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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

7万キロも使えば.....


ホンダCRM250ARさん。tetsuと同じく2ストが無くなる直前にトラスト時代に新車で購入した兄弟車です。ちなみにこのとき全部で5台の新車のARを納車しましたが、うち4台は同おオーナーの元、元気に走ってます(うち3台はしっかりオフ車として使用)。今回の車両は唯一、女性オーナー。しかも普通に通勤スペシャル(笑)。なので、我々の車両の中で一番距離乗ってます。今回73000km。全体的には失礼ながら「ボロく」見えますが、やっぱり日々動いている車両なのでなりに調子はいいですね。こんなとこはさすがCRMです。
ただし最近、通勤途中に排気バルブが止まってしまう症状が多発するように.....ARの場合、この手の症状で多いのは排気バルブ周りのカーボン溜まりによる作動不良➪これで回路ショートするのを避けるためにECU側で止めてしまう。というパターン。稀にサーボモータ故障やECU本体故障もありますが、当該車両 ECUは絶対壊れる初期装着ECU(新車からの物は遅かれ早かれ絶対壊れます)が3万キロ時に壊れて 現在 バージョン2となっているのである程度信頼はできますが....それでも電装物なので解りませんんが.....ARバルブ部のサーボモータからの作動ワイヤー外して、空での作動を確認しても それほど力もいらなく全閉↔全開とできるのでここの不良は考えられません。話を聞いていると通常走行中には大丈夫で、信号待ち等の低速に落ち込んでからの 再加速時にそこから回転が吹け上がらなくなるらしい.....と 以前から気になっていたこの右側スイングアーム周りの「超汚れ!!」

これ、サイレンサーからの未燃焼2ストオイルが垂れているんですが.....タイヤにもかかっているんですが.....とこれは今に始まったことではなく 随分前からのこと。通勤スペシャルでこの距離ですから無理もない.....この状態で近場を走行しても車両的には調子よかったのですが、この半端ないオイル垂れ状態を考察して、サイレンサーを交換してみることにしました。
新品はもう手に入りませんので、tetsu手持ちの 中古のストックを出すことに。それまでこもっていた排気音が 軽めの乾いた音になりました。オーナーさんにも乗ってもらったところ、「今のところ快調時の感じ!」というお話し。とうことでこれでしばらく乗ってもらいましょうか。


あまりに汚いので勝手に スイングアーム・ホイールと汚れを拭いたらこれこの通り。
ちなみに 一見 ノーマルのARに見えるのに なぜ「エクセルリム」になっているか解りますか~?モタード仕様ではありませんので。ただリムの色を変えたわけではありません。
ヒントは車体全体の大きさかな~
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クラッチレリースシール抜け


ドカの900SSくん、クラッチレリースのいシール抜けです。常連さんのSSですが、約一か月前にツーリング先でクラッチの切れが悪くなったのが発端。なんとか自宅まで帰り、クラッチオイルを見てみたらリザーバタンク内にオイルが見えなかった。ということで、クラッチオイルを入れて様子見ていたら、クラッチは切れるようになったと.....
で、当店 来店予定日まではなんとかもったようでした。現車確認してある程度破損個所は解りました。「クラッチレリース」部の内部シールが逝ってしまった模様。おそらくクラッチレリースシリンダー側の内側にオイルスラッジの塊があって、そこを絶えずレリースピストンが出入りしてましたので、最終的にシールが切れた模様です
 

この年式はレリース内がバラせる構造ですので、ピストンASSYの交換で 無事解決しました。

GSXR750色々


連チャンで珍しく4気筒勢です。こちらもトラストワン時代より担当させていただいている、スズキGSXR750 K8さんです。600のボディに1000に迫るエンジンパワーのバランスで、現代のSS系のベストバランスと言われております。その軽さに輪をかけて、前後BSTのカーボンホイールが装着されております。
な、なりですが 日々の通勤スペシャル車両です。現在、約53000km走っております。
今回はリヤタイヤ交換、リヤブレーキパッド交換、エアクリーナエレメント交換、プラグ交換のご依頼です。



なにげに整備性は悪くないのが好感持てますね。ブレーキパッドもベストタイミング。リヤタイヤは通勤スペシャルの証のセンター部のみ角減りしていますね。
リフレッシュされて更なる通勤スペシャルに戻って行きました。

こういう事例でもタンク内に水が....


先日車検でお預かりしたホンダCB750さん。今では絶版車です。整備に関して相談を受けたのが、「もしかすると燃料タンク内に水が混入しているかも」という心配。なぜそれが解るのかと本人に聞いてみたところ、最近 ガソリンキャップを開けた際に タンクキャップ下部に溜まっていた水がタンク内に入ってしまったということ。

それは放ってはいけません。そもそも燃料タンクは普通に使用していても内部が「露結」することで自分の意思とは関係なく錆びていきます。ただし 燃料を絶えず満タンにしてでのしばらく乗らないなどの場合はかなり軽減されます。また頻繁に車両を載られている方はタンク内の燃料が絶えず入れ替わりますので、こちらもほぼ起こりえないと思います。
あとはその車両によって「サビやすい」「サビにくい」という車体差はありますのでそこの部分も関係しますが.....
で、大抵はタンク下部の溶接合わせ面辺りからタンクが朽ちていき燃料が漏れるようになってしまうという.....


タンクキャップ周辺の水がタンク内に入ってしまった原因、写真の赤丸印がタンクキャプ側からタンク裏側に向かって パイプ上で繋がっています。これで入れ過ぎてしまったり何かの拍子にタンクカップ周辺に廻った燃料や水等を外部放出するようになってます。当該車両はこの部分は経年のゴミやダストにより 塞がってしまっておりました。そのため雨水等が逃げ場がなくなり、タンクキャップ周辺からタンク内に流入という図式でした。
これが残った燃料をタンクより出してみたの図。

解りずらいですが、右半分ほどが水が分離している状態です。水はガソリンより比重が重いので必ず一番低い部分に溜まったままになります。キャブレターに回った場合、絶対に吸い上げられないままとなりますので、不調の原因にもなりますしそのままですとキャブレタのアルミボディをも腐食させてしまいますのであなどれません。今回の事例はよくある事ではありませんが、やはりバイクカバーなり定期的に動かす(燃料を循環させる)のは動く機械にとっては必要なことです。このまま放置せずでよかったです。

これも よく「あるある」.....いや あってはいけなんですよ。

世界のスーパーカブの90さん、最近 エンジン異音が気になるとの事でご来店。走行 18000km。通常ならカブの世界なら、何ら問題ない距離なのですが......
この[なんら問題ない」というところに大きな意味がありまして。
カムチェーンの弛みの音が非常に耳につく車両となっておりまして、カムチェーンの辺摩耗が一番に思い浮かびます。ただし、カブの場合 カムチェーンテンショナーがエンジンオイルの油圧にも依存している構造ですので、エンジンオイルが少ないだけでも相当の負担となります。
どちらにしろ、エンジンオイルの量を見ると......怪しいです。
ということで抜いた図がこれ。

全容量 800mlに対して......そうですね~ 出てきたのは 100mlほどですか(汗)
どのくらい交換していないか、オーナー様も把握してませんでした。
真っ黒も真っ黒......でディーゼルエンジンのオイル交換のようです.....
そのままカムチェーンも見てみましたが、結構 緩いですね。
ということでカムチェーンは交換します。
このようにオイルが減ったまま乗り続けている車両は、特に 原付の車両に多く見ます。走り方でもかなり変わりますが、やはり「定期距離」でのオイル交換を励行しているか否かで大幅な違いが出ます。
しかも、メーカー推奨距離でOKだと思っている方は要注意です。あれは、あくまで メーカーさんがテスト時で行っている状態と同じ使い方でのお話し。
正直 同じ使い方で一般道を安全に走れないことは容易に想像つきますよね.....
そこからの走り方への 頑張り度合いでもオイル劣化や消費量は大きく変わってくるということです。
あ、それと エンジン壊れていない4サイクル車でも使い方によりオイルは減りますので。
原付 125cc以下の4サイクル車両。よほどの人ではない限り 「2000km」毎のエンジンオイル交換が長持ちさせる秘訣です。一年でその距離も行かない方は、一年に一回の交換と思ってください。ぶっ飛ばす方はそれ以下でした方が......と長年の色々な物を見た意見でした。