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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

久しぶりに悩まされた999さん......其の三

で、そのカチカチリレーの主は 燃料ポンプリレーでした。この状態のままメインキー入れると メーター動作表示が 本当におかしいです。そのまま見てると メーターが壊れたんじゃない?と思えるほど..... リレーのみを外すと メーター表示自体は正常に戻ることも確認しました。
問題は なぜ今までの起こっていなかった 燃料ポンプリレーの誤動作になっているのか.....
手持ちのテスト用リレーに交換しても同じです。
リレー配管でなにか起こってます。
疑わしいのは 燃料ポンプ本体です。


こうなると お立ち台に乗ってもらうことになります(中、長期戦車両はここに乗ります....)

999は先にも述べたように全体システムを動かすのに ECUとのCAN通信にて動作させてます。全てはECUが命令を下すのですが、その命令に対した 返答が戻ってこないと エラーと判断します。
しかし 現在なっている状況で エラーコードを見に行くと リレーカチカチ状態ですと 「燃料ポンプリレー不良」となり、リレーを外して見てみると 「CAN通信回線不良」というエラーとなり それだけでは故障個所は特定できない現状になります。

なので結局ここからは経験と知識と判断力で解き明かしていくようです。ということで 疑わしいのは 燃料ポンプ本体ですね。燃料ポンプ配線を抜くとリレーのカチカチは収まるので(ただし この配線抜くと キーONで最初からFIエラー表示となります)。配線をチェックしてみると 燃料ポンプ内でショートしていると断定。この事により リレーが高速カチカチ状態になっていたのです。一応 検証のため 別のテストできる燃料ポンプ配管を仮組して車体に繋げてみたところ キーONから燃料ポンプも動作しますし、メーター表示も正常です。10回ほど繰り返して100発OKですので ほぼ 燃料ポンプが 当初からの不具合の元凶だったようです。

純正状態で修理すると ポンプベースから丸ごと交換しないといけないのですが そうすると 10数万円はかかってしまいますので 他の部分が使える事もあり イギリス製の社外燃料ポンプ(圧送力同量の物)を使用します。これなら燃料ポンプ代だけで済み 大幅に安くなりますので。
ということで 2週間ほどで部品が来て組み上げます。


タンク外して 下部に見えるのが 999の燃料ポンプユニット。996なんかも同じ感じです。



で、取り外したポンプユニット。


ポンプ交換ついでに 燃料フィルター(これは部品単体で出ます)も交換しておきましょう。
後は バタバタと組み上げて 始動!! 気持ちよくエンジンかかり 90度くらいまで水温あげても問題ありません。最後に試走して 終了。バッテリーはバッテリーで経年劣化が見受けられましたので そちらも新品交換。ついでに 本人さんが気にしていた 左カウルのヒビ割れも悪化しないように細工して 無事全て完了。最初から 一気に燃料ポンプが壊れていてくれれば分かりやすかったのですが 全てが同じように壊れるのではないのが 工業製品です。Yuzawaさま お待たせして申し訳ありませんでした。また元気に乗って行ってくださいね。
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久しぶりに悩まされた999さん......其の二

お店から出ていって 300Mほどで 急にエンジンの調子が悪くなり エンストしたと.....とりあえず 申し訳ないですがお店まで自力で押してきてもらう事に...... 「??なにか違う原因がある?」
数分もしないうちに 押して来ました。エンジン始動させてみますと かかりますがなにか 不正爆発というか 1.5気筒な感じで 回転上昇にも引っかかりがありたまに マフラーからアフターファイヤーします。どんどん悪化する感じだったので そのまま入院という事に。
他の作業があったのですぐにには見れませんでしたが、翌日に手があいたので みて診ました。こういう症状はじっくり見れる時間帯でないと落ち着いてみれないので。

まずは もう一度始動させてみます。すんなりかかりました。そこから水温計を見ながら 暖気してみます。水温45度くらいのところまでは普通だったのですが 50度を超える辺りからたまに息つく症状が出ます。そこでアクセルを開けてみましたら 前日に見たのと同じ状態になります。やはり アフターファイヤーもしてきます。やはりなにかが車体側で起こってます。しかも 現状の検証だと厄介な 電気系統のような...... でも 燃料系統でもあるような.....


999はある程度のエラーは本体メーターで診れます。が この段階でみて診ても エラーコードが出ませんでした。完璧になにかが起こって状態のままでないとエラーコードは出ませんので。ということで まずはセオリー通り 配線周りチェックです。999はバッテリーBOXの裏にECU始めレギュレーターや燃料ポンプリレーといった物が集約装備されております。この部分にアクセスするのが少し大変でもあります。バッテリーBOXを手前に浮かして、裏側のヒートプロテクター(アルミの軟板)を小さな木ネジ緩めて外さないと見れません。しかもこの部分.....不用意にバラバラにすると元に収納装着するのが困難になるっていうもの......

  
慎重にバラシつつ 配線の異常やカプラの状態を見てみますが 経年のヤレはありますが 大きなダメージとなっている部分は見受けられませんね。先ほどの検証では水温上昇と関係しているように見えますので そこらのセンサー類の可能性もあります。それらの変動で 燃料噴射量も変化させてますので。伊東二輪テスターを装着させて 見れる範囲の 電装品チェックをしてみますが IGコイル、インジェクター、スロットルポジションセンサー、燃料ポンプと異常はないようです......が それにエラーコードの履歴もない......う=む。

症状的には 燃料を圧送できなくなっている風に見受けられるのですがね.....燃料圧力レギュレータが壊れたかな?というのが この段階での一番の有力故障個所なのですが.......

配線図ともにらめっこして 点火系統と燃料系統の作動概略を見直して やはり 次に見るのは燃料系統周りかな......と考えながら 再チェックした検証のため バッテリーBOX等を仮止め(タイラップでぶら下げた状態)して 再始動検証....... としようとしましたら メインキー入れたと同時に どこかのリレーが「カチカチカチ」と高速で反応するではないですか!! 

「え?なになに?なにが起こってるの~?」 とまたも迷宮に入っていったのです......

其の三に続く.......

久しぶりに悩まされた999さん......其の一


先日修理いたしました 久しぶりの重症患者さんです。 常連様 Yuzawaさん 999さん。走りに行こうと 自宅から出て 調布インターまでの途中で数回エンストして最終的にエンジン不始動になってしまったと連絡が。保険のレッカー搬送にて持ち込まれてきました。Yさんのお話ではメーターインジケーターも表示がおかしく、たまにセルのボタン押しても反応もない...... で まずは現状がどうなっているか メインキーを入れてみますと 最初表示は正常でしたが もう一度切って入れなおしたら ニュートラルランプが不表示の イモビライザーを認識できてません.....?  おそらくセルが回らなくなるのはイモビを認識してないこの状態になっていたのでしょうが なにかおかしいですね。

まずは疑うは このようなケースで大多数悪さする 「バッテリー不良」ですか。999のバッテリーは左カウル外した エンジンの真横に装着されております。っていうか、996時代からエンジン真横に積まれる手法がとられており パニガーレまで同じような場所......正直 バッテリーの環境に関しては よろしくない場所ですね。やはり走行風で熱を逃がせない限り かなりの負担がバッテリーにかかる場所と思いますので。とはいえ ドカのSBKはデザイン上 他に積む場所もないことと、マスの集中化考えたら ここしかないですがね.....



カウルを外して バッテリーをテスト用のバッテリーに交換してみます。再度先にやった キーのオン・オフを繰りかえしますが 全く問題なく正常表示になりました。
ここでエンジンを始動してみますと 問題なく始動もできました。しばらくアイドリング、ブリッピングさせていても問題なさそうです。いつも見る 調子と判断できました。

ということで 2年以上使用したバッテリー不良が濃厚となります。前回交換時も丁度 2年でダメになりました。その際も 始動困難が先に症状として出て そのあとに謎のメーター不表示....なのにETCの電源が入るっていう不思議な事がありました。その際も バッテリー電圧自体はテスターで測ると 12.7Vとかなり優秀と見受けられるのに.....実際は バッテリー内部で壊れている状態でした。
こんな経緯以外でも インジェクション車でのバッテリー依存度....特に 最近の車体電気システムのECUとの通信は CAN通信(意味不明な方はググってください) ですのでそういった影響も多いのでしょうか。バッテリーがどうにかなると すぐになにかしらの不具合が車体側に出ます。

ということで 在庫のバッテリーがないので テスト用のバッテリーをお貸しして 一旦 退散していただくことに......

と 去っていって 数分後 電話が......

其の二に続く

XR250モタード セルモータ修理


約5万キロ通勤スペシャルのホンダ XR250モタードさん。随分前からセルの接触が悪く セルボタンを押しても「カチ、カチ」っという状況が続き 押しがけでしばらく使用していたようですが 力尽きたようで 修理依頼でした。

事前にその他 スタータシステムは見てあったので間違いなくセルモータがいけません。で、メーカーや車種でもセルモータ自体をバラせて内部部品を交換できるパターンとアッセンブリ交換でしか対応してないパターンとあります。セルモータの故障の多くは 「ブラシ」という部分が摩耗して作動不能になるケースです。XRはブラシも部品で出ますので ブラシ交換のみ可能です。ブラシ交換とアッセンブリ交換とでは万単位で修理費用(ほぼ部品代の差ですが)が違いますので まずはバラして検証です。とはいえ 将来性と確実性を考えたら アッセンブリ交換が望ましいですがね......


写真印部分がXRのセルモータ部分となります。これを取り外して バラバラにします。なかなか周辺の部品が邪魔して取り外すまで一苦労ですが 順序よくなれれば 結構すんなり取り外せます。



で、外したセルモータがこちら。これをバラシて内部のブラシを交換します。



バラした図。通勤仕様によりセルの頻度が多いのもあり かなりブラシは減っております。相手側のコミュテータも減ってましたがこちらは部品として出ませんので 表面を綺麗にするのみの対応です。



新品のブラシと使い込んだブラシの差です。こちらはブラシプレートごと交換ですのでまだ楽ですね。
交換装着して セル始動。5回ほどメインキー切っては入れて 始動を繰り返し 百発百中 セルの回り方も悪くありませんので またしばらくはこれでいけますでしょう。

MAX10A レース報告 後編

お昼ご飯を食べる間際に タカミ氏応援のため来場してくれたご両親が 本人忘れたバッテリーを持ってきてくれました。 タカミ氏の自宅に立ち寄って 回収してくれたのです。ありがたや。これで ストレスなく始動も出来て 後は決勝に臨むのみです! 



午後1時40分から決勝です。周回数は7週。前のレースで転倒者続出で赤旗中断となりました。ウェイティングエリアでの待ち時間が長くなりますが ここは精神統一でじっと待ちます。
8番グリッドは 3列目 真ん中からのスタートです。予選タイムを見ても 正直レースになりそうなのは 7番グリッドの ジレラサトルノさんまでです。(それ以上は 予選タイムで2秒以上開いてますので現実的ではないのです) なので まずは決勝 ジレラさんより上でチェッカー& 決勝歴代ベストラップを出すことを目標に 頑張ってもらいましょう!



グリッド整列から 2週ウォーミングアップを行い 再度グリッド整列。赤シグナルが消灯にてスタートです。決勝前に 今回の仮想スタート想定でタカミ氏に話した 気を付ける点は 7番グリッドアウト側のジレラさんよりイン側のタカミ氏が スタート上手くいき 頭抜けて一コーナー進入しても 前走者に行く手を阻まれてしまうライン取りはしないこと。さもないと 軽量ジレラさんはそのままアウトラインからまくっていって結果 抜かれてしまうからとも。

で、スタートです!
いつものようにグリッド横から見守っていましたが 今回は 初動から加速まで今三でしたね。超失敗というわけではなかったですが 問題はその先の一コーナーへのアプローチ......
仮想設定での注意点 そのまんまの展開で まんまと走行ラインを前走者と合わせて進入してしまい 詰まったところを アウト側からジレラさんに抜かれて行きました。さぁ どうしますか タカミ氏。


1週目 最終コーナー立ち上がり 軽量 コーナリング車のジレラさんに少し離され気味で帰ってきました。インフィールドでは 分が悪いでしょうから パワーに物言わせて 裏ストレートで抜き去ってくるしかないでしょう。問題は そのあと 抑え込めるかが一つのカギです。メンタルが成長していれば その先インフィールドでも抜かれず 自分との闘いに専念できるはずなので。
2週目もポジションは変わらずでしたがその差は縮まってます。勝負の3週目か.....



tetsuの思惑通り 3週目 ジレラさんの前で帰ってきました。やはり 裏ストレートで抜いた模様。しかしその差はまだ僅か。インフィールド、特にタカミ氏が苦手な第一ヘアピンが肝です。tetsuの見ているところから後ろを振り返ると S字から侵入して第一ヘアピンを立ち上がるところが見えます。そこを見ていると 立ち上がりで真後ろにジレラさんが来ています、が なんとか抑え込んで4週目も帰ってきました。その後はペースを落とすことなく 安定した走りで 周回を重ね 無事その順位でチェッカーを受けました。 総合 7番手。MAX10Aクラスでは1位 表彰台です! やったー!!
手元計測でも 決勝ベストタイムを更新したはずです。




久しぶりの表彰台風景です。他のクラスと 同時表彰で タカミ氏の左右の方々は MAX10B(外車水冷10秒以上クラス)の1位、2位です。なので 1位に二人立っているのです。






表彰台インタビューもありました。ここで タカミ氏の発言にtetsuクレームです(笑)
今日のレースはと聞かれて タカミ氏「今日 実はバッテリーを忘れてきてしまいましたが 表彰台に登れることができて良かったです。」というもの。
コラ!! 頑張ったスタッフへの感謝の言葉がないじゃね~か!!(笑) ま、それは冗談としても 素直な感想で タカミ氏らしいインタビューでした(笑)


なにはともあれ 表彰台に登るのは気持ちいいですよ。タカミ氏はピレリタイヤ装着なので しっかりピレリ帽子をピレリスタッフさんから頂いてました。
シャンパンファイトも みな遠慮しがちなのがちょっと笑えました。まぁ シャンメリーなので激しくやると ツナギもバイクもベタベタになってしまいますから いいのか(笑)




レースクイーンと 撮影タイム。


レース終了後、別室で MAXクラス全クラスの表彰式があり タカミ氏は 1位の盾と 賞品の「千葉のコシヒカリ」を頂いてきました。
朝のバタバタも終わってみれば 良きレースだったですね。手伝いのミヤくんも ハイエースのバッテリー脱着から 諸々の雑用手伝い 感謝感謝でした。



決勝結果のタイムは 1分12秒03が正式タイムでした。まだまだMAX10クラスを卒業できませんが、本人の筑波のベストが練習で出した 11秒代なので 7週のレースで今回の結果はかなりいいでしょう。継続は力なりな感じで 毎回少しづつでも進歩が感じられて 応援している方も嬉しい限りです。またこれからも 怪我に気を付け マイペースで走り続けてください。
MrT こと タカミくん おめでとう&お疲れ様でした!!