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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

998S 消耗品のエアダクト

先日 車検他整備でお預かりだった 西Dさんの ドカ 998Sベイリス。

今回は経年使用でのタイミングベルト交換も整備で依頼ありました。

交換が無くても998の場合 タイミングベルト調整自体でもほぼ同じ姿までしないとリヤ側のタイベルが見えないので 作業はいつも まぁまぁ大変なんです。
写真ではまだエアBOX外してないですが インジェクタ台座含めずらすのがまた面倒なんですよね~。
余談ですが これSPSやR、Sの車両以外の 無印996とかはインジェクタ部残してBOX外輪が外れるので ある意味 無印車両の方が整備性は断然いいのですよ。


で、その際 ついでに エアクリーナーエレメントの状態を確認するのですが 998のエアクリーナーエレメントはこの左右のエアインレットダクト内にあります。


しかし このエアダクトが厄介な構造なため エレメントの確認は主に目視と経年劣化によるダメージ確認となります(何故かは後で説明します)。
998のエアエレメントは スポンジ製です。昔2ストの原付やたまに当ブログでも出る アドレスV125とかと同じそれです。
ですので 経年距離ならずとも 年数経つと 加水分解してバラバラになってしまう可能性があるので触診の状態次第では 強制交換になります。

当該車両はカルテ上でも思い返しても 向こう10年交換してないのでそろそろヤバイ雰囲気を感じつつ 恐る恐る触ってみましたが.......
『アウト』でした.......(涙)

ここからが もう展開が見えすぎてイヤなんですよね~
何故、(涙)なのかというと ここからの交換作業が毎度 イヤなんです。

写真のようにダクト二分割するとエアエレメントが現れますが この『二分割』する行為自体がやりたくない作業なんです。


これエアダクトを二分割するところを締め付けているネジ部が 表側も裏側もかなりの確率で 割れてしまうんです........
この二分割するのに 8カ所 木ネジでとまってる構造。
そもそもとめかたが 木ネジ式というのが最大のダメさ加減だとtetsuは昔から思っております。
なんで ナッター埋め込みとかっていう発想、構成ができなかったのか疑問なんです....
これでは日本の原付同様の止め方ですよ(’苦笑)ま、日本の原付のこの部分は樹脂がもっと柔らかいので締め付け部が割れたなんて見たことないですよね。ネジ穴バカになってしまっているのはたまにありますが.....
ま、ここで30年前(916が1994年発売なので)の製作物にブーブー言っても仕方ないのでね(苦笑)

今までの経験上 916系で安心してエアエレメント交換できるのは ダクトの樹脂状態が旬な状態の時まででしょう。
時間が経つと エンジンの熱や紫外線で劣化するのに相まって 先ほど明記した 木ネジ方式でとめているので 締め付ける時は食い込む方向でいいのでしょうが それを数回繰り返しているとメス側の穴が少なからず バカになってくるのでその分しっかり締めようとすると更にねじ込みことになるのが負の連鎖の結果になるのでしょう。

こういうこともあり 通常は一度装着したら tetsuはよほどの事がない限り 二分割にはしません。

で、当該車両のは予想通り 左右とも3か所ほど割れました、というか割れてました。

これはダクト前側の崩壊寸前の箇所。既に半分崩壊してなかった部分もありました.......
悲しいけどしょうがないです。
補修する方法もありますが 所詮 全体の樹脂がダメなので 潔く交換がマストです。
おそらく当該車両のは新車当時物と推測。なので 22年選手となりますね。

これ外したエレメントにわざと親指を軽く差し込んでみましたところ あっという間に崩壊です。


なので どちらにしろ ここまでの作業は必要だったので ある意味しょうがないのです。

このダクト構造上 木ネジが万が一 土台が割れて エアダクト内に吸われたしまうと 場所によってはそのままタンク下のエアBOX内に座れて最悪 そのままエンジンまで行って 更なる悲劇が起こりますので逆に今回の作業で判明して良かったとも言えます。

ということで 年末だし部品を待っていると年越しになってしまうので ひとまず 伊東二輪貸し出しダクト(伊東二輪では数台いるので不測の事態用で持っています(笑))を装着して 一度 出庫させていただきました。

916、996、998系のこのエアダクトはtetsuに言わせると『消耗部品』です。
お高いのがちょっと難ですが......安心して乗るにはしょうがないですね。
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レバーのガタは要注意

ホンダ CRF250Lラリーさんのオイル交換時にtetsuが気が付いた案件。

クラッチレバーがかなり上下に動きます。
通常 上下のガタはほぼないのが普通です。

当該車両、現在 ZETAのアドベンチャーアルミハンドガード装着しておりますが それ以前のノーマルガード時に数度 左に車体を転ばせたことがあります。

それが影響している典型的症例です。

クラッチとホルダーの根元の写真。

ホルダー側が下に開いてしまっているのが確認できます。


左は新品。右の古いのの黄色丸印部分が削れて拡がってます。

これこのまま放置していると クラッチワイヤーの切れる原因にもなります(現に昔 CRMのお客様でありました)。クラッチレバーが下に向かって斜めに操作することになるからです。
因みに 若干重くもなるのでいいことなにもないですよ。

2年ほどこのままで走行していたので ガタも少しづつ大きくなってくるので 乗り手も気が付かないというのが通例です。
必然的にクラッチピボット部にも変な力が加わり 偏摩耗してしまいます。

写真の通り 丸印部分が楕円になってしまってます。


ホルダーとクラッチレバーを新品交換して その違いにお客様も驚いておりました。
ま、毎日乗っていると人間慣れるのでそんなものですが これでリフレッシュですね。

新品装着の図。ほぼ隙間ないですよ。見るだけで気持ちいいですね(笑)。


みなさまもレバー類の多大なるガタは放置せずに速やかに修理したほうがいいですよ。
今回のように転んだことが要因の一つもありますが 距離使っている車両や定期的グリスアップしていない車両は 同じようにこの部分削れていきます(原付スクーターとか顕著です)。

レバー類の操作系もある意味消耗品ですのでご注意を。

久しぶりのアップは 定期的『エコひいき』ネタ(笑)

3週間ほどすっぽかしていたわけではないですが そんな感じになるくらい お仕事が目白押し過ぎて、しかも 重作業が多く 疲れ果てて ブログを更新する気力がなかったです、スミマセン。

ま、そんなこと言いながら 年末年始にかけてもあまり態勢に変化はなさそうなのですが....(苦笑)。

忘れられないように 今日は たまにこういうネタとしてアップされる『tetsuエコひいきバイク達』のコラボの写真です(笑)。

いや~ 自分のバイクではなくても カッコいい!!


996SPSと998Sベイリス の店内コラボ写真です。


タンブリーニ車は ある程度 カウルはぐった状態でもカッコいいですね~(自己満足です(笑))。


つい 一か月ほど前は Mr.Tくんの998Rが996SPSと入れ違いで 先にいたので 機会があれば tetsuの996Rを長らく乗ったままの作業台から下ろして 996SPS、996R、998S ベイリス、998R とドカのタンブリーニSBK年代順に並べて 写真を撮りたいところです。

こうやって定期的に車検他修理でくる車両があり その際に車両状態の確認も兼ねて 試走するので ある意味 自分の996R乗ってなくても 『タンブリーニ車体験』が出来てしまうので それでかなり満足であったりします。
変な言い方ですが どのお客さまのタンブリーニ車両乗っても面白いように雰囲気はどれも一緒なので 必ず ヘルメットの中でニンマリできます。

そしてこういう案件が続くと 自分の996Rを動かしてやりたくもなるのですがね~。
そのためにはやりたいことが多すぎて それでまた頓挫したりするの繰り返しなんです(泣)。
でも 来年はその考えている内容の半分くらいまでにして 動かそうかと思ってます!!

まだまだ元気な900SS

900SSさん 車検依頼の図。


1992年式のハーフカウル。
当時の日本の ドカ 総代理店 「村山モータース」のステッカーも残しているのもいい感じです。
余談ですが 今となると 村山さんを知っているのもtetsu世代よりちょっと下まででしょうね.....

トラスト時代 2008年に購入いただき 何気に 16年乗っていただいている 小Gさん。
多分 トラスト時代に販売した車両では 最長乗っていただいているはず。
ありがとうございます! バイクも嬉しいはずです!!

先日 定時車検のご依頼でしたが そんな話しになり 「もうそんなになる?!」なんて思ったりしましたのが tetsuも歳とったってことでしょうね(笑)。

2008年に購入時 約1万キロだったのが 今回で 69000km。
なんせ車両としては 32年選手になるので 経年でもヤレはありますが 車体もエンジンもまだまだ元気で絶好調!

この頃の空冷ドカは 新車からの走行距離も早い段階で オイル消費が始まりますが 当該車両もワンツーリングで「アルアル」レベルで減ります。
しかし tetsu経験上ではオイル量さえ注意していれば大丈夫。
ドカの900SSはシリンダーはこの当時で既にメッキシリンダーなので結構頑丈。
当時の考えでしょうが ドカだからなのか、空冷というところのシリンダー熱膨張による変化に対応するための ピストンリングの材質を柔めな方向で考えているのか 兎に角 そこそこ距離乗ってきたらオイルが減るのは当たり前なんです。
tetsuがこの手のエンジン開けたくないわけではないですが 費用的な問題の方が大きいのでその辺を顧慮してのこともあります。
900SSの場合、エンジン開けようと思えば 実はフロントシリンダーは比較的簡単なのですがリヤシリンダーが問題.....
900SSはリヤシリンダーの上部にフレームメンバーが通っているので リヤシリンダーを外すにはエンジン降ろさねばいけないってところが車体としては勇逸 tetsuも許せないところではあります。
L型エンジン&カンチレバーサスでのフレーム構成だからとも言えなくもないですが.....
因みに 似ているようで違う モンスターは エンジン搭載状態でリヤ側も外せます。
この辺は 流石 851フレームからの派生と言える点です。

因みに この個体に限らず 伊東二輪の900SSの方々は ほぼエンジン腰上まだ開けてません。
それくらい ドカのこの頃の空冷エンジンは頑丈だとtetsuは思ってます。

乗り手の走らせ方次第が エンジン寿命の肝となる車両ですが 小Gさんは使い方聞いていても 空冷ドカ向きの走らせ方で 今まで上手に乗ってきてますね。
購入当初~数年は 整備都度で冷や汗な場面に遭遇しましたが、今では笑い話しくらいです。

今回は これまた 900SS(モンスターもですが)アルアルの「汚れないエアクリーナー」を流石に新品に交換します。


新品と比較すると 随分とヤレてますが 何故か国産のような 真っ黒になるものを見たことないです。ですので 大抵 エアブローで済ませてOKなのですが もう何年使っているか分からないのとシーリング効果もある クリーナー端面も弾力がないので 交換しておきました。

まだまだご本人も900SSに飽きてないようなので 乗れる限り乗って行ってください。
サポート出来る限りはさせていただきます!

オン寄りからオフ寄りへ

今年林道部加入の 岩Mさん セロー250、タイヤ交換依頼の図。

岩Mさんセローには 現在 前後 ダンロップの D605が入っております。



こちら オンロード7割、オフロード3割 での性能発揮が基準なタイヤですが 別にそれでも一般林道は普通に行けます。
写真の通り 林道行くのは 減り気味かな~という感じですが それ以外でも 本人の最近のセローの使い方から よりオフ趣向の強いタイヤにしたいとのことでのご相談でした。

こうなると 伊東二輪では 公道走れて そこそこ耐久性もあり、それでいてフロントには安心感をということで ここ数年の定番組み合わせの フロント ミシュラン アナーキーワイルド、リヤ ミシュラン トラッカーという推奨となります。



ここであまりにFIMタイヤみたいなのをフロントに入れると 気にせず乗っていると ただの舗装路の急カーブとかで転ぶことになるので それを避ける意味でも フロントは オンロード5割、オフロード5割の アナーキーワイルドは最適かと。
リヤのトラッカーは イメージ的には オンロード3割、オフロード7割な感じで タイヤの走行音も結構大きくなります。ただ セロー250のパワーなので 舗装路の一般使いで不満に思うところもなくオフ寄りの割には使いやすい印象。
tetsuの 通勤&趣味バイクの XT250X改のリヤも現在コレです。

オンオフ両刀で性能も耐久性もとなった場合 セロー250の方々の多くは ツーリストを選ぶようですが tetsu個人的にも含め ウチの林道部はみな 見た目が今一ということで却下になることが多いです(苦笑)。まぁ 気持ちわかります。
ただ セロー250のリヤホイールは元々 チューブレスなので そのままで入れられる オフ寄りタイヤが少ないのもあり 自然と ツーリスト(これはリヤ チューブレス)になるのもうなずけますがね....... 見た目は気にせずなら オフ性能はかなりいいですしね(レースで使う人がいるくらい)。

因みに 今回のミシュラン トラッカーに限らず、セロー250でオフ寄りのタイヤを選ぶ場合 ほとんどはチューブレスタイヤではないので チューブを入れることになります。

とはいえ 林道に限らず ガラス等刺さって タイヤが裂けてしまった場合とかは パンク修理不能になるので 結果的に 最初からチューブ仕様の方が割り切れるとも言えます。
チューブならこのケースの場合 最悪でもチューブ交換すればまだ走れますのでね。

これでそこそこ悪路でも 空気圧を落とさなくても セロー250の粘りの走りで 走破性かなりアップしますね。