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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

シフトリターンスプリング

DUCATI 900SS のシフトリターンスプリング折損による交換です。

常連Yossyさんがツーリング先にてシフトペダルの動きが変になったことで そこからレッカー搬送でした。

話を聞いている限り シフトリターンスプリングが折れた模様。
このリターンスプリングは 他の国産や外車でも 同じような機構で入っておりまして 折れる車両もマチマチです。
ドカはこの部分の機構が 1980年代中盤の パンタエンジンの頃から現代まで(パニガーレ系は除く)大きく変わってないからか 比較的 高年式でも 故障するものは故障します。
故障と言っても ほぼほぼスプリングが折れるという事例ですね。
折れるとどうなるかと言うと その時の折れ方にもよりますが シフトが一定方向だけ戻らなくなる感触になります(スプリングの張力がなくなるのでその重さがないといいますか)。こうなると 自然にギアチェンジができなくもなります。走ることは走れますが可能な限り シフトはしないほうがいいです。
無理やりシフトを動かすと ギアチェンジも出来ますが折れたスプリングがどこぞに行くのも分からないので  無理に走らせない方が吉でして 任意保険等に付帯するレッカーサービス等で自宅もしくは修理工場まで運ぶのがよろしいです。

到着後 シフトを動かしてみて ほぼほぼリターンスプリングが折れてますね。


ドカの場合は左ケース外し フライホイール等も外します。因みに 国産とかは大抵 右側クラッチ側裏側にここらの機構が組まれてます。
どちらにしろエンジンオイル抜いてバラす物も多いので大仕事です。
ただ 空冷の場合 水冷と違って水抜きがないので 随分と楽ですがね(苦笑)。

外したシフトシャフト機構周りと取り外したスプリング。


ほぼほぼ折れる寸前でまだくっついていましたが 取り外しの際に完璧に折れました。よくあるパターンです。即気が付いて その後のレッカー搬送して良かったです。
新品に交換して無事元に戻りました。

因みにこの部分 予防はできません。折れない車両は折れないし、折れる人は折れる。
ただ 物理的にシフト回数が多い人は折れやすいかもとしか言いようがないですが シフトしないわけにもいかないのであまり気にしない方が楽しく乗れるかと思います。折れてもすぐ気が付いて対応すれば 大事に至るケースにはtetsu 歴代遭遇したことありませんので。
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セロー225 タペット調整

*最近オフ車ネタの連続ですが伊東二輪は「オフ車屋ではありませんから」です(笑)。

ということでこちらも初見のセロー225さん。約5万キロ走ってらっしゃる割に 意外と全体しっかりしている感の車両をお知り合いから譲ってもらったとのことで一度 点検がてら調子を含め見て欲しいとのことで。

1995年辺りの車両ですがまだ部品はそこそこ出る車両なので大丈夫でしょう。
気になったのは エンジン上部からの打音。勿論 この距離走ってますのでそれ以外のエンジン作動音もそれなりに大きいですが それでも一番気になるのはやはり打音。

経験的には修正可能な音。バルブとロッカーアームの隙間のタペット音のようでしたので この点は調整を推奨。

で、セローはフレームもシンプル タンク外すともうすぐ作業できます。


2バルブOHCなので バルブも吸気側、排気側ともに一個づつ。
おまけに スーパーカブ等と同様の旧式のロッカーアーム側に調整ネジが装着されているので 高性能の車両のようなシム交換がないので全てにおいて楽です。
あ、おまけに空冷だしね(笑)。


余談ですが 当該車両 純正でこのフレームの色ですからね。
この頃の時代は 他車メーカーのオフ車全般に 「色キチ」的要素のカラーリングが多く ヤマハはブルー系というより この紫系な感じやピンク系を多用した覚えがあります。
tetsu個人的にはヨーロッパ風味な色覚な感じですよね。



で、話は戻り タペットの隙間を測ったところ 規定値の倍とまではいかないけどかなりの隙間が吸気側、排気側とも開いてましたね。

規定値に調整して エンジン始動 、例の打音がかなり小さくなりました。
オーナー様も引き取りに来て静かになった事に少し驚いておりました。

セロー225は その軽量さと扱いやすさで オフ使用の人は勿論、街乗りの方々にも多々愛されました。オフ車というより「トレッキングバイク」の要素が強く 車体の基本構造自体は1985年から最終型の2004年まで販売それど大きな違いはないです。
その中でも内容的に大きな変更を受けたのは1989年にセル装備。これにより広いユーザー層に乗られるようになった感です。更に1993年にリヤブレーキを油圧ディスクブレーキ化したのも大きな変更でしたね。2000年からは排ガス規制の強化に伴いエンジン仕様(吸気、排気)の変更。その他細かい内容のテコ入れも車体やエンジン、電装には入ったようです。
元々 エンジン耐久性はそれほど高くない傾向ですが オイル交換をマメにするのと 車両それなりな使い方内で乗れば非常に良いバイクです。ヤル気の人が乗れば 今だクロスカントリーのエンデューロレースでもハードエンデューロでも上位に食い込めますしね(苦笑)..... ま、これには腕が伴う必要もありますが(笑)。

なかなか信用できる個体は少なくなった感じですが このオーナー様は楽しいいようですので 是非大事に乗ってくださいね。

WR250R ラジエターファン故障

初見のヤマハ WR250Rさん、渋滞に入ったり低速走行すると水温警告灯が点くということでの修理入庫。ワンオーナー約20000km走行車ですが 激しい使われ方もしていなく 比較的キレイな車体です。今までそういう症状もなかったとのことですのであり得るのは外気温変化に起因するところもありますがまずは検証です。

本人談でも ラジエターの冷却ファンは回っているとのことなので 他に原因があるのか......
と考えつつ まずは自分で状態確認のため アイドリング放置してみます。
8分ほどするとファンが回ってきましたね。そのまま継続にて 始動後放置から約17分後辺りで水温警告灯が点きました。
少し話はそれますが tetsu、トラスト時代から伊東二輪にかけてこのWR250Rのお客様が皆無でしたので 個人的な車体情報が乏しいですが それでも 17分ほどの放置まで耐えられる水回り設計に驚きました。
知らない人も多いでしょうが WR250Rはラジエターが右側にしかありません(CRF250Lもそうですが)。キャブ車時代の水冷4ストオフ車は限られますが それでもKLXやDRZは 左右にちゃんとありますから WRは不思議です。なので冷却水路全体の水の量も 約0.7Lほどですので tetsuが知る限りの水冷系オフ車としては少ないほうです。因みに KTMやハスクのレース車は2スト、4スト問わず  約1.2Lほど入ります。ホンダのCRM250ARなんか約1.5Lほどですしね。
それらからすると エンジンキャラ的にはエンデューロレーサーに負けていないはずのWR250Rですので冷却性能にも気を使ってそうなのですが、その辺りがヤマハの技術とトレール車ならではの部分も兼ね備えているのでしょう。と WR250Rにちょっと感心したというお話です。

話は戻って、見た限り 水回りも問題ないようですがファンが回っても水温落とせないの??
外車ならまだしも日本車(しかも国内販売)で冷却ファン回って水温下がらないって言う車両は最近では見たことないので 少し疑問に。
強烈水温上昇激しいKTMの690エンデューロでさえ ファン回れば 水温表示の目盛りは下がりますので......
と考えつつ 再度エンジンスタートしてふと右のシェラウド側にあるラジエターのファンの後方に指を突っ込んだみたところ 「?風が感じなくね??」と。
でもファンモーターの音してます。


謎に思い シェラウド取り外して 現物を見たところ なんと! モーターだけ回っていてファンが回っておりませんでした(汗)。


横からの写真ですが ファン部分(黒い部分)がラジエターに接触した状態になっております。

これが原因ですね。

取り外したファンは羽部分だけが壊れて分離してしまっている状態でした(涙)。
これは冷却しませんよ......


この状態をオーナーさまに伝えたところ、昨年の暮れに右側に一度車体を倒したとのこと。
外観的には酷く壊れている印象もなかったのですがね。おそらくそれが起因でしょう。
外気温が低い時期でしたので水温上がっても警告灯も点かなかったと推測。
新品を取り付けても ステー自体の歪みもなかったようなので 運悪くなにかがファンの羽部分を抑え込んでしまって 最終的にモーターと分離してしまったのでしょうね。
ましてや当該車両はラジエターブレースを装着しておりましたので余計にファンを直接目視できませんので これは気が付かないですね。

こちらが新品。

外側の枠と思われており部分もファンの一部であまり他で見ない形状でもあります。
それがいけないのではとも思ったり.....。
tetsu知っている冷却ファンの多数は 外側の枠はあくまで枠で内部の羽部分のみ回るのが普通なんですがね。
ま、ヤマハさんの製作者の意図がどのようかは計り知れませんが......


新品装着の図。

解りずらいですが 上の接触している写真と比較して ラジエターとファンの羽部分に8mmほどの隙間がありますね。これが正解です。ステー類は曲がってなくすんなり着いたので余計な修正作業が入らなくてよかったです。

ということで新品ファンに交換して元通りでした。

カウンターシャフトシール 交換

こちらもメールから問い合わせでの診察依頼。
初見の カワサキ スーパーシェルパさんです。 
他作業予約待ちにて 約一か月以上 お待ちいただきました。



昔からオフ車も多い伊東二輪でも珍しい車両ですね。

tetsuもシェルパ自体 大分昔に一度ほどしか触ったことない車種です。

程度も良さげで 前ワンオーナーからの譲渡車両とのことで信用はできそうです。

不具合はどこぞからのエンジンオイル漏れ.....
オーナー様もそこそこ触れる方のようで 本人的にも疑惑は フロントスプロケットの裏側のシャフト辺りかととのこと。
サイドスタンド時に左側のフレーム下部もつたってますが 酷くもないようで ちょっと判断に難しい感じ。
スーパーシェルパは シフトチェンジメカニズム部分のカバーが左エンジンケース部にあり 他の車種でも同様な構造になっているものがカワサキ車多いですが たまにこのカバーのガスケットが抜けて オイルが滲んでいるものもありますので。

フロントスプロケットを取り外してカンターシャフト周辺を見て見ましたら、オーナー様が綺麗にしているのも助かり ほぼほぼこの部分のシャフトシールが逝っている模様。
年式も2007年の最終モデルにて オフ走行等で激しく使われている形跡もなく、チェーン緩みでのバタつきでの傷等も皆無。 走行距離もまだ14000キロほどでしたが 残念ながら シールから漏れてますね...
他の同一車両情報がないので この部分がシェルパの弱い部分かは不明ですが 車両状態からしたらレアケースな感じでしたね。
新品シールに交換して完了でした。、

ホイールベアリング交換

メール問い合わせでの初見のお客様 ヤマハVOXさん。走行 約3万4千キロ。
結構走ってます。ワンオーナーで毎日のヘビーユース使用とのこと。
フロント周りから 走行中 たまに異音がするとのことでの診察依頼。

ご来店にて フロントホイールのガタの確認にて すぐに原因発覚。
事前の予想でもしておりましたが フロントホイールベアリングが逝ってました。
まだ片側崩壊までは行ってませんでしたが 左右あるうちのどちらかはかなりダメな感触でした。


写真が取り外したベアリング、インナーカラー、シールたち。
案の定 ベアリングは片側 崩壊寸前でした(汗)。
ギリセーフでしたね。
毎日 約100キロほど使用しているらしいので もう一週間も持たなかったでしょうね。
皆さまも 回転部分の異音や振動が気になったらお早目の診察が吉です。
今回の事案はどのカテゴリーの車両でもなり得ますので。