なので(苦笑)。

当該車両は 比較的判断がすぐつきました。
調子悪い状態でピックアップコイルの抵抗値を測った時点で バーチカル側のコイル抵抗値がおかしい数値になってました。

ということで 新品交換となります。
これが新品 ピックアップコイル。


 では バラしますよ~。この作業は少し気合を入れないとですね。
SSのピックアップコイルは左ケース内にあります。なのでオイル抜いて左ケース外しですね。
でも まだ空冷車なのでいいです。水冷の場合 水も抜かなきゃだし ウォーターポンプカバーも取り外しなので.....
当該 車両は 販売後tetsu自身は一度も左ケースはバラしてないので すんなりケースが外れるとは思えません。
よくある シフトスプリング欠損や セルモータ周りもこの部分を開けますが それが一度もない車両ということでもあります。
なので 下手すると新車時より一度も開けてない可能性もありますし(汗)。


案の定 すんなりとは外れなかったですが 特殊工具さえあれば(tetsu自家製ですが)結果的には外せますので。

当該車両 予想通り 初めてtetsuがケース外しましたね。
ケース部分にガスケットが存在してました。しかも カピカピでしたし。

この当時のドカは まだガスケットがこの部分に入っているのですが その後 撤廃されますので(1994年辺りからないのかな?)実際 当時のパーツリストにガスケットとしての部番もありますが今は廃盤ですし そもそもそれ以降は全車 この部分 シリコンガスケット留めですので。ま、その方が こちらとしてはありがたいですがね。
それにしても 国産車のガスケットは(ハーレーもそうでしたが)年数経つと 頑固にこびりついて 毎度ながらの『人生はガスケット剥がし』で泣かされることが多々なのですが ドカでは一度もないですね(笑)。実際 ガスケット効果のためのガスケットなのか疑問になるような素材で有る事は間違いないと感じます..... ま、そのおかげですんなり剥がれるしその後は入れないのでいいのですがね。

話は戻りまして。
この部分に付いております。

プレートごと外して 移植なのですが これまたカプラ部分をバラさないと 配線がクランクケースから抜けなかったりと 謎にトリッキーな構造してます。
無事 交換完了して エンジン始動。問題ないこと確認して 作業完了。
元気よく 元通り 埼玉に戻って行きました。