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あなたと 楽しい二輪車人生を共に歩むために。

S4RS 色々 其の二

元々 S4R系はその昔のモンスター系列からすると 出荷状態でリヤの車高が旧シリーズより低めな感じで設定されているようです。(ここで言っておきますがそれがネガではありませんので。)この辺りの年式 (2005年辺りから)のSBKシリーズの999等も996時代より車高を落としてきて この辺からドゥカティも 『一般的な人と上手く付き合える』方向のバイク造りに向いていったような気がします...... で、オーナーサトさんは tetsuより背も高く 足付きの問題で 逆にもう少し車高を上げてほしいというオファーでした。ドカ系のリンク式サス車は車高を上げるのに 車高調整ロッドなるものがある車両が2000年以降ほぼとなります。このロッドを伸ばせば 車高も上がりますが 上げすぎ注意の限度もメーカーから発信されてまして ちゃんとオーナーズマニュアルに載っています。
リヤの車高を上げるので必然的に車体のキャスターも立つ方向になるので車体の運動性は上がりますが、逆に安定性がスポイルしていくので乗り手がどの部分が欲しいかというところを見極めて調整しないと逆に神経質な車体になり過ぎて乗りづらくもなっていってしまいます。


で、調整するのですが まず第一関門は S4RS(特にフルエキ化)の場合 アッパー側のロッド調整ネジがリヤバンクのエキパイが邪魔でほぼ回せませんので サスアッパー、リンク周りをごっそり後ろに外さないとできません。それにはその後ろに位置するレギュレーターやオイルキャッチタンクを取り外さないとです。
そして 不安だった事がここで的中。肝心の車高調整部分のロッド先端ピロボール部が回りません。ロッド、ロックナット共アルミ製なので無理は禁物(無理すると一気にナメます)。おそらく納車時より一度も回してなく 経年で腐食固着してしまっています。こうなってしまうものも今まで多々見てきました。またリヤの荷重をかけたまま車高調整したりして無理やり回しても同じ事になりますので作業方法も要注意です。基本的にリヤ荷重を抜いて回すですがこれでも回らないとなると車体からロッド取り外しとなり 人海戦術でロッド固着の修復に挑みます。





毎回状態にもよりますが 大抵は回ってくれます。当該車両の物は アッパー側は30分ほどで全部動かせるようになりましたがアンダー側のロッドエンドの固着がヒドく こちら側は格闘すること 約2時間。格闘しっぱなしも出来ないので 固着修復液体にサラしている間に 他のできることをやります。内圧コントロールバルブ交換、ETC配管のやり直し、他電源類の取り回しを決めて プレ配管。とここまでできたので無駄な時間でもありませんでした。



 結局 アンダー側は回るは回るようになったのですが 1回移転半ほどでまた固着で回らなくなり それ以上無理するとロッド丸ごとダメになりますので アンダー側はこの回転内で作業を辞めておきました。ロッド組み込み時に若干下側のエンドを中間ほどに設定して アッパー側で全体の長さで目いっぱいほんの少なめくらいで調整して組み込みました。バタバタと元に戻して これでリヤ周りも完成。


後は 配線周りをやっていき流れで各部油脂類、クーラント交換。 最後にシフトインジケーターを取り付け、設定して終了。
完成後 4キロほど試走に行き 各部のチェック、エンジンのフィーリングを確かめて 完了。低回転域の引っかかりをもぉ少し穏やかににしたいところですが 騒音の関係上 サイレンサーに入れてあるエンドバッフルを外さない限り 難しいでしょう。という ところで まずこの状態でサトさんにしばらく乗ってもらいます。ま、まだこの車両に乗り始めて 数か月です。暖かかくなってもっと山に走りに行けるようになって車体の本領発揮が解り より楽しく感じれることでしょう。
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