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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

CRM250AR ホイールベアリング交換

ワンオーナー常連様 現在 85000km走行のホンダ CRM250ARさん。
林道部でも舗装部でもない「通勤部」車両です(笑)。

走行中にエンジン周りより 「ギャギャ!!」っていう音が数回しながら家に着いて翌日見たら エンジン下部がオイルまみれだったとのことで 修理依頼。

車種が車種なので 半分諦めムードの電話やりとりとなりました......

まぁ、既に 90%近くの部品が入手不能のバイクですので通常なら診るのを考えてしまう車種ですが、なんせ新車よりtetsuが 20年来見続けている車両なので行けるところまではお供しないとなので(苦笑)。
で、引き上げてきまして まずは オイル漏れについて。オーナー様の話からすると 「ギャギャ!」っという異音とオイル漏れに関連がありそうでしたが tetsuが見た限り 外観的にヒドクオイル漏れしているのは 既にクラックが入ってしまって数度修理した AR系 泣き所の 2ストオイルの樹脂タンクよりです。それが伝って エンジン下部まで回っている模様。オーナーの説明ではこのオイルタンクのオイルが朝は入っていたのにその異音後  空になってしまったと言っていましたが、それは診察結果的に 間違いでした。
バイクを直立にして見ていなかった模様で tetsuがスタンドかけて診たときには 底辺部にしっかりまだ100キロ弱ほど走れる量の2ストオイルが残ってましたので。

とは言いながら エンジンの異音が気になるので ミッションオイルも抜いて確認。しかし こちらも経年使用くらいの汚れで特に金属片とかも見受けられなく。オーナーさんの話しでも走行に特に影響は出ていなかった模様。ただ 数回 「ギャギャ!」という音がしたと。

ふ~む、この場合 オーナーの説明を参考にしつつ、敢えて違う方向から 推測論で行かないとダメそうです(実際、よくある話です)。「エンジンから」と言っていても 実際エンジンからではないという事例も多々あるので。走行中の音なので 回転部分が怪しいです。この場合の金属音ですと 駆動系ですよね。



で、チェーン周りとホイール周りを重点的に見てみます。そして 原因発見。リヤホイールベアリングが怪しいです。とは言っても まだ破断初期症状で ただホイール空転だけでは分かりませんね。
 
ホイール外して 直接 触診です。結果 車体 右側のベアリングが怪しいですね。指で回して ひきづりと共に ガタもあります。


ダストシール剥がしたら 圧入部は一部 サビが浮いております。
 
ベアリングプーラーで引き抜いた図。ベアリング裏側です。


グリスが腐って サビてますね。CRMのホイールベアリングは表側はシールタイプですが裏側はオープンです。この部分のシールやカラー類の対防水性の造りもKTMとかみたいにお金かかってないので たまにグリスアップしてないとこのようになってしまいますよね。

同じく 左側のベアリングを抜いた図。こちらも触診では問題ないですが裏側はグリス腐ってますね。


この辺は 規格ベアリングなので普通に入手できます(っていうか 実は一台分 在庫でまだ持っていたので 即日修理できましたが)。
全て新品に入れ替えて完了。ついでに再度オイルタンクは延命処置して オーナー様に納めました。伊東二輪で扱うCRMARも少なくなりましたが tetsu号含めまだ数台健在。みな どこまで行けるか分かりませんが まずはオイルタンクをどうするかという課題がどれも最初にやってきそうです......っていうか 一生懸命乗れないバイクってどうなんでしょうね.....(苦笑)
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マジェスティS タイヤ交換 他

トラスト時代 原付時代からお世話させていただいている お客様。当該オーナーは定期的に点検も必ず持って来ていただけるので 毎回 ヒドい修理にならずに済んでいます。

当該車両、伊東二輪開店 初期に走行5000kmの中古でご購入いただき今回 走行20000kmに到達。調子はいいですが オイル交換他点検でご来店いただきこの際 前後タイヤの偏摩耗を指摘させていただきました。

この手のスクーター系 小径タイヤは使用、走行環境にもよりますが 通常に使用摩耗してきてもタイヤ全体が均等に減ってこない事が多々です。今回もその状態になってまして。

フロントタイヤは写真向かって 左側(車体から見たら 右側)が反対に比べて 減ってますね。



リヤタイヤは更に溝の摩耗も多いのでフロントに比べて偏摩耗率が高く 写真でも 特に右側がヒドイですね。


因みにこの手の偏摩耗率は 適正空気圧より低くなったまま走行していると加速度的にヒドクなります。
また偏摩耗したままのタイヤで走行していると路面轍にハンドルもとられやすく 操安性も不安定になり安全性が保てなくなるので早期交換が望ましいですね。

オイル交換も完了して その他の点検ではクーラントの減りがありました。



ヤマハ系の水冷スクーターは 右フロア側面で判断がつくので 点検しやすくて◎です。これを怠っていると最悪 オーバーヒートしますね。
ちゃんと補水できて完了。また日常の足で活躍してください。

スーパーカブ90 放置車整備

13年ほど前に トラスト時代にご近所の学生くんに販売した ホンダのスーパーカブ90くん 。その後 そのお客様は社会人になり 数年前から群馬の方で仕事をするようになりカブもそちらで稼働していたよう。そんな彼が 久しぶりに来店と思ったら そのカブの整備の依頼でした。

東京に戻ってきたけど カブはまだ群馬にあって それをどうしようかという相談でした。群馬でしばらく乗っていたようですが なにやら調子が悪くなってきて 放置グセがついてからが約3年ほどと。
でも忘れた頃にエンジンは始動していたとの事なので まずは こっちまで持ってきて見て診ようということに。

元々 販売した時も外観はキレイな車両ではなかったですが機関はしっかりしていたので その後も同オーナーが激しく使用していないのも知っていたので そこそこ手を入れれば復活は問題ないと推測できまして。
以前知っている時と何ら変わらない様相で(笑)。

で、まずはキャブレターのドレンから古いガソリンを抜こうと思ったら そういえば 本人が群馬からカブの状況を電話かけてきた際に 乗って行っていた車がルノーのカングーだったのを聞き そのままそれに積んで来るよう手法を教えました。その際 車内がガソリンまみれになるのを防ぐためにキャブレターからのガソリンの抜き方を教えたので、 向こうでしっかりガソリンは全部出してきたのを思い出しました。なんたって カングーに一人で横積みにさせたので(笑)。
ということで そのままガソリン投入にて数回キックでエンジンは始動。以前と変わらず それほど気になる異音もしないのでそのまま修理する方向で決まりました。
とはいえ 元々付いていたはずのパワーフィルターはもげてなくなって久しいようですし、キャブレター周りもパッキン類の劣化で燃料が滲み飛んで 真っ黒になってますので キャブレターOH兼ねてパッキン類も全交換です。カブ系のここは数年に一度は交換してあげてないと汚れが落ちなくなるくらいキャブやその下のシリンダーヘッドが真っ黒になってしまいます。

取り外した キャブ周り。
真っ黒で汚いですな。先に落とせるだけ汚れ落としてから パッキン交換です。
当該カブは1990年代前半辺りの車両でして キャブレター取り付け部にワナがあります。通常 キャブレターを外す際に キャブからヘッドに接続しているインレットパイプからキャブを外すのですがこの頃のはその部分の取り付けがキャブレター本体にネジが切ってありネジが直接キャブを締め付けてます。写真の赤丸印部です。
後期モデルはこの部分が ボルト・ナット法式になるので格段に信頼性アップします。

この部分が非常にデリケートでして数度と取り外しがされた物はキャブ側のネジがナメてしまって空回りしてしまう物が多々あります。のでそうなるのを回避するのにヘッド側のインレットパイプごと取り外しました。



インテーク側からの写真ですが、パワーフィルターが無くなったまま走行していたのでかなり汚れてますね。


残る汚れを落としながら開けた キャブですが、フロート室内はキレイなもので。でもカブは侮れないのが普通にエンジンかかっていたものでキャブを開けたら 「超汚い」なんていうのもあったりするのが恐ろしいです。違った意味で流石 「世界のカブ」です。組み上げて パワーフィルターも新調。再始動も問題なく調子いいですね。エアースクリュー調整等してこの辺は完了。


その他 接触が悪くなったメインキー交換、テールバルブが煩雑に切れるため社外のテールランプ一式をノーマル一式に交換。この辺は 古い車両になると部品入手が極端に難しい ホンダでも流石のカブだけはまだ入手可能なのが 唯一許せるところですが.......
前後タイヤも交換してリフレッシュして これからも調子よく乗れそうです。

900SL スタータワンウェイ 交換

当店お客様ご紹介で 先日 色々修理でお預かりしました ドカの900SLさん。ご来店当日に エンジン始動できなく電話で症状を聞いていると スタータワンウェイが滑っているようでした。
本来お預かり前はこの修理予定は入ってなかったのですが 聞いていると どうも以前から冷間時始動時に 症状が出ていた模様でした。
とはいえ この症状に出くわした人でないと 初期症状では判断つかないでしょうね。初期はセル始動を何回か試みると ワンウェイが噛む事が多いので。それに 暖かい時期も分かりづらいのでしょうがないですね。 ということでレッカー搬送にてお預かり。


症状はその通りでした。後日 発注した部品が到着。左ケース開けます。

空冷は 水がないのでこの部分をバラすのはドカの水冷系やるより遥かに楽で早いです。


このフライホイールの裏側にワンウェイクラッチが入ってます。

以前にもワンウェイネタは他車両でも書きましたが この故障はドカに限らず 同じような構造をとっているあらゆる車両になりえます。ただ それが起きやすい車両と比較的 長期間乗っても 起きづらい車両があるのも確かです。
どれも言えるのは、①弱いバッテリーで始動 ②セルボタンをチョン押しで複数回で始動 ③セル始動回数が多い(アイドルストップ併用とか) でしょうか。 特に ①は ドカは高年式でも 最大の注意点です。ただでさえバッテリー容量が最小限のものしか積まれてないドカは 弱いバッテリーでの始動は命取りです。更に 追い打ちをかけるのが エンジン冷間時や 冬場は顕著に影響します。

外したフライホイール。



左が新品のワンウェイクラッチです。先日紹介したKTMのと同じ形状の方式です。

新品組んで フライホイール戻して 点火させずの セル空回しで問題なくクランキングしますので修理完了。
みなさまも セル始動時に セルモーターのみが「ウィーン」と言って 空回りする症状が出始めた場合は 早期の対応にて修理するよう心掛けてください。そうしないと 他の部品に多大に出費することになりますので。