アドレスV125 クランクポジションセンサー
とまぁ お題の後半は一般の方は聞きなれない言葉のお題ですが。トラスト時代からのハーレーのお客さんの SUGAR工房のSくんの通勤車両 アドレスV125が最近 始動不能になるケースがあるということでご来店。まさに 伊東二輪に来る前に 手前の狛江にある ラーメン屋に立ち寄ったら そこでエンジン不始動に。そのままその症状を見せるべく 頑張って2キロほど世田谷通りを押してきたSくん。
しかし こういう時に限って お店ではエンジンかかるもの(苦笑)。案の定 何事もなく調子よくかかってしまいます。とはいえ Sくんのお話を聞いていて tetsuが今まででV125で二度 施術したことある ある意味「原因究明困難」な症例と判断。最初の施工は約2年前の当ブログで紹介しております。
その 故障原因の部品名が「クランクポジションセンサー」なのです。説明すると長いので簡単に言うと クランクの角度が「ここです!」ってタイミングを見ている物。360度の回転の中で「ここで点火」っていう命令の最初の部分と言いましょう(笑)。この先のプラグの点火への導きは また点火方式(イグナイター、CDI、ECU等)によって微妙に違うのですが この部品がおバカさんになると プラグに火が飛ばなくなる一因でもあります。
で、今回の始動不能な時が この部分からの命令がなされないで点火できないというのを過去に2台やったことがあるのです。ただ 正常な時は何事もなく エンジンがかかってしまうため その時にはどこも疑うこともできないので 初めての車両の時は大分症状が煩雑に出るようになってある程度解ったという......
しかも V125の場合、本来 このクランクポジションセンサーからの通信が途絶えている場合 FIランプにてエラーコードが出るのですが これがまた完璧に壊れてくれないとエラーコードも出ないっていう...... 技術が進歩しても 最後は人間の経験値と思考力っていうところが メカニック側としては複雑な気持ちとなりますが。とはいえ 現代のECU等が壊れたら(ほぼ壊れませんが) やっぱり普通には分からないですけどね....... こういう場合は 消去法で システムを見ていきそこでECUに辿り着いたら交換ってパターンもあれば最初から専用テスターに繋げて 診断なんていうのも現代車両は当たり前なので こういう場合ある意味 人間の経験なんて なにも役に立たないとも言います。
話はそれましたが V125のこの部品は(っていうか大抵のスクーターや小型バイク)はACジェネレーターと一緒に配線されており、ある意味 丸ごと交換となります。スズキさんの場合 ステータと呼んでまして これが右エンジンカバー内にあります。強制空冷ファンの風を導くための樹脂カバーが邪魔をして簡単にエンジン本体のカバーに辿り着けないのが V125の整備性の悪さです。
このために後ろ外装全部剥がして、リヤサスもフリーにするっていう技に出ます。
あ、センタースタンドのバネがこの外す部分のエンジンカバーに引っかかっているのでそれも外すのである意味他の方法で自立できないと作業できないところもV125の評価できない部分です.....
で、エンジンカバーを外しますと こんな感じで装着されております。下の方の銅線のコイルが巻いてあるものがステータ本体です。カバー側に装着されております。
こちらが新品「ステータAssy」。 なぜか2年前の部品価格より安くなっておりましたが.....スズキの大人の事情でしょうか(苦笑)....ま、安いにこしたことはないですが ここのポジションセンサー自体がメイドインチャイナ製のようなので(新車装着物もそうですが) 更に安価に作るべくした なんてオチなら怒りますが。
こういうエンジンカバー類を外した時になにが一番時間がかかるかって、ガスケット剥がしですね。特に新車時より外したことがない部分のエンジン周りのガスケットは本当に剥がれないですね。
当該車両も半分ほどはなんなく剥がれてくれましたが 写真のように黄色印部分にこびりついて残っている物は 頑固なんですよ~(泣) スクレーパーというこれらを剥がす工具で挑むのですが 間違うと 自分の手を スパっと切ってしまう事もあるので 注意しながらやります。とはいえ かなり力も使うので 結構疲れる作業でもあります。
ガスケットも綺麗に剥がして 後は元に戻していくのみ。
ついでに頼まれました リヤタイヤの交換もします。丁度マフラーを外していたので ここからは早いですね。外装組む前に 5度ほど始動チェックにてOK。組み上げて 約6キロほどの試走で 10回ほどエンジンストップさせてはかけましたが 問題ありません。その翌日も 朝一、夜と問題ありませんでしたので 謎の病の終息と判断。また Sくんの通勤超速快速に戻っていきました。
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