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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

900SS スタータワンウェイギア不調

先月作業したものです。3月にウチで 販売した 900SSさん。
セルスタート時にモーターのみ空回りするのが頻発することになったので修理入庫。

昔から ドカ系 忘れたころやる作業、スタータワンウェイギアの交換です。
セルスタート時だけ セルモータの動力をクランクに伝える役割なので これが壊れると色々ありますが 単純にはスタータボタン押しても セルのみ空回りしてクランキングできなくなるというの多い事例です。

色々 装着方法、形状にはタイプはありますが ドカはこんな部品です。


国産車でも車体特性や乗り手のセルの回し方、バッテリーの状態により この手のスタータギアは 短命で逝ってしまう事も良くあります。
新車から 14000kmで逝ってしまった XJRの時は 作業自体が超大事だった思い出がよみがえります.......
話しは戻して、ドカの場合(というか逝く理由の一番)は 弱いバッテリーで始動困難な状況でしつこくセルを回していたり、スタータボタンの押す時間が短めな人に多いです。これは 古いハーレーやヤマハのV-MAXなんかもそういう感じで壊れますね。
ほぼ バイク側が悪い事はないですね(イレギュラーに機械的に壊れた場合は別ですが)。
特にドカのキャブなんかは 一か月くらい始動していないと 最初の初動困難な事が多々あり その時にバッテリーが弱いと 相乗効果にスタータワンウェイに負担になる行為となります。
因みに キャブのフロート室から古いガソリンが抜ければ かなりの確率で初期始動は楽になるのですが 900SSの場合 ハーフカウルはまだしもフルカウルはカウル外さないとなのでね.......

今回はおそらく前オーナー時にそのような使い方が多かったと見てますので 今回は納車後 3か月ほどでしたので 部品代だけいただき作業代はサービスで交換です。

左ケースを開けて フライホイールも外さないとです。


フライホイールの裏側に装着されております。
KTMのEXC-Fも同じような構造でしたね。


ドカは作業的に色々細かいワナはあるのですが 久しぶりの交換でもすぐに思い出すものです。
古い国産車や ドカ系(高年式も要注意)、ハーレー系の方は 特にバッテリー管理は最上級扱いくらいに 常に状態良くした方がいいです。経年使用したら使えていても容赦なく交換した方が 車両のためにもなりますので。


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ムルティストラーダ1000DSのエアクリーナって.....

伊東二輪 唯一 一台見てます Sガイさんの ドカのムルティストラーダ1000DSさん。
自分でエアクリーナエレメント交換できないので 交換依頼でした。

まぁ 出来ないというのも分かります。
大変なんですよね~、作業が......この頃のムルティは。

ま、ヤル気を超絶出せばそんなでもないと言えばそんなでもないのですが......大変です(笑)。
色々ワナもあったりします。
なにが大変かって上物(タンク~シート)を取り外しまでの道のりが色々外すので.......

今回はタンク脱着自体で 予定外のワナにハマりまくって泣きそうでしたが なんとかエアクリーナ交換に辿り着きましたよ。予定外のワナはもう疲れたのでネタにすらしません(怒)

うわもの外れれば後は早いですよ!(笑)。

初のムルティ1000系のエアクリーナエレメントとご対面......


「聞いてはいたけど 本当にスポンジなんだぁ。。。。。」
「っていうか 想像通り ほぼ粉砕して フィルター部分 ないし((笑))!」


そう、昔の2スト原付や 伊東二輪でも今だたまに見る スズキのアドレズV125系などのエアフィルター粉砕事件と同じです(苦笑)。
ドカでは SBK系の 916~998や999系は吸気ダクト内にスポンジフィルターなので定期的に見てないと 経年劣化にて粉砕しているケースが多々あります(tetsu996Rもそうでした(笑))。
SBK系以外の車両は みな乾式だと思ってましたが 何故か ムルティ1000DSだけスポンジとは.....
同時期 同型エンジンのSS1000DSや S2R1000などは ビスカス式フィルターなのにね。

「Sガイさんいつも全開だからな~..... 粉砕しても気が付かないわけだ(笑)」と一人 ブツブツ言いながらエアボックス内に散らばった フィルター残骸を取り除きましたよ!(怒)

ということでK&Nの フィルターに交換でしたが 今回の件でよ~く解りました。
tetsuがムルティ1000DSで作業的になにが一番やるべきかって言われたら 早々に 有無も言わさず エアクリーナーエレメントを社外乾式に交換推奨ですね!
ということで無事 Sガイさんに引き取られていきました。
ブイブイ言わせるのも ほどほどに(笑)。

マジェスティ 155 S 諸々整備

長年のお客さま Yさまの初期 マジェスティ155 S。そろそろ25000kmに到達かということで 駆動系含め 要所の消耗部品交換ということで入庫。

ここまでやって 一般的消耗部品の エンジンオイル、ブレーキ関連、タイヤ関連の部品しか交換してきませんでした。

今回は プラグ、エアクリーナエレメント、駆動系と言ったところを交換。

ベルトカバー外す前にエアクリーナーカバーが開くので ご対面。

想像通りの汚れでした。

新品はこんなにキレイです(苦笑)。


次に駆動系。

当該オーナー様は 激しい走りをしないので 結構ヤレてないだろうという予想通り あらゆる部分の会消耗が最小限に抑えられておりました。
ドライブプーリー周りも遠心クラッチ周りも まだまだ使用できそうな感じでした。


ベルトは流石に距離分の ベルト幅が若干狭く減ってましたが それでも経年のわりには状態よかったですね。
ベルト、ウェイトローラを交換して 完了。
まだまだ乗れますので これからも定期的に点検等 もってきてください。

定期的注意喚起

はい、一年に何度も見る光景のtetsuですが ブログでも定期的に取り上げます。

どちらも違うスクーターのリヤタイヤ交換依頼ですが、下のものでも交換推奨距離は過ぎてますが 上の物は 最後の砦を通り越している 「薄皮一枚」とも言える カーカスが見えてしまってます。
しかも かなりの幅で.....

何度も言いますが ここまで使っているとバーストして 最悪転倒しますから 早めの交換ですよ!
大事故誘発にもなりかねません。
二輪は二つのタイヤしかなく「タイヤ命」とも言えるので ケチらないようにです。

TE250 不調検証

tetsu 自分 レース号ネタです。

4月のJECのレース辺りから エンジンに不調を抱えた ハスク TEくん。ある一定の環境下(アクセルチョイ開け~中開度固定と必ず ゆるい下り)で発生していたのですが アクセル閉じても マシンが走っていってしまう症状です。
これ マジで怖いんですよ(汗汗)。
この症状で JECのテスト(タイムアタック)では 序盤でオーバーランして危なくコース復帰できなくなるところでした(汗)。なので終始 そうならないように走ってました。
その時はキャブセットの問題と思い 再度見直して挑んだ 5月のクロスカップでは更に悪化して ちょっとの下りでアクセル開け気味だとアクセル閉じても走っていってしまうので ウッズの下りなんかも怖いのなんの(涙)。このときも途中でレース辞めようかと思いましたが なるべくアクセル開けずの走行でなんとか走れたので最後まで走ってしまいましたが やはりなんかおかしいということで 考えられる箇所を洗い出してみます。これでは まともに乗れません。

感覚的には 燃調が薄い症状のアクセレーションに似てました。ガス欠でも同じようになりますが その場合 アクセル開け続けていけないので 燃料が行かないのではなく どこかから二次エアを吸っていると考えます。
考えられるのは キャブ周りが一番ですが TE号は2ストなので 一次圧縮するクランクケース側も要チェックかと。
エンジン始動性は特に問題ないので 本当にある一定の条件下で薄くなる(エア吸われてる)ようになっている模様なので原因究明は厄介です。

しかも 自分のなのでそうそうバラしたくないので(笑) 治れば兎に角いいので  先に考えられる部品を全部用意してから作業。一見 大人の新品部品投入ですが お父さんは 余裕はないんですよ....(悲)

まずは 吸気側。リードバルブ交換します。

リードバルブが閉じ切らなくなっていると基本一次圧縮抜けますが 二次エアも吸いやすくなります。

TEくんのは初めてバラしましたが この年式(2015)は純正でボイセン製らしいです。で、純正で カーボンリードバルブなんか入っておりました。「だから リードバルブの値段が予想以上に高いのか~」と恨みましたよ(笑)。


リードバルブの材質は普通 一般的にはただのファイバー樹脂製です。
カーボンって聞くと偉そうですが tetsu個人的には「カーボンの良さがどこかにあるのだろうか」と考えてしまいます....
昔言われていたのは カーボンの方が硬いので 中間開度~全開でバタつきづらく追従性がよくなると言われておりますがtetsu的には実際には全部がいいことでもないと思った経緯もありますもので。

RS125なんかはノーマルは 普通のファイバー製でしたが 一時 社外製でカーボン製がありそれを装着 走行してみましたが カーボンの方が硬いことでか アクセル開け初めの感覚が好きになれなくてtetsuは元に戻した経緯がありました。

ま、そんな事より 写真でもわかる この2段構えのリードバルブ構造の方が ロードでは見たことない形状なのでこの辺にヒントがあるのか。

因みに この手の社外リードバルブで近年 有名なのはモトタシナリの「V-Force」 シリーズ。
リード部を二段構えとするのも同じ構造。
現在では 「V-Forece 4」となっており リードバルブの組付け精度自体もボイセンより良いようです。性能としても 排気量アップしたくらいのトルクアップが感じられるそうです。あ、ボイセンも基本的にはそのような効果を狙っているのは同じ。でも 同じ性能かどうかは着けて比べてみないとですが......
本当は V-Forece4 に交換したかったのですが 現在 お財布に余力がないので 最低レベルで復活させる方向になっております(苦笑)。
しかし この時代になっても進化するリードバルブ周りっていうのもスゴイものです。製作者に脱帽ですわ。

 
リードバルブにクラックくらいを期待したのですが全くそんな事もなく しいていえば外したユニットを見たら ほんの少しですがリードバルブ先端に隙間が....しかし 「これくらいで あんな空走引き起こすか?」とも思いつつ 容赦なく部品を交換します。

ここで新しいリードバルブが一部形状変更していることに気が付きました。

上側、下側のような感じでそれぞれリードバルブに装着向き 位置が決められているのですがそのうちの2枚は 旧来だと羽が独立してますが 新しいのは 2枚繋がってますね。

左側が今まで装着してあったもの。右側が新品です。
どういう観点でここを繋げたのかは定かではないですが なんかあったのでしょうね。
良くなるならいいんですが その場凌ぎ的な感じでもありそうって思うのは ひねくれものですかね(笑)。
ま、そんな事考えたって わからないのでさっさと終わらせたいので(笑)サササと組みます。
そして 新品リードバルブを組み付けてもリードバルブ先端の隙間は空くっていうオチに....
「なんだよ!これ!」と やっぱり 製品のふがいなさに少し疲れながらも 再度組み直したりしてなるべく隙間が一番開かないように組みましたが.....「V-Forece4入れれば良かった....」と心が叫んでいたのはナイショです(笑)。

左のセルモータ、ジェネレータ外してみましたが 外側ケース自体にそれほど汚れはついてません。が まだ分からないので フライホイールも外してみましたところ.....

これが原因かも?っという状態が発覚。


一次圧縮が少し漏れてましたね。シールからオイルが下に垂れた形跡がしっかり残っております。シールが完璧に抜けてしまったら エンジン始動すらできなくなりますが これくらいだと始動はするし走るでしょう。しかし 空走するまでの二次エアを吸うのかも疑問が残ります。
なんせ そんな経験になったことないので。
ま、どちらにしろここも部品あるし そもそもこんな風になっているのを見過ごすわけにはいかないのでね。

ということで左サイドシールも新品交換したので これで治る事を期待。
クランク右サイドシールまでを交換する気力がなかったので 今回はこれで実走検証してきます。

治ってくれ TEくんよ!