久しぶりのカブエンジン
お店で持っていた 走行 40000kmの 条件付き不具合があるリトルカブ50が ウチの長きお客様に合意の上 売れたので 不具合部分を修理してお渡しがてら ピストン、シリンダーは 程度いい手持ちのものに交換していく図です。
エンジン降ろさなくても出来る作業でしたが クラッチ側は開けるし 元々 前オーナー時にオイル消費が多い車両でしたので ピストン周りの整備もして次のオーナーへ渡そうと思っていたのと、どうせこの距離なので 親心で 距離相応にヘタるカムチェーンも新品にすること考えて 作業能率考えてエンジン降ろしました。
ま、カブはエンジン下ろすのもスクーターほど面倒ではないですからね。
クラッチ側はエンジン降ろしてやるほうが tetsuは楽だったりします。
そして 新車より40000km、普通なにも不具合発生しなければ エンジン各部開けていることはないですが、当該車両は その通り......
ということは 『魔のガスケット剥がし』もあることが一番のイヤな作業です。
当ブログでも何度も書いてきましたが 『人生はガスケット剥がしだよ!』って思うくらい 剥がれないガスケット剥がしの時間のかかること.....
しかも手が痛くなって更に先進まないし......
そして途中 イヤになって他の出来る作業探すんですけど 結局 早く終わらせたいのが勝つので それでも根性で続けるんですけどね(笑)
これ、一度でもバラされていると時間にして10分の1くらいは作業能率違いますからね。
ガスケット剥がしの時間分 作業料の変動はあるのは当然だと考えます(簡単に剥がれた車両が同じでは可哀そうなので)。なので 伊東二輪では以前からですが 簡単にガスケット類が剥がれた車両の場合若干 作業料安くなります(これホント)。
メーカーの作業工数なんて参考になりません。
あれは 全作業工程を分ったメカがオール新品で部品を組み替えた場合です。
しかもその間 取り外し~取付まで滞りなく作業が執り行われた場合ですので。
あ、でも タイヤ交換工数はそれ相応かも。手で組み替えた場合の工数っぽいので。
余談ですが キャブ時代(その後もしばらくは)のカブは50cc~90cc全車 基本共通クランクケース形状で オイルフィルターがありません。
という言い方だと違うかな、あるけど 外部から外せないというのが正解か。
何故か 茶こしのような金網フィルターが オイルドレンボルトの真上に設置されてます。
黄色丸印がそれです。スライドして入っていて 写真では半分引っ張り出してますがクラッチカバーが装着状態ではクランクケース面一に入ってます。
と、こんな装着方法だから定期的に掃除なんてできやしないんです.....
したかったら 「クラッチカバー外せ」なんです(汗)
この構造なので エンジンオイル交換頻度が開いていて オイルがヘドロのようになっている方のカブ等はオイルドレンからのオイル抜けが悪くなっていくのも傾向ですね。
因みに現行の スーパーカブは 50も110も 外部交換式オイルフィルターの構造になってますのでより安心ですね。
本題戻りまして クラッチ側は完了して 今度はピストン、シリンダー周り。
外したピストンは排気側に縦傷が相応に入ってますね。
シリンダー側も同じく。
これエンジンオイルを少ない状態で運航したのが主な原因です。カブの横型エンジンの特性上 オイルが少ないとピストンが水平方向に作動する関係上 車体に対して下面になるのが 排気側となり下面側は重力の原理で必然的にシリンダーにもたれながら作動する傾向になります。
この状態で オイル量少ない⇒クランクでオイルが掻き上げられない⇒ ピストン周りが熱持つ ⇒焼き付くという図式っぽいです。
& 乗り手が エンジン酷使するパターンでもですかね。
当該車両の物はまだ軽傷ですがそれでも オイルリングは固着してしまって動かない状態でしたので永遠にオイル上がりし続ける状態と言えます。
世界のスーパーカブと言われていても 所詮は 50cc。
そのキャパ以内(速度40km以内)で走って 尚且つ2000km以内(tetsu的には1000kmでいいのではと)でオイル交換していれば まだ距離もつかもしれませんが そうではない人は 距離持たずして 大抵最期はクランクやピストンピンが焼き付いて終わるのを よ~く見ました。
当該車両はピストンピンも軽く抜けてくれたのでまだコンロッド周りも心配ないですが、あまりに抜けなくて 圧出方式で抜かなければいけない場合 エンジン寿命の先を見据えた場合はコンロッド交換(ホンダの場合クランク交換ですが)が望ましいとも考えます。
今回は 中古ピストン、シリンダーですが 以前 他のお客様で5000kmほども走ってない車両のライトボアアップで外した綺麗なピストン、シリンダーを組み込みます。
カム、ロッカーアームも距離相応ですがキズもなく 許せる範囲だったのでこちらは再利用。
その他 タペット調整、カムチェーンも新品交換、キャブレターもフルOHして おおよその部分完了してバタバタとエンジン搭載して 始動!
う~ん、要所に手を入れただけあって 距離の割に静かなエンジンになって いい感じです♪
次のオーナーさんがかわいがってくれること期待します。
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