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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

900SS タイベル、クラッチ 整備 其の一

約4年前に納車しました900SSくん。 本人がオイル交換をしてしまうオーナーなので 定期タイベル調整やクラッチ点検をなさずして 約1万キロ走っていました。昨年暮れに本人希望で タイベル交換とクラッチ点検の依頼を受けていました。
先日その作業を一日かけてやりましたが、まずタイミングベルト。 
一度も診ていなかったので 案の定「ユルユル~」でしたね。距離自体はまだいけますが、4年の経年でだいぶベルト全体も硬化しており ベルト内側の山も硬さが目だってましたし、本人当初から希望での新品交換としました。
当該年式は 95年なのですが、ここいら辺の車両はタイベル交換時に 一苦労あるかないかがあります。タイミングベルトのかかっているカム側のプーリが前期型か後期型かで大幅に変わります。

前期型はカムプーリ側及びセンタープーリー側(エンジン側)両方の外側(手前)にベルト はみ出し防止のガイドがついているのですが、後期型はセンター側のみとなりカム側のそれは排除されます。当該車両は前期型です。


このガイドのおかげで タイベル交換の際、前期型はカム側双方のプーリを外さなければいけません。特殊形状したナットを外すの自体はまだいいのですが、問題は組み込む時です。組み込む時のカム位置関係は必ず合ってなければいけない箇所で組み込むのですが その位置を決めているのが「ウッドラフキー」という半月状のキーで決めてます。カムシャフト側にそのキーが嵌っており それに沿った溝がプーリ側にあります。しかしこの溝になかなか上手く嵌らないのです。しかも「嵌った~!」って喜んでいるとタイミングが一コマずれていたなんてこともあり...... 集中力と根気との戦いなのです。
また嵌った事をちゃんと確認せずに取り付けナットを締めていくと中でキーがずれて締めこまれてしまい大変な事になります。ここは嵌ったときの確認を締め込み時の違和感で解るのですが 経験が必要です。
tetsuでも ホリゾンタル側(フロント)、バーチカル側(リヤ)共 一発で嵌るなんてことはマレですね。
今回は そこそこ平均的な時間での装着できました(苦笑)。
タイミングテンショナーのベアリングも表面が荒れてきてましたので 全交換しておきました。
センタープーリ裏側のオイルシールは納車時変えてあったので大丈夫でしたね。
これでこの車体のここいら辺はしばらくは大丈夫でしょう。
整備其の二に続く。
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初ツーリング詳細 告知

2月19日の伊東二輪 今年 初ツーリングの詳細です。
HPにも載せました内容と同じですがこちらにも告知します。

伊東二輪ツーリング
2017
年 初ツーリングのお知らせ

日時: 219日(日)

行先: 千葉県 南房総の 「ばんや」    
         *ばんやの場所⇒ばんや

集合出発場所:第三京浜 保土ヶ谷PA

出発時間: AM 9:00 
      時間厳守!毎度のこと 待ちません!!

年末ツーリングは相模湾の幸を食しに行きましたので、年明けは 館山湾に....ということでアクアライン~館山道で 人気店に行ってみましょう。

参加予定の方は必ず 前日までに伊東二輪に連絡をください。

工具は使い方も経験も大事.....それと品質も

原付スクータの前後タイヤ交換依頼です。お客様による「持ち込みタイヤ」での作業でした。伊東二輪では持ち込み品でも内容を吟味させていただき、装着できるものなら引き受けますが、通常工賃より割高になることを承知のうえお引き受けいたしました。
伊東二輪では原付やカブ系のタイヤ、チューブは在庫で持ってますのでね。
で、どうもお客様がご自身で交換しようと試みた形跡があり、後ろ側はタイヤ外すのにマフラーを外さなければいけないところ、このマフラーのスタッド側のナットが緩められなかったという事から断念したという経緯でした......
とここまではまだ 潔く断念してくれているのでよかったのですが、フロント側がやっちゃってました~(泣)


フロントホイールを装着しているシャフトを「アクスルシャフト」と言うのですが、その締め付けナット側の頭が ヒドいことに!!
半分以上 頭がナメてしまってました。当該車両のここは14mmのナットだったのですが 14mmのメガネはもう普通にはひっかからない状態になってます......おいそれと外せないどころか 外せたとしてもこのナットは使えません。かと言って 手持ちで同等ナットがあるという保証もないので 新品ナットを取り寄せてからの作業が一番なのですが 幾つか手持ちの同じようなナットももってますので作業続行はできます。でもその前にお客様に状況説明を.....
tetsuが最初から作業でしたら 普通に緩めるのに苦労していても大抵は外せますところ 今回のようですと通常修理以外の工賃が発生いたしますのでね。
即座にお客様に電話して状況を説明したところ、この部分はお客様本人がやってしまったとのこと.....本人は軽くナメてしまった程度だと思っていましたが 現状はかなりのレベルでナメてしまってました。
お手持ちの工具は拝見してませんが、工具の使い方や力の入れ方にも慣れや経験は勿論重要ですが 一番は「工具の品質」ですね。原付のこの部分の締め付けトルクも メーカーから出てきた状態ですと機械締めされているので かなりのトルクで締め付けされています。我々のしっかりした工具ですら簡単には緩みません。そんな部分を もし安い謎の工具等で 一般の方が緩めようとしたら....今回のようになってしまうのは必然ですね。
伊東二輪でもそうですが、一般的な整備屋さんは皆 そこそこ知名度が高く 信頼できる工具を自分たちで決めて使ってます。決して安くないですが、その分 信頼度はその値段なりにあります。
使用頻度が多い工具等(ドライバー類やソケット類)は数年で買い替えも当たり前ですし。
それでも苦労する作業もあるのが現状ですので、そこを理解したうえで 今回のようにお客様ご自身がDIY作業するのは 場合によっては高くもつくし、「バイクを壊す」ことにもなりますので よく心得てください。安く済ませようとしていたことが、余計な出費になるということを多々見ていますので。

結局今回は崩れたナットの部分に 6ポイント14mmショートのBOXソケットを叩き込んで エアインパクトで緩めることが出来ました。またナットも手持ちで同じようなセルフロック付きの同型ナットをもってましたので 即日修理完了することができました。

皆様もくれぐれも DIYは止めませんが「ヒドくなる前」に持ってきてください。

やはりこの時期はバッテリーが......


今週もバッテリー交換の依頼が多かったですね。
しばらく乗ってなかった 常連さん ホンダVFR1200Fさんも 前回交換してからそろそろ2年強でしたが、3ヶ月放置で セルの周りが遅くなってたとのこと。結局 エンジン始動できずにご依頼のお電話が....... インジェクションは かかりそうなくらいセルが回っていてもエンジン始動できません。この点、キャブ車時代はなんとかエンジン始動できた車両も多かったものです。
やはり電子制御な部分が多いので 少しでもバッテリー側に弱りが見えると 始動困難になる車体が多いですね。
他にも 読売新聞さんの配達中のインジェクションカブが突然 ウィンカー等が点滅不良になり、インジケータ類もおかしくなって始動不能になったと押してこられました。インジェクションのカブはマグネット点火なのでバッテリーが弱っていても始動はできるはずなのです。調べたら当該車両はバッテリーの突然死に見舞われてました。あまりにバッテリーが内部的に壊れたりした場合、カブといえど始動困難になることもあります。キャブ車ならアナログ燃料供給なので全く始動には問題ありませんが、インジェクションの場合始動時に燃料ポンプを動作させなければその先に燃料を圧送できません。その時にアシストできるくらいの起電力はキック始動時に発生しているのですが、やはり あまりにバッテリーが使い物にならない場合 始動困難になるものが多いですね。バッテリー交換すればこちらも復活できるので、新品バッテリーの初期充電の間 、ひとまず伊東二輪の貸し出しバッテリーで現場復帰してもらいました。
まぁ 寒いときは寒いときでバッテリーが弱まる時ですが、昨今の35度くらいになる真夏もその熱がバッテリーの負担となり弱っているバッテリーは 壊れるので なんとも 交換時期の判断は難しいですよね。
やはり 大型バイクのインジェクション車は 定期交換ルーチンを決めておいたほうがどこぞにツーリングに行くときは安心だと思います。勿論 謎の中華バッテリーとかはダメですよ!

で、KTM続き=タイヤ交換を頼まれたわけで


泥だらけ OたくんKTMエンデューロ号。Oたくんに 昨年の8月に行ったお泊り林道中でしか使用していないタイヤが旧愛車のCRMに入ったままなのをKTMに移植して欲しいとの要請。KTMから外したタイヤをCRMに入れなきゃいけない「相互交換」となるので面倒ですが 長いお客様でもありますし、数少ない 林道中ファミリーとしてもやりますか。
勿論 足回りだけは洗車してからとなります(本来は本人に洗ってきてもらいますが今回は作業預かり予定もあったので特例です)
ということで 店内でどちらの車両もリフトアップしたままは場所をとるので、CRMの方からホイールを外し、代わりにtetsu所有のCRMの予備ホイールを前後仮組して動かせるようにして店前に放置することに。
これでゆっくりとタイヤ入れ替えできるってものです。
因みに KTM690エンデューロのタイヤサイズは フロントはCRMと同じなのですが、リヤに関しては 「Big オフ」なだけあってそのパワーに対応するため CRMよりワンサイズほど大きい(太い)タイヤが標準装備です。
なのでノーマルだとこんな感じで690なりにマッチョですが(写真はtetsuエンデューロR)


CRMサイズにすると 一見後ろからの立ち姿は KTM250になります(笑)


標準サイズは車体にマッチしてマッチョでかっこいいのですが こと我々の技量を考えたら 林道を普通に走ることを考えたら CRMのサイズでも許容範囲なので そちらでもいいというご了承のうえで入れております。これは昨年納車したときからそのような方向性で(その時は本人がCRMから外したタイヤをもうワンセットもっていた)、タイヤサイズが小さくなることで 車高も低くなるというメリットも出ます。あ、タイヤ代も安いですね(笑)。しいて言うなら ハイパワーモードで走ったときに タイヤの減りがはやいくらいかと。

まぁ 本人インプレでは林道間は問題なく走れているようなので 気分よければそれでよしでしょう。