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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

スぺイシー100 エンジン不調

ホンダスぺイシー100さんのエンジン不調修理でしたが。
冷間時等の始動には問題ないとのことですが、走行中 カーブ等でアクセル戻すと、そのままエンジンもストールして止まってしまうとのこと。それ以外でもアイドリング付近が非常に不安定ということ。
状態を聞いていると、スぺイシー100特有のメジャートラブルに思えます。
バラシて見たら案の定、この手の症状を起こすメジャートラブルのキャブに繋がっているホースの切れを発見。

左が装着してあったホース。右が新品です。
交換後の装着位置の写真です。
赤丸印のホースを交換しました。

ホンダの4スト原付キャブ車の多くがこの部分が切れたり亀裂が入り二次的に空気が侵入するとアイドリングが不安定になり、最終的にエンジン停止してしまいます。
しかし、今回は二重の原因がありました。
最初の不良個所のホースを新品に交換して始動。アイドリングは非常に調子よくなりました。
で、お店の周りを試走してみましたところ なにかたまにエンジンが突然ストールしたりアイドリングできなくなったりします。???完璧には治ってないと判断。
お店に戻って、センタースタンド立ててエンジンの状態を検証していると その時点では全くもって調子は普通です。「ん~?」と思い、エンジンかけたままセンタースタンドを降ろすとその瞬間エンジンストール。再度エンジン始動してなにもしてない分には調子よいですが、シートを押し込んでリヤ周りを沈み込ませる動作をすると確実にエンジンストールして止まります。
この現象でエンジンが上下したときにこの事象に関連するなにかが起因していることが解りました。
もう一度シートBOXを取り外して上から覗いてエンジン始動しなが丁寧に点検してみますと.....発見しました。もう一つの原因箇所を。

黄色の四角印部分が二番目の原因箇所です。
負圧燃料コック用の負圧取り出し用の細いホースがインシュレータの根元で僅かながらに亀裂が入っておりました。片側はエンジンで片側はフレーム側への接続となっているため 経年の上下動作でホースが硬化して亀裂が入ったということです。
これはレアケースですが、やはりスぺイシー100は数年に一度はこの周辺のゴム系ホースを全交換するのが望ましいですね。
負圧ホースも交換して元気に戻りました。
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普通に乗っていても、乗ってなくても......

原付修理でよくあるパターンですが、片方は乗っている期間が一年の車両。
もう一台は通勤スペシャルで毎日走行している車両ですが。
①一年放置車はホンダのDioさん。キャブのAF62型ですね。

普通に走行できていた車両を乗らなくなって約一年。また使用するために始動してみようとしたらしいですが.....流石に一年放置でバッテリーは完璧にあがってますね。しかしキックがあるのでキック始動を試みたようですが 一年放置車の厳しさに会い 修理始動依頼されました。
キャブレターを取り外しフロートチャンバ―室を開けてみますと、始動困難のわりに意外とキレイかと思いましたが、そうではありません。燃料通路のパイロットジェットとメインジェット、双方とも緑色に腐ったガソリンが詰まった状態となっておりました。通常方法での入年な清掃にて、再装着、調子良く始動して修理完了しました。


②毎日通勤車両車はホンダ リード100さん


会社の帰りに突然セルが回らなくなったとのことでご来店。来店時に状態を確認するべくセルにて始動してみますと、普通に始動できました。「あれ?」っとオーナー本人も驚いておりましたがすぐにその症状は間違いないものに。エンジン止めて、再度セルにて始動しようとすると今度は「ウ~ン...」となにか電気導通が重いような音が車体からしております。何回やっても同じでしたので、試しにウィンカーを出してみますと 「カチ」って言って ウィンカーランプが暗く点いている状態に。左右とも同じ現象です。
ほぼ断定でしたが、「バッテリーの突然死」ですね。
先日アヴェニス150さんの「過充電」でのバッテリーの過労死はありましたが、今回は普通に寿命です。
バッテリーを見てみますと、随分と長く交換していないバッテリーのようで。しかも、端子部が腐ってしまって特にプラス側は最終的にドリルにて取り付けボルトを破壊して取り外しました。
最近のMFバッテリーはこういった「さっきまで元気だったのに?」という感じで突然死んでしまうパターンが多いような気がします。これ以外でも、テスタでバッテリー電圧を計測すると12.7Vある状態でも実際バイクをキーオンしても電装類が一切反応しない....なんてパターンも何度も見ましたね。まぁ普通の人には判断つきませんよね~。しょうがないですね。
新品バッテリーに交換して問題なく修理完了です。

998S ベイリス 車検&諸々 其の三

次に乾式クラッチお決まりの全バラ点検、調整ですが......
クラッチプレートやスプリング類がかなり焼けてますね......青みかかっているのがその証拠です.....

 
 
当該車両は納車時にほぼ新品のクラッチアウターバスケットとクラッチ一式が装着されておりました。どちらも純正品でした。この手のSBKでは珍しく クラッチカバーも「穴あき」等のカーボン製やチタン、アルミ製のものではなく フルカバーの「純正」カバーのままでした。
これが今回の一因にもなっている可能性もあります。
この部分のカバー.....選択肢は一長一短でして.....

*純正カバーでいいところ=クラッチ打音が大幅に小さい。外的なゴミや異物がクラッチ周りに入るのを防ぐ。雨天走行でもクラッチ周りに直接雨水がかからない。まぁ本来はエンジン始動中「グルグル」周っている部分ですので安全性が一番でしょうが。 

*社外の穴あきカバー等でいいところ=放熱性。軽量化。見た目レーシー。
といった感じでしょうか.....
この中で カバーを交換のメリットとして 打音がうるさくてや雨水にさらされても、大幅に効力が大きいのは「放熱性」ですね。
当該車両は前述のオーバーヒート気味走行があった経緯もあり、ゴーストップや低速走行が多かったであろうと顧慮すると 自然とクラッチ内部もかなりの熱を持ちますので 負担は大きいですよね。
まぁ ご本人は「ノーマル主義」なので多くは言いませんが.....
一通りセミOHして元に組みなおして完了。


今回主題のハンドル交換です。
ハンドルも一度プレセッティングしてから、ハンドルに付くスイッチBOX類と各マスターシリンダーの位置関係、ワイヤーの取り回しを変えたりして検証して 最後にハンドルにスイッチBOX類の周り止めのピン穴を開けていきます。数回は脱着も入りますので 結構ハンドル交換は時間のかかる作業なのですよ~。特にセパハンは上下、絞り角に関して自由度が狭いので.......
交換後 tetsuがまたがってみたら、「お~、1098みたいになった!」というのが印象でしたね。
998以降、999や1098といったドカのSBKは一般人に近づいた車体設計のため、ハンドル垂れ角もかなり抑えられますし(998の12度に対して 5度と言われております)、ハンドル切れ角ももっと切れるような車体設計となってますので......
いいか悪いかは別として 正常進化論で言うと、tetsuの印象では1098なんかは大分 普通の車両って感じで、誰でも乗れる ドカのSBKなイメージでしたし。
話はそれましたが、やはりハンドル一本分の違いの効果は大きいようで、帰路ではかなり楽なポジションになったと くぼじぃくんは報告してくれました。
しかし、最近暴飲暴食で太ったお腹がハンドルまでを遠くしているとも言っておりました....(苦笑)
これで 首の痛みが軽減されればいいですね。では タンブリーニツーリングまでに減量してください!

998S ベイリス 車検&諸々 其の二

で、タイミングベルトは一年半前納車時に新品からおよそ3000km走行だったので 調整のみでOK。
今までドカのクラッチフルードに関して写真を載せてませんでしたが、1年以上無交換で3000kmほど走ると こうなります。っていうかここまで走らなくても、ドカのクラッチオイルは真っ黒になります。

基本的にブレーキオイルと同じDOT4を入れますが、ブレーキ側の熱量より遥かに多いのでしょうね。まぁ 絶えずクラッチは切ったり、繋げたりしてますので。それに加えて SBK系はクラッチスプリングもエンジン馬力に対して重いのでより油圧系統に負担となるのでしょうね。
できれば距離関係なく一年毎の交換が望ましいですね。
それと 写真は撮ってませんが、当該車両 比較的 オーバーヒート気味で走らされた経緯があり 水冷のウォータータンクの水がほぼ空に近い状態でした。916系はラジエターキャップが樹脂製のウォータータンクに装着されておりましてこの部分が目視で外部から水位が見えるようになっております。
*この写真はtetsu996Rより

なかなかな装着のされ方していて(悪い意味で...)、キャップが見えるのに、水を補給するのに燃料タンクは最低限。最悪、燃料タンク下の吸気BOXをずらさないとキャップが取り外せません。
まぁ今回はタイベル点検、調整が入ってましたのでそのついででいいのですが.....
話はそれましたがリザーバタンクは他に存在しているのですが916系はオーバーヒート時にこちらに抜けた水がもう一度 ウォータータンク側に戻りづらい構造となっており tetsuの長年の考察では ドカのSBK系は水温管理を徹底していないとエンジンに多大なる負荷をかけてしまうと予想されます。
とはいえ、ツーリングに行った先の渋滞にはハマらない保証はありませんが 要は そういった環境に向かっていったり、昨今の 「暑い夏時期」に無理に出動させなければ随分と違うはずです。
因みに tetsu的には、SBK系は 外気温30度以上の日は走らせないことに限りますね。走っても超早朝出動の午前中帰宅くらいでとどめないと......
とにかく、すぐに水温上昇していくのがこの手のドカのSBKなのです。
と言った心配を少しでも緩和したいという要望で、今回 ベイリスくんにはtetsuの996Rに施している手法を導入しました。ラジエターの「強制ファンスイッチ」です。
あまり通常のお客様には推奨できません。本来ラジエターのファンスイッチは水周り系に装着されている水温スイッチによってある一定の温度上昇時に冷却用のファンを回している構造です。で、このファン 回りっぱなしですと バイクの場合 バッテリーにかなりの負担をかけてしまいます。ので、自己責任にてライダーの判断で、ON⇔OFFをしていただかないといけません。
後はどのタイミングで回すかというのもその車体や走り方、捕まっている信号の長さにもよりますし、どのくらいの渋滞を走るのか....等 色々と加味されますので、やはり しっかりライダーが管理できないといけません。
これに関しては、引き取り後の自宅まで帰路で 体感できたようで満足していました。
更につづく....

998Sベイリス 車検&諸々 其の一


先月の996SPSと入れ替わりで8月中お預かりした 24年来のお付き合いの常連さん くぼじぃくんの998Sベイリスくん。先週には作業完了して昨日引き取られて行きました。車検&諸々仕様変更等です。特に ドカ随一の乗車姿勢のキツさを誇る916系車体。元々オーナー  くぼじぃくんは身体の背中~腰にかけて弱い傾向で、長時間この姿勢で乗っていると 首からツラくなると前々から言っておりました。
tetsuとしては以前からハンドルでポジションを高くすることを勧めておりましたが、このオーナー....いいか悪いかは別として 昔から「ノーマル派」なのです。基本的にメーカーから出た仕様を乗ることに昔から意義を持っているのですが......なぜか、どこか変更することを「負け」だと思っているのですね....そうではないのですがね。
あくまでメーカーから出た物が全て「エラい」わけではない事を話し、特にレーサー車両なんて 最終的にライダー個人個人のポジションにするものだとも教えました。
ということで今回車検も含めてハンドルで1インチ(約2.5cm)、ハンドル一本分ほど高くする仕様に変更することに。
ついでに、強制ラジエターファンスイッチの装着他 細々と頼まれました。
ということでまずは基本整備で あっという間にこの姿へと....

つづく