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999 車検&修理 其の③


元々オイル滲みがヒドくなってくる気配だったので 良いタイミングでのヘッドカバー内点検です。ドカのSBK系の水冷4Vエンジンはその造られた方向性が「レーサー」ベースなので、空冷2Vエンジンよりかなり気を遣った走らせ方、定期点検を必要とします。ここは2サイクル車の長く乗るなら定期的にエンジン開ける必要性と同じです。
それでも999のエンジンはいわゆる「テスタストレッタ」と呼ばれるエンジン。このエンジンの初期搭載車が2001年登場の996Rとなります。それ以前のエンジンを総称して「デスモクワトロ」エンジンと呼ばれておりますね。多くを書くのは大変なので割愛しますが、大きく変わったのは 「ヘッドの大きさ」これに伴う ロッカーアーム等の設計変更です。これにより格段にヘッド内部の部品耐久性が上がったと言われております。
tetsuの996Rは 2002年~2008年までは 公道車両と共に、期間限定「レーサー」でも使用されており、その時だけはサーキットを全開で走らせておりました。走行距離が現在2万キロを超えてますが、サーキット使用はそのうちの2000kmほどでしょうか。1万キロの時に、一度エンジン下して、腰下までのフルオーバーホールをしておりますが、ピストンやクランク周りに大きな問題はなかったですが、 シリンダーヘッド内のロッカーアームは開き側のロッカーアーム全部で8個あるうち、3個が軽度の表面メッキ剥離を起こしており交換した経緯があります。デスモクワトロエンジンの頃は、このメッキ剥離がもっと顕著に出やすかったとも言われておりますが....そのままだとカム山の方にも影響が出ますし。
余談ですが、このメッキ剥離したロッカーアームを使用し続けていると剥がれた金属粉がオイルラインに詰まり、最悪 クランクジャーナルの焼き付き等引き起こして しまいます。
で、今回の999は使用環境も良く(渋滞などに向かっていく走りはしてません)、エンジンオイル交換もしっかり距離計算で行ってきましたし、なによりむやみやたらの「回して」乗られてないのが一番です。tetsuの印象でも、ドカのエンジンは回せば回してのるほど、寿命が大幅に低下してくると言えます。それを覚悟している場合、レーサーと同じレベルでの整備をしないと長くは乗れないでしょう。逆に言うと、それを知っていてでの「覚悟」の上乗るのが必要とも言えます。まぁ、「壊れたら直せばいいんだ!」的な大人な方は なにも考えずに「どうぞ」ですが.....
で、ヘッドカバーオープン!!

↑ ホリゾンタル側

 
↑ バーチカル側

結論から言いますと、「全く問題ありません」でしたね。
バラす前の印象通りでした。ホリゾンタル側(フロント側)もバーチカル側(リヤ側)もカムシャフト、ロッカーアームと非常にキレイで ロッカーアームとカムの隙間も少し大きめな箇所もありましたが今現在手を出す必要はないものでした。
流石、オーナー Y沢様の良い心がけの走りが反映されていると思いました。
バラす前に 排気ガステスタでガスデータも録っておきましたが、数値は全く問題なかったので、エンジン内部のガス吹き抜けやヘッド側のバルブ周りの問題はないと判断していたので、これより下はまだ手を出さないでOKという判断材料ともなりました。
ということで、ヘッドカバーガスケットを交換して ここは元に組直していきます。
つづく......
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