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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

こんなとこにもDLCコーテイング

先日 駆動系一新修理にてお預かりした スズキのアドレス110(4スト)で作業中に感心したこと。

ドライブ側のプーリーボス(カラー)。


写真のシャフト中心の黒いカラーが プーリーボス(写真は新品組み込んだところ)。
見ての通り 分ると思いますが 表面が黒っぽいですね。
これ 『DLC』コーティングかかっていますね。

アドレス110の前モデルとなるアドレスV125などは この部分は通例の硬質メッキ処理でしたが とうとうスクーターのこんな部分の部品にも DLCコーティングがなされるようになったことはある意味スゴイと思います。

DLCとは『Diamond-Like Carbon』の略で 金属の表面処理の事。
簡単に言うと 従来にない低摩耗係数の表面にすることができる技術だそう。
バイクで見た目でそれが施されているのが分るのは スズキのGSX-R1000の一部の年式やドカの1198やハイパーモタード1100辺りの オーリンズではない仕様のフロントサスのインナーチューブ摺動部が黒いのがこの金属表面処理が施されているものです。
それまで主流だった チタンコーティングより摩擦係数的にも耐久力も数段優れていると言われておりました。

今回バラしたアドレス110のボスも約5万キロ使用ですがほぼ表面が剥がれたような形跡がないのはやはりDLCのおかげでしょう。


左が新品、右が5万キロ使用のもの。
従来の硬質メッキだと5万キロも使用していると摺動部分に薄い焼け跡や傷が多くつくのが大抵なので やはり優秀な状態と言えるでしょう。
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ドカでもカブでも 壊れますよ

写真は 左が先日 過充電方向で壊れた ドカの1198のレギュレータ。
右は 先日 同じく 過充電方向で壊れた お客さんのホンダ スーパーカブ90のレギュレータ。

大きさが分るように ボールペンで比較しております。

大きさ違うのは単純に排気量違いよりも発電量からの制御度合違いですが やっていることは同じです。
いやカブは少し違いますが(AC・DC制御しているので)ここでは説明を省きます。

よく昔からドカのレギュレータ(というか外車は)壊れやすい ということが聞かれますが  tetsuにしてみれば 国産も普通に壊れますよ。
なにを根拠に 外車が壊れやすいと言っているのかが不明です。

そもそも特にドカは 『走ってナンボ』な造りなのに 都内の信号ゴーストップを走ったり、30度越えの日でも平気で渋滞にハマりに行ったりと行った事を想定しておりませんので。
そういった使い方が多いほど 特に古い車体のレギュレータ等は壊れるのは当たり前なんです。
装丁範囲外でしょうから。
最近でこそ 冷却フィンがついていないレギュレータも存在しますが 上記写真の物はその装着されているフィンで熱を逃がすこと前提です。
特にドカに装着されているもののような大型車に装着されているのはある程度走行風で冷却すること考えてますね。
勿論 工業製品なので 外車でも国産でも 不慮的に壊れます(今回のカブ90なんてそんなものでしょう)。
でも 大方 その車体に沿っていない使い方で壊れるのが多いと昔からtetsuは感じます。

まぁ しいて言えば ドカのSBK系のレギュレータの搭載位置には無理もありますがね(苦笑)。

因みに 写真のドカのレギュレータは メイドインジャパンの コクサン(会社名です)製です。
国産車だとスズキなんかが昔からコクサン製使ってます。
90年代の900SSなんかは イタリア物でしたが それも伊東二輪のお客様達の車両、tetsuが対策施した車両では 9割がたは壊れず 当時の純正レギュレータのまま壊れず乗れているものが多いのが現状です。

これ考えると 『壊れます』が『壊れやすい』とはちょっと違うと思うのですがね。

国産車は やはり日本国土の季節、走行環境をある程度顧慮している上に 『ザ・日本人』が日本人のために設計しているでしょうから ある程度なフレキシブルな環境下での使用を前提に設計しているでしょうか 色々な面で『壊れない』という印象はあるでしょうね。
でも 例えば 国産SSなんかはやはり『走れ』が前提ですので 都内通勤スペシャルでSSを使っていたお客様は 6万キロで二回 ステータコイル(発電機)とレギュレータが逝きましたからね。目的使用環境が違うことで壊れる典型的な例です。

というような事も念頭に入れて 世の中の情報も精査する必要が他のことでも多々あると 最近 感じますね。皆さまも そういうのに惑わされないようにです。

Dio クラッチ破損

伊東二輪入るマンション住人さんの Dioさんの不調相談。

突然 エンジン停止での車体の押し引きが重いとのこと。特に後ろに押すのがという案件。

診て見ますと センタースタンド上げた状態での前方方向にはなんとか回るのですが 後輪を後方に回す方向が 既に かなり重いのでこの時点でなにかおかしいですね。
ブレーキは考えづらいですが 昔他の車両で ブレーキシューがベースから剥がれてしまっていたのがこんな感じになったものもありましたが 今回は 多分 クラッチ不良かと。

よくあるケースとしては、 3個あるスプリングの内の一個が折れたのではと想像していましたが ベルトカバー開けてクラッチ確認したところ 要は同じことでしたが レアな方での壊れ方でした。

写真で見ると3個あるクラッチのうち一個だけ浮いています。


一見クラッチスプリングが折れたのと同じようですが違います。

外したクラッチ裏部です。

スプリングがひっかかる部分が折れてしまってました。

クラッチ自体の摩耗剤部分がほぼ無くなっているくらい使用された物でしたので 単純に寿命とも言えてましたが.....

こちらは新品。


tetsuバイク屋人生でもこういうのは レアケースですね。
どちらにしろ経年使用での金属疲労破損ということです。

新品クラッチ周りに交換して完了でした。

過充電

お客さん ドカの1198のバッテリーがこんなんなってしまいました(汗)。

過充電に気が付かず 最期はバッテリー死亡にてエンジンストップからのレッカー搬送でした.......

1198のバッテリーは左カウル内 エンジンの真横に装着されてます。
とはいえエンジン熱等でこう変形したわけではありません。
レギュレータ制御ができなくなり過充電のためバッテリーが熱変形してしまったということ。
電圧制御するレギュレータは バッテリーケースの下、マフラーの真横辺りに装着されます。
ドカのこの頃のレギュレータは国産の同時期の物とも同じ 本体に冷却フィンがあるもの。
一見 アンダーカウルを抜ける風で冷却されそうですが それは走り続けているときのみですよね。
しかも 昨今の日本の夏の暑さの中では走行中でも冷却は期待できないのではとも思ったり......
元々ドカのSBK系は昔の851、888以降 916からは バッテリーの搭載位置がエンジン横になり (スタイル的に隠すところがないのもあるが マスの集中化が大きい)熱的被害を受けやすくなりました。
エンジンの進化と共に発するエンジン熱量を顧みず エンジンの真横にバッテリーを搭載するスタイルが慣例化。999ではそれまでの右側から整備性も考えての 左側に。でもこれが更に無理あります。今度は更にマフラー等の影響も受けますので。
この周辺にレギュレータを配置するのでこれも熱がこもる場所に何故にという位置なので必然的に使用環境によってはバッテリーもレギュレータも壊れますよね。

ま、国産車でもSS系で渋滞をハマりながら走る車両は短命で壊れるのは同じことですが......

今回は運悪く 過充電側での故障でしたが未充電として壊れる方が多いです。
これも電圧計を見ない限り 気が付きませんので どちらにしろ一般的にはエンジンストップもしくはエンジン不始動にて気が付くパターンがほとんどかと......

どちらにしろ 対策らしい対策はないですが 一番いいのは『暑いと思う日は乗らない』にかぎりますよ。

定期的な900SS

DUATI 900SS、伊東二輪ではトラストワン時代からのお客様から新しいお客様も含め 出入りするドカの中でも今でも数多く診ている車種です。

当該車両は 常連 yossyくんの 1991年型 900SS 連休前に車検預かり中の図です。

この年式のみになる 純正 黒外装は珍しいです。

知らない人はオールペンしたと思われがちなんですがね。
白フレーム時代は リアルカジバ時代を彷彿させるので これはこれでtetsuは好きですね。