セロー250 色々メンテ エンジン編 ②
シリンダー外して ピストン登場。
ピストンは予想以上に問題なさそうです。
もう少しオイルリング(3本あるうちの一番下のリング)辺りが問題で ピストンスカート部にもカーボン付着を想像しましたがキレイなものです。
リング類も固着なく 見た目は正常に機能している模様。
因みに ピストンヘッド側のカーボン蓄積は空冷エンジンなら距離相応。逆に 極低速にてオーバーヒート気味に使われてきたエンジンとしてはいいほうなのではとも思ってしまいます。
トラスト時代にハーレーのショベルヘッド腰上バラした際、 いつバラしたか分からない物なんて相当 燃焼圧縮上がっているのではないかと思うくらいのカーボン蓄積がヘッド燃焼室にもピストンにもしてましたからね....
外したシリンダー内部はというと こちらも綺麗なものです。
セロー250のシリンダー内部はメッキ処理してあります。
なので よほどのオイル切れを起こさない限り頑丈です。
一応 この後 シリンダーボアゲージで内径測りましたが 減りはほぼないようなものでした。
ここまでのところ オイル臭に関して ピストン、シリンダー側は 『白』と判定。
ということはヘッド側が怪しいです。
バルブ周りを目視で点検してみます。
吸気側は距離なりで オイルリークもない感じです。見た目 普通です。
排気側。
お! 怪しいの発見!!
カーボン付着もある中 奥に 真新しい オイルらしい光がしております。
触ってみると オイルっぽいものが指に付着しますね。
ほぼほぼ これが原因でしょう。
排気側の バルブステムシールが逝きかけております。
ということで 当初の予定よりヘッドバラします。
バルブを抜きますよ。
判定は排気側バルブですが どうせなので吸気も抜きます。
バルブを抜いたところ。
上吸気側、 下 排気側です。
問題の排気側のバルブガイド部分。
やはりオイルリークしておりますね。
対して 吸気側。
こちらは一般使用な環境下よりは 煤けてますが 現状でも問題なしです。
さて、問題のバルブステムシールというのはというと(知らない方々のために)この写真のこの部分。燃焼実とは逆側(表側)、本来この上にバルブスプリング、ロッカーアームとあります。
バルブのシャフト部分の丁度上下する中間辺りのヘッド側のバルブガイドのくびれにシールが嵌めこまれているイメージです。
そして これを取り外す際には 指とかでは簡単にとれないようになってます......
な はずなのが 当該セローの排気側のバルブステムシールは いとも簡単に外れてしまいました。(謎)
そもそも普通にバイク屋やっていても 現代4サイクル車のバルブなんてそうそう外さないので「???え、現代バイクのってそうなっているの???」なんてちょっと不安にもなり吸気側を外してみたところ こちらは思っていた通りに簡単に外れません。ちょっとホッとしました(笑)。
いや、これも昔 トラスト時代で見たことある オイルが減る減る ハーレーのショベルヘッドのバルブステムシールでそんなのあったんですよ。造り直したバルブガイドに嵌めてあるはずのものだったんですが シール選定が悪いのか ガイドの造りが悪いのか って感じでしたが それ見た時は「そりゃオイル減るよ!」って思いましたよ。
話はセローに戻りまして。
ということは排気側のシールがなにかおかしな事になっているのが原因ですね。
これらが外したバルブステムシール。
右側が 問題の排気側。
表側からも 若干右のシール表面が荒れているのが分ります。
裏返してみたら更に排気側のが緩かった理由が判明。
シール内部が右側の排気側のは 一部溶けたように崩れてしまっておりました。
これが 簡単にガイドから外せた原因でもあるし 排気ポートへのオイル下がりの原因でもありましょう。
ほぼシール効果がなくなっていると判定できます。
これくらいだと オイル消費はそれほどでもなく、且つ 随時排気ガスには生のオイルが混ざりこんでサイレンサーから排出されるので 排気ガスはオイル臭しますよね。
当初の疑問だった問題点にほぼ合致します。
原因は色々あるでしょうが 一番は やはり 新車からここまでの車両の使用環境によるところが大きいのでしょう。
極低速走行や斜面でのイゴイゴ(登るためや脱出するためにあれやこれやするエンデューロ業界用語です(笑))を連発していた代償でしょう。
この辺は 空冷エンジンだからっていうのが最大の難点でしょうが セロー250が一般公道トレール車だからというのもあるでしょうね。昔の ホンダのXR250Rのような空冷でも生粋のエンデューロレーサー車両の造りならある程度ヒート対策もしてあるでしょうから。
あ。でも基本 走り続けていること想定で イゴイゴすることは想定して造ってないと思うので そこは一緒か。
個人的には こういう内燃機の製作者にお話聞きたいですね。
その③に続き
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