JOG ZR エンジン不調
型式 SA58Jなので ヤマハエンジンとしては最終モデルとなる 2018年頃のJOGですね。
この後 JOGもVINOも 車体・エンジン含め ホンダのタクトがOEMベースとなるのです。
今回 初見車両なので まずは 電話でトリアージしたところ 半月ほど前から 始動困難になり 最終的にバッテリーも弱くなり始動不能状態になったよう。
元々 tetsuがエンジン始動時の状態を確認していない車両って なにかと修理では困ること多いんですよ。そもそも 以前の状態で壊れているケースもありますので それを知らず頑張ってあれやこれややっても 無駄にお金がかかるだけなので。
と言う事を説明して まずは軽く診て見て判断ということでご本人がウチまで押してきました。
メインキー入れると 燃料ポンプの音はしていますが エンジンチェックランプも点灯しており 現時点ではバッテリーが原因なのか はたまたチェックランプのエラーが原因なのかが不明でしたので一旦お預かり。
この年式の ヤマハ車、面倒なのが バッテリー電圧異常でもチェックランプ点くので。
ここで 初見車両なので 本人に聞いたところ チェックランプは以前から点きっぱなしで乗っているとのこと(汗)。
要は セーフモードで乗れていただけの可能性もあるので それは それでダメですよ。
こういう修理時にそもそもなにが根本原因だかわからなくなるので困ります。
この年式のJOGは ダイアグテスタがOBD2化されたからか、 以前のモデルのように エンジンチェックランプ点滅回数でのエラーコード確認ができません。また エラー履歴もテスタでないと消せないのは一般人には面倒なので それを億劫がってそのまま走っている人もいるようですが....
ある意味面倒だけど ある意味 汎用のOBD2用のテスタでは診れるので そちらで診て エラー解決した後 履歴を消去しておけばよかったのですが、それを怠っていたということです。ま、それを注意するバイク屋さんにも今まで行ってなかったようなのでしょうがないですが。
因みに 車検のあるバイクはこれ点きっぱなしだと 車検が通りませんので。
で、まずは エラーコードは後で見るとして テスト用バッテリー接続してスタータでセルは回りましたが 一向に始動する気配なし。
プラグを外してみて点火確認すると 火花は通常レベルで出てますね。
とすると 燃料か圧縮に問題あり という話になります。
プラグの電極が結構減っていたので ひとまずそこらへんにあった使えそうな中古プラグで再始動を試してみます。
バッテリージャンプ用の大型バッテリーも駆使していみたら なんとか始動させることに成功。
しかし やたらエンジンの吹けが悪い。アイドリングもままならなく停止。
その後の再始動も 本人言う通り かなり苦労します。
ということでここで OBD2テスタ接続してエラーコードを見てみますと。
なんと5つの履歴が出てきましたよ(汗汗)。
ここで他の内容は端折って書きませんが、一番新しいのが履歴的には 『O2センサヒータ電圧異常 』でその一個前が 『O2センサシグナル異常』だったので この二つが同時に起こっていても経験上と理論上でも 基本これほど調子は悪くならないはずなのですが......
一瞬 謎々調子悪い子の沼に落ちるところでしたが この後 この原因を点きとめました。
吹けが悪いので まさかと思いつつ エアクリーナを診て見ましたら。
汚れまくっているエレメントが登場(汗)。
しかしこれだけではなかったです。
エレメント外したら BOX内からオイルがドバっと出てきましたよ!(驚)
そう、これが原因でした。
エンジンブリーザーからエアクリーナBOXに戻ったエンジンオイルをエアクリーナ側から吸って クリーナが目詰まりして 空気が吸えなくなったというもの。
試しに クリーナ外した状態で始動させてみると 最初は残留オイルで何度かエンジン停止しましたが その後徐々に調子がよくなってきて アイドリングもするようになり吹けも一般的な状態に回復できました。
問題はなんで こんなにブリーザーからオイルが戻ったかですが.....
通常 この量だと エンジンオイル量がメチャ多すぎた か ある程度長い時間 バイクが横倒しになっていたなら考えられます。
エンジンオイル量はオイルフィラーで確認した限り ライン真ん中あたりでした。
仮に前回のオイル交換でライン目一杯まで入れてあったとするなら 上記の推測でブリーザーからBOXに戻った量としてはあり得ます。
ただ 本人にその事を聞いてみても 心当たりはないとのこと。
ただ 知らない間に倒されていたのが 起こされていたりしたら分らないですがね。
ひとまず プラグ、エアクリーナは新品交換。バッテリーは満充電できたのでそのまま使用。
エラーコードは全て消して 再度点灯したので確認すると やはり O2センサシグナル異常と出るので O2センサが壊れているのでしょう。
因みに ヤマハ車は 近年モデルの一部の車両は バッテリー電圧の異常の延長で O2センサのヒータ電圧の異常をヤケに拾うようで 実際なんともないのに 突然エンジンチェックランプが点くというのが多いようです。
セロー250のDG31型なんてこの症例で有名です。
でもチェックランプ消すのにも いちいちテスタ繋がないといけないので みなさん困っていて 可哀そうですよ。っていうか 我々も困りますよ。いちいち面倒だし。
と最後は愚痴も入りましたが ひとまず 大事修理でなくてよかったということで。