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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

リトルカブ 前後ブレーキ交換


ご近所さんのリトルカブさん。2年ほど前に 謎のエンジントラブルで作業した車両です。あれ以来 調子よく乗られているようでした。古い年式ですが新車よりまだ 17000キロほどしか走ってないので カブで言うと「まだまだ子供」です(笑)。
しかし 定期的メンテということで オーナー様依頼にて前後ブレーキ交換します。
いいことですね。
ブレーキパッドもシューも減ってないからOKということもなく、ある程度経年来たら 交換しておくといいです。シュー式では ライニングがシューベースより剥がれてしまうこともありますし、今回の例のように 経年の使用劣化によって シュー本体の表面が剥がれてきてしまう(ガサガサになる)こともありますので。
外した リヤブレーキパネル。



新旧比較。


定期的に動いていることもあり、ドラム側はキレイなものです。放置歴が長かったり、雨ざらし歴が長いと この部分も錆腐食が進んで 内部も傷だらけになってしまいますので。



リヤ側はバラした際に作動アームの動きが悪かったですね。シャフトを抜いて 案の定 グリス切れて 錆びてました。ペーパーヤスリで綺麗にして グリス漬けにして再組み込み。シュー交換でバラして良かったですね。
リフレッシュされてまた元気に走ってくれるでしょう。
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スマートDio 駆動系終了

メーター4回転のスマートDioさん。約8年前にトラスト時代に販売した車両でしたが ここまで一度も駆動系の修理をしてきませんでした。当然と言えば当然の結末が来まして.....

通勤途中にエンジンはかかっているけど進まないという電話を頂き.....ご本人がトラックで搬送。
十中八九 ベルトが切れているのは明白ですが、いかんせんこの距離一度もなにも駆動系やっていないというのはベルトだけではすまされません。

そして案の定、バラしてみて ドライブ側のプーリー表面は段付きもヒドく、 プーリーボス(クランクシャフトに嵌る部分)も径が大きくなってしまっていてガタガタ。ドリブン側のプーリーも作動出来なくなっている状態だったので 切れる前は変速もできない 「一対一」駆動(エンジン回転数分しか走れない状態)だったと推測されます。

どちらにしろ 修理するには 駆動系全交換となる状況でしたので この先の費用対効果も考え 在庫にあった スーパーカブ50に乗り換えていただきました。
乗り手がまだ飛ばさない人だったのでここまで持ちましたが やはり 4ストスクーターでも 2万キロ近辺で一度 ベルト交換はするのが吉です。

DRZ400S 車検他 車体整備 リヤ偏

で、後ろに回り スイングアーム周りとリンク周りのグリスアップもします。
こちら周辺もオフロード車としてのオフロード使われな車体はステムベアリング並みに酷な条件下におかれております。
しかも 結構ベアリング逝きかかっていても ほぼ気が付かないパターンが多いです。

で、リンク周りは順序よく外れていき 内部ベアリング、カラーも状態は悪くなくこちらはグリスアップのみで良さげな状態でしたが......

スイングアームを外す段階で、そもそものスイングアームのピボットシャフトが抜けません。
これもオフ車に限らずオンロード車でも結構あることですが......何回遭遇してもいい気分しません。だって、試行錯誤で疲れるんです....しかも最終的に抜けないともっと大変.....(汗)
格闘すること 40分ほどで 少しづつ光明が見えてきまして 最終的に抜くことができました。
余談ですが、昔 SR400でこの部分のシャフトがびくともしなく 油圧プレスを駆使しながら ピボットシャフトを途中から切断したことがあります。あれは大変だった.........
あ、CRMでもエンジンおろせなくて困ったことも.....思うと 結構あるなぁ.....

本題に戻り 抜けてきたシャフトの状態。

御覧の通り、サビサビ固着です。この時点で嫌な予感。

こういう場合、内部のベアリングも酷いことになっている事 ほぼ.....

で、案の定 車体右側のスイングアームベアリングとベアリングカラーがこんな状態に(恐)


終わってました。バラして正解でしたね。スイングアームベアリング、カラーは全入れ替えです。

反対側は綺麗でしたね。普通 駆動側(チェーン側)のベアリングの方が逝きやすいのですがね。特にCRMはほぼそうですし。


新品との比較。


一番外側に入っているスラストベアリングも片側は終わってました。
新旧比較。


ピボットシャフトも。


DRZはこの辺も 他の国産とレールと違って この辺もかなり凝って考えた造り(レーサー的)ですが、やはり「強固な造り」と「メンテサイクル長め」というのはイコールでない例ですね。
今後はもう少し短いスパンで整備いたしましょうね。という例でした。
車体もリフレッシュされて また林道中でお会いしましょう。

DRZ400S 車検他 車体整備 フロント偏


林道部フジさんのスズキ DRZ400Sさん車検です。トラスト時代の5年ほど前に販売したときが 走行距離 3000kmにも満たない車両でしたが 現在 17000km。その間 日ごろの足もそうですが 林道使用も多々。その傾向も考え今回は ステム周り、リヤスイングアーム周りの 全バラ整備も行います。フロントはフォーク外すついでもあり、フォークオイル交換もしておきます。
オフ車をオフ車として使っていると、この辺りのベアリング類の負担は 一般舗装使用に比べ遥かに負担、消耗が早いので 本当はマメなグリスアップが長もちの秘訣です。実際モトクロッサーやエンデューロレーサーは最低でも一年に一度は全バラです(使用環境によっては半年にいっぺん以上も)。

で、本人は気が付いてなかったですが 既にステムベアリングは末期症状に。バラす前にお店周辺を試走してみましたが すぐにハンドル周りの異変あり。真っすぐ走れませんし、曲がり角でセルフステアが全くありません。ので ものすごく乗り手の腕が疲れます。
典型的な ステムベアリングが逝っている症状です。これ気が付く方と気が付かない方に分かれるのですが、結構 曲がる時の違和感で症状を伝えてくる方が多いのですが、フジくんはタイヤ交換後 そのタイヤのフィーリングでそうなっていると勝手に思い込んでいたようでした.....既に昨年から兆候があったようです。


で、ステムバラした図。アンダー側です。末期でよく見る光景ですが、グリスが全くないどころかサビサビです。

車体側のアンダーレースもこの通り......



対してアッパー側。こちらもよく見る図で、アンダーがヒドイ割にアッパーは意外と普通....ってことが多いです。こちらもグリスはほぼ流れてしまってますがまだアンダーほどでもなく レースの段付きもヒドくないですね。力学的にアンダー側の方が遥かに 車体全体の走行時の力を受けてますしね。


それにしても 毎回関心する、流石のDRZのステムシャフト。一般市販車(トレール車)では珍しい アルミ機械加工シャフトです。ここはお金かかってますよ。普通 鉄シャフトですから。車体の軽量化、ハンドリングの軽さに反映されますよね。因みに KTM250系のシックスデイズやハスクのエンデューロ車全般は ステムのブラケット部もアルミのマシニング削り加工の物なので ステムバラした時でもカッコイイです(意味不明 (笑))
ベアリング打ち換え、フォークオイルも交換してフロント周りは完了。

リヤ周りに続く

KTM250EXC-F ウォーターポンプシール交換


先のハッピーエンデューロ2ndに参戦した時の 渡くん。3Hレース中の写真です。ダートスポーツ写真担当の REDさんに撮っていただいた一コマを拝借しました。

渡君号は 元tetsu練習号にて 2011年 250EXCFです。
今回の作業はレース2週間を切った出来事ですが.....
修理預かり中に 渡くんはエントリーしたっていう 強者です。
結果的に部品も間に合い 無事作業も完了して レースも完走出来て良かったです。

この時は 国産車等でもたまにある エンジンオイル内へのクーラント混入でした。河原鍛錬をしていて休憩中にエンジンオイルの白濁に気が付き そのまま入院へ。
水冷エンジンのクーラントがエンジン内混入経路には 幾つかありますが、一番多いパターンは ウォーターポンプシャフトシール抜けによるもの。その他、水路のどこかでリークしたりというのもありますが。
国産車の場合 このシールが2層になっていることが多く手前が 水側、奥が エンジンオイル側を止める役目をしています。国産車の場合 「メカニカルシール」と称することもありますね。確かに ちょっと変わった構造のシールしてますので。そして、このシールが抜けた場合 水、もしくはオイルが外部に漏れてきて その部分のシール破損を教えてくれるのですが、当該年式の EXCFにはそれがありません。
しかも ポンプシャフトシールも 一層のみのタイプ。確かに 回転抵抗は少なく、エンジンブロックも簡易に造れますが。因みに 2013年~辺りの同系統エンジンはこの部分は2層のシール構造になってました。


ポンプカバーを取り外した状態。グレーの部分がポンプシャフトシールです。見た目 どのように逝っているかは分かりづらいのもこの部分。メチャメチャサビてたりしたら解りやすいですがそうでもないので 通常使用による劣化ですか。この手のエンデューロレーサーは ラジエターキャップ圧力も 1.8kgとかなり高めの設定なので 必然的にエンジン温度上がった時の各部への負担も大きいです。オーバーヒート状態になって 一番負担になって抜けやすいのもシール類と考えられますね。
このEXCFの場合ポンプシャフトと言っても バランサーシャフトですが、これ 690のLC4系も同じような構造で取り付けられてます。違いは 690はポンプシャフトがエンジン本体に打ち込まれているので 取り外すのにも一苦労。対して 当該EXCFは最悪 右ケースカバーを取り外せば シールを安易に外せそう。でもそこまでバラすのも悔しいので(なにが?(笑))690系のを外すのと同じ手でいきました。っていうか本来 どんな特殊工具使うのか.....使わないで素直にバラバラにするのかな....(苦笑)

で伊東二輪方法にて除去成功。抜いたらこんな感じです。


新品入れて後は組むだけ。クーラント入れて 後はエンジン内オイルをフラッシングすること 3回。3回目にはほとんど白濁もなく綺麗になりました。
690もそうですが この辺の部品は特にKTM系は定期交換にしているといいかもしれませんね。