999 車検&修理 最終章
ドカの乾式クラッチは消耗品です。一般的な湿式よりも遥かにデリケートです。正直、レーサー趣向の強い社風から長きに渡りにあらゆる車種が乾式クラッチ機構なドカ。3万キロ使用のクラッチ周りは、ドライブプレートとドリブンプレートの接触摩耗面よりもドライブプレートとアウターバスケットの接触による「段付き摩耗」の方が重要なファクターとなります。
メーカーはその接触面の隙間の許容範囲を 「0.6mm」としております。しかし、この範囲などあっという間におとずれてしまいます。これを守っていれば問題はないのですが、それを延命するのがレーサー車両と同じような定期的なメンテナンスです。
当該999はこの定期的メンテナンスを行ってきましたのでこの距離まで使用できてきました。しかし、流石に上記の接触面の許容範囲を大幅に越えてきてしまったのもあり、全交換の頃合いとうことで交換します。
上記写真が取り外したクラッチセットとアウターバスケットです。アウターバスケットには、ドライブプレートとの接触による削れが大きくあるのが解ります。クラッチドライブプレート分の段差がありますのでガタガタです。このガタガタが大きすぎると、俗にいう「クラッチジャダー」が多発するようになったり、クラッチが唐突につながったり、また低速走行時のギクシャク感も多く感じるようになり不快な走りとなります。
新品交換後、組み込んだ状態です。勿論ですが、接触面の隙間「0」です。この状態でエンジンを始動しますと、交換前とは比べものにならないくらい静かなエンジンとなります。
後は外装を組み上げていきます。
パイパークロスのエアフィルターも組み込み、外装も組み上げていきます。
先週初めに納車して、オーナー Y澤さまは梅雨の合間を狙って そのまま久しぶりの奥多摩に。
新品クラッチ周りによる走りの違いに感動しておりました。
今後も楽しく、安全にSBK車両をお楽しみください。
PR