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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

技術の進歩はスゴイ けど 古いままでもいいこともある

最近 近代エンジン(原付を除く)、特に高性能側のエンジンのコンパクトさに驚くものです。
まぁ そのポテンシャルもすごいですがね。

ふと色々エンジン外観見てて書いてみたくなり(笑)。
因みに MOTOGPのマシンは 市販車ではないので今回の内容では無視です。


写真は 2016年 GSX-R600(L6)のエンジンですが フレームでシリンダーより上が見えませんが 昔の90年代の頃の CBR250RR他のレーサーレプリカ世代の4気筒250ccエンジンより小さいと思います。幅もR600と同じようなレイアウトの SS1000cc系のエンジンもメチャ小さいですがね。
エンジンの前後長を短くするのに クランクシャフトを前上に行かせ ミッションのレイアウトを変えて兎に角 コンパクトですよね。
SS系はエンジンの搭載位置も大分 前に上にという感じです。
これによりショートホイールベースにしてもスイングアーム長は長くとれる方向になっているようです。


こちらは ドカでは長年見慣れた Lツインエンジン。
写真はストリートファイターの物なので 1098cc。


先のR600のエンジンからしたら2倍は言い過ぎですが存在感アリアリのエンジンです(笑)。
Lツインと言ってますが 要は Vツインが前傾して寝ただけなので 『90度Vツイン』が普通の言い方になるでしょう。
80年代中頃の パンタエンジンから出現して 未だ ドカの特に空冷系には使い続けられているエンジンレイアウトです。
こちらは 伊東二輪で最大派閥の900SS(左側からですが)。

当時でもそうですが国産の直列4気筒と違って Lツインのレイアウト上 エンジン前後長が長くなってしまいます。そのため スイングアームピボットも後ろ気味になるので 必然的にスイングアームは短めでもあります。
空冷エンジンはまだヘッド周りが簡素なのでいいですが水冷は4バルブにもなりヘッド周りが途端に大きくなるので エンジン全体も大き目です。
更に このレイアウトのおかげで 車体の重量配分も 何気にリヤの方が重かったりします。
通常 スポーツバイクでは考えられないことですが それでもそれがネガにならなかったのが ドカのスゴイところでしょうか。
このLツインレイアウトで 世界スーパーバイク選手権では1988年の 851に始まり、888、916(955)、996、998、999、1098 とパニガーレ前の全ての車両でチャンピオン獲ってますからね。
古いエンジンベース設計を使い続けたのがいいのか、基本設計がいいのか、はたまた それとバランスさせる フレームが良かったのかは不明ですが 唯一無二のエンジンで長年に渡って使われるのは傑作エンジンなのでしょう。

対してオフ車ですが やはりレース用車両の 特に最近の4ストのエンジンのコンパクトさに驚くばかりです。


写真はtetsuの現行 KTM250EXC-Fのエンジンですが クランクケースの小ささに感心するばかりです。シリンダーはエキパイに隠れて見えないくらいの短さです。主に上の方で見えているのはシリンダーヘッドです。ヘッドの高さとクランクケースの高さがほぼ一緒ではないかというくらいですね。
このおかげでか とうとう 車重が同一排気量の2ストより軽いという 昔では考えられない方向に進化しております。


因みに こちらは KTM125EXC。

2013年式の物ですが 2ストはそれほど大きく変化してないです。
エンジンの行程上 変化させづらいという方が正解かも。2ストは よほどでない限り 他メーカーのものでも同じようなエンジンレイアウト、大きさになってきますので。
 
チャンバーがあって今一分かりづらいですが 流石に125ccだと腰上(シリンダーより上)が小さいのでコンパクトさは感じますが、クランクケース自体の大きさは 現行EXC-Fも大差ないくらいに見えます。
それくらい4ストは進化しているのですよ。

オマケで tetsuのヤマハ XT250X改(要はセロー)のエンジン。

空冷2Vエンジンなのでシンプルなはずですが あきらかに 水冷 DOHCの250EXC-Fのより 大きいです。

やはりレーサーライクな車両は 最先端技術が注がれますよね。勝つためですから。

これらからすると 前述した ドカのLツイン時代エンジンは 後半になるほど 必ずしも最先端だったとは言えないけど その進化としては レースでは一線級を20年以上に渡り活躍できたのは ある意味 恐るべしことであると 思ったりしたわけです(笑)。
そして 新型エンジンになったパニガーレは 一度もチャンピオンを取れなかった事実もありますしね......

まぁ スーパーバイクのワークスマシンは限りなく レースレギュレーションギリの車重として造り込んでいるので 市販車とは別物と言ってもいいのですがね。
996全盛の時代での車重リミットって 162kgですからね(驚)。
現在のレギュレーションでも168kgっていうのも驚きなんですが(苦笑)。
市販車マイナス 約40キロって(汗)。ちょっとした女性一人分 軽くできるのがスゴイっす。
これで馬力は 市販車+ 40~50馬力アップです。
別物の乗り物ですよ(笑いが止まらない)。

最近R600乗っていて改めて思いますが スポーツカーは『軽さは正義』ですね。
実感です(笑)。

最後はなにもオチがない おはなしでした(笑)。
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マジ バーストして大怪我しますよ

先日タイヤ交換したアドレスV125さんのものですが.....


毎度ながらここまで使うのは「やめてください」と声を大に言っておりますが、この写真でもその危険さが判るのが。


黄色四角印の部分がタイヤ表面にシミのようなものが見えますが これがタイヤゴム質の最後の薄皮と思ってくれれば....(汗)。
これが過ぎると 白いワイヤーが見えてきますので それこそ 普通に走っていてバーストできます。

以上 定期的注意喚起でした。
原付の方々は特にこのような方が多いので注意してください。

タイヤはスリップサインが出て来たら交換ですよ!

M900 シート張り替え

Mr.Tくんのドカ、モンスターM900Sieのシートの端面が裂けて来たため シート張り替え依頼です。

シート後端が白いのは Mr.Tくんがここに直接 ゼッケン用の白いガムテープを貼っていたからです(苦笑)。その後 シートカバーを白く塗って それにゼッケンでしたがね。

約10年以上に及ぶ サーキット専用車だったため、体重移動の頻度で避けたのでしょう。
まぁ そうでなくても街乗りのみでも経年でこの手のドカのシートは切れてきますがね。


今回はシート表皮だけ tetsuが探した 日本の業者さんが販売しているものを発見。
そのリーズナブルな値段に ちょっと材質とか心配でしたし tetsuも取り扱ったことがなかったメーカーさんのでしたので Mr.T本人に 同意の上入手してもらい tetsuが張り替えるということで。

で、来た品物は お値段の割に意外とちゃんとしたフォームで 材質も伸びやすい合成皮を使用してくれていたので 張り替えも 割と楽ちんでした。
モンスターは シート前部がその形状上 シートを引っ張り気味にするのが大変なのですが この商品は CB400SFとか張るのと同じくらいでしたので 良かったです。」



キレイに仕上がって tetsuもMr.Tくんも満足でした。

2スト 原付スクーター ベルト交換で色々思ったこと(コラム的)

昔の名残りで 2スト原付2種のアドレスV100はたまに同作業を今だやりますが(昔多く売った関係で)、50cc以下の原付の2ストは tetsu 独立してからは売ってもいないのと トラスト時代からのお客様もほぼ4ストに乗り換えているためいらっしゃいません。

たまたまご近所に住んでいる ヤマハBJ(ベーシックジョグ)の方から駆動系整備のご依頼でした。この辺の車両は そもそも 大分古いので 自分のところで売ったものでない限り 手放しではお引き受けできません。
オーナー遍歴と整備状況、車両状況によって作業が困難になる車両も予想されますので お引き受けもある程度 慎重になります。

当該車両は以前にタイヤ交換をしたことがあり オーナーの方も結構長く乗っているので 信用も出来そうな車体でしたし 一度見ておりましたので まだ安心でした。

昔は 普通にバラして感じた事もなかったですが 最近はほぼ4ストスクーターをバラすのが主ですので 久しぶりに2スト原付の駆動系をバラしまして その光景を見て  改めて思うと 4ストと違って ドライブプーリー全体が小ぶりだったりするのもあるのかベルトが長め(エンジンケースが長め?)な印象ですね。

2スト原付の頃は エンジン自体に力があったのでベルトの振幅変動特性とか考えての事なのか?。
スクーターの駆動系の基本的構造は変わってないはずですが 現代4ストも 特に低速からのトルクの出方は工夫しているし全開でも結構スピード出るように作られているので頑張っているとは思いますが(全開で走るのは壊れます、あくまで坂道登るため)。インジェクションなのも助けているところはありそうですし(アクセル開けた時のツキがいいので)。
とはいえ やはり相対的パワーという面では 特に 50cc原付は2スト時代にはかなわないですよね。

しかし 世の中の方向性で 特にバイク業界では2ストを必要としない波に乗らなければいけませんでした。
1998年に導入された排気ガス規制のあおりで一般道走る2ストはほぼなくなったのが現実。
よく2ストは排気ガス対策が出来なかったから無くなったと思われている方も多いですがそれは違うそうです。排気ガス規制自体に合わせる事は当時でも 技術的に可能だったらしい。ただ それ相応の車両として販売すると 莫大なコストが当時はかかる試算になったのが一つ。もう一つが 排気ガス対応にするがための代償で2スト本来の持ち味の 排気量小さい中で爆発的パワーを取り出せる部分が 半分くらいに落ちるということだったらしいです。
もしもとして例をあげると 当時 40馬力のNSR250が排気ガス対策して  20馬力になって車体価格 100万。..ってなったらって考えると 買うか考えますよね......この時点で4ストの方が走りそうですし。

ただ 原付スクーター系に関しては4ストになって良い点も沢山あります。
駆動系の耐久性や(乗り方によってほぼ倍もちます)、燃費、そもそも一緒に燃焼する2ストエンジンオイルのおかげで出る煙もありませんので なにかと4ストはいいところも多いですけどね。
2スト乗ったことない人が多い現代では 4ストが最初でも 十分よく走るとtetsuは思います。
ただ 坂道が多いところなんかでは 登りではちょっと4スト50ccスクーターはツライかなとも思いますが。

そもそも車の免許しかない人が 50cc原付まではその免許で乗っていい法律の元、一般的な2スト50cc原付は昔のものほど 走り過ぎる基本スペックだったような気がします(一部 廉価車両等は走らなかったですけどね苦笑))。
1985年頃の メットイン前の ヤマハ JOG50なんて リミッターなしで70kmくらい出ましたしね....(苦笑)。そういえば そのころはギリ 50cc ヘルメットもいりませんし(苦笑)。

まぁ ともあれ 今後 50ccはなくなるのかなぁ?という議論がされてますが、その可能性はありそうですよね。ヤマハもエンジン、車体はホンダですし。スーパーカブ50が無くなるのは寂しいような気もしたり(笑)。
そうなると 車の免許で乗れる物が 100cc?
イヤイヤ、それは問題でしょう。やはり今まで通り 51cc以上は 最低でも小型免許取得が 世の中の安全性も考えていいことだと思いますがね。
どうせ そう言いながら しばらくは中古の50ccとかは走るでしょうしね。

電動キックスケーターの法律は正直 tetsu的には 意味不明だと思いますが....

と 何故かBJのベルト交換しながら 色々考えました(笑)。歳ですかね(爆)。

GSX-S1000F クラッチワイヤー交換

先日作業した ウチの保険担当さん くまさんのスズキ GSX-S1000F クラッチワイヤー交換依頼です。
最近 クラッチ作動に違和感を感じてのこと。



少し話しはそれますが ここ最近の ワイヤー類は昔に比べて 固着やタイコの部分で切れるっていう案件が格段になくなった印象です。
原付含め ワイヤー交換頻度は格段にないんですよ。
原付のワイヤーも以前は定期的に作動不良で 自分でレバーを戻さないといけないとかよくありましたし、ミッション車のクラッチワイヤーなんかも やはり動作が重くなってきて 最後にタイコの部分で切れるというのが多々ありましたからね。
そういうのが出先で起こっても 対処できるようにtetsuなんかも オフ車では予備のクラッチワイヤーなんかを持って行ったりしてました(これ昔の人は多いはず)。
現在のワイヤーはワイヤーの製造工程等が良くなったのか 内部の鉄製ワイヤーの表面に一層 シリコンコーティングするのもあるので それらの効果で作動性も落ちないのか.....
スピードメータも電気式が主流になったのもありメーターケーブル自体がないから尚更 ケーブル交換の頻度が少ないのも頷けます。
ま、こういった多用する部分の部品が長もちするということはいいことですがね。

当該車両 2万キロを超えてきたところですが  預かり中での握り動作自体での不満や違和感は感じませんでしたが 交換して損もないので交換します。

で、昔の車両もカウル付き車両のケーブル類の交換は やや大変なのですが 現代車両......予想外に超大変でした(涙)。

『超大変でした』って言うくらいtetsu現代バイクのワイヤー類交換してないってことです(苦笑)。ドカとか油圧なのでね(笑)。
正直 作業して思ったのが、予備のワイヤー持っていても それ相応の知識と工具とヤル気が無い限り 出先の青空修理では大変のなにものでもないと思いました(汗)。


ハンドル側の装着の仕方はなんらヘンテツもない光景ですよね。
でGSXSの場合(っていうか現代バイクはみな似たようなレイアウトだと思いますが)ワイヤーがそのまま右方向に向かい 右フレームとラジエターの間に入って行きます、ここからが取り回し見えません。



対してその出口側はというと 車体左側(黄色い四角部分)。
跨って左足下の丁度 フロントスプロケットカバー部分にクラッチレリースレバーがありその部分に装着されてます。
ここでまず問題だったのが この下側部分をどう外すのか???

写真で分かりずらいですが ワイヤーがカバーに装着されている部分はボルトとロックナット構造になってまして 写真 奥から手前に向かってネジこんでおります。

アップ写真


ということは 写真奥に向かって緩めていかないと外せないのですが このままでは無理ですね。

で、ここからすったもんだでまず タンクリフトしてみます。
因みに GSXSはタンクリフトするまでもサイドカウルやら細かい外部品を外して行かないといけません........

で、リフトしてみると ワイヤーは右フレームとエンジンに沿ってタンク真下辺りから左に出ているのは解ったのですが 丁度左に出てくる辺りの上方に ABSユニットが鎮座してまして そもそも手が入らない(怒)。

ということで 上側のクラッチレバー側をまず外し、次にスプロケカバーを外して カバーごと車体左に引き抜いてきて そこでやっとワイヤー下部の固定を緩めることができました。



この先の作業もまだ大変で 車体右側、フレームとエンジンの間を通ってる部分も 手が入らないので 通しワイヤーで道を間違えないようにして無事 取り外すことができました。

取り回し自体は非常にいいんですよ。考えられる装着する範囲内で一番 ケーブルに負担にならない(曲がりを少なくする)取り回しなので。
ただ 現代の車と同じで フレームとエンジンとの隙間も追い込んでますし、その他補器類も多くなり 整備性はかなり落ちていると感じました。昭和のオジサンとしては....
必然的に交換作業工賃も かさみますよ.....

たかがクラッチワイヤー交換で 超大変です.....
店のGSX-R600のワイヤー交換しようかと思っていましたがこれと同等レベルの作業と推測すると 躊躇するレベルです(苦笑)。

外したワイヤーはこれ。

外したワイヤーと新品を比べると やはり軽さが若干違います。
丁度曲がっている辺りにクセが付いてしまっていて その部分の重さが クラッチ操作時の違和感だったのでしょうね。

元に戻して くまさんもクラッチの操作感が戻って 喜んでました。

そもそも よく考えると ドカやKTM勢はほぼみんな 油圧クラッチなので tetsuが原付以外でワイヤー交換歴が少ないのもうなずけます(笑)。

ということで現代国産バイクの 予備クラッチワイヤーを持っておく前に 自分の車両の作業性を知っておきましょうね。場合によっては 現場ではできませんよ。 というお話でした。