900SS ワンウェイクラッチ交換
5年ほど前に伊東二輪にて販売したドカの900SSくん 1995年の北米 CR仕様車。
90年代辺りのドカにはたまにアルアル案件ですが スタータワンウェイクラッチがスベり始めてしまっての入庫。
最近乗る機会がなく たまのエンジン始動により バッテリーが弱いところでの始動困難と相まって なる故障修理です。
国産車では ヤマハの 旧VーMAX他 大排気量車で同様になるようなものが多かったですね。
XJR1300のこれを交換した時には泣きながらやった記憶が蘇ります......
エンジンを車体から降ろして ほぼ全バラしないと交換できない衝撃の展開に 二度とやりたくない作業のかなり上位に来ます。
そういえば ハーレーもショベルは多かったイメージ。エボでも少なくなったけど忘れた頃 発生して何台か修理しましたね。
どれも 今では懐かしい トラスト時代の思い出です。
近年車ではドカ含め ほぼやらないのでその辺の構造が良くなったのでしょうがインジェクションで劇的に始動性がよくなったこともあるでしょうね。
でも ワンウェイクラッチの故障の最大の起因点は 『弱いバッテリーでしつこく始動作業を繰り返すこと』に他なりません。
本題戻りまして。
ドカのワンウェイクラッチは フライホイールの内側にあるタイプ。
なので左エンジンケース外して フライホイールも外さないとです。
先日もパルサーコイル交換で同様な構図をお見せしましたが ほぼ同じような工程です。
当該車両も 新車時装着のガスケットが残ってました。
tetsuが初めて開けるのかな?走行距離 7500mマイル車両なのでほぼ間違いないでしょう。
フライホイール外した裏に固定リングで嵌め込んであります。
これがワンウェイクラッチの新品。
純正でちゃんとまだ出るのがエライです。
ちゃんと修理できる安心感は大事ですよね~。
外したワンウェイクラッチ。
内側の各ベアリング部分に白い縦筋が付いているのが分かると思いますが その部分が削れてしまっているため 始動時に相手のリングギアを回すことができないのです。
新品に交換して 快調にクランクが回る事確認。
エンジン始動後 当900SSのエンジンは絶好調ですので 是非 なるべくでも乗ってあげて欲しいものです。
余談ですが この頃のドカのキャブ車は特に不稼働時間の期間が多く開いた車両ほど 始動するまでに困難を極めます。
始動できないのに グルングルンセルを回し続けて セルモーターにも負担になります。
最終的には 今回のワンウェイクラッチ含め スタータ関連のどこかが壊れてきます。
また 配線周りにも少なからず よろしくない影響はあります。
そうなる事を想定して最初からある程度大容量のバッテリー(車からのジャンプとか)を併用しながら始動させることを推奨します。
その際には一回一回を休み休みというのも大事。
そうしないと このワンウェイギアは長持ちしませんことご注意ください。
よく言われる 『イタ車は壊れる』のに該当する.....わけではありませんので。
こういう案件は バイクが悪いわけではありません。
扱っている人間側の認識の問題と思ってください。
それを感じるのも難しいですが この手のドカを上手く乗り続けるには そうしてあげてください。
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