セロー250 色々メンテ エンジン編 ①
セロー250 型式:DG31J 俗に言う『ファイナルセロー』さん。
先週まで集中してやっていた案件です。
写真では分かりづらいですが ところどころ 大きな傷も入った なかなか気合が入った外観車両です。
確実に オフ使用で『投げてます!』っていう感じ(泣)
エンジン諸々気になるところのOHと足回り(ベアリング関連)の整備依頼となります。
正しく カラーもファイナルしかない『赤フレーム』の色。
オーナーさま 新車で購入の女性の方。しかも 初バイクもこの車両で 現在 走行 21000km。
特に現状もエンジンに異音や走りがなにか変なところはない模様。
ただ......普通の使い方なら特に何する必要も本来ない距離なんですが、オーナー様ここまでの車両の使い方が勇ましすぎますもので.....
ここまでの距離の およそ 3分の2は オフロード走行、しかもどちらかと言うと ハード目な使用をされてきた車両なのです。。。。
オフロード走行も使用は林道ではなく 河原や クロスパーク勝沼や日野カントリーオフロードランドといったところに出向き、時にレースも数回出ている使用環境と聞くと なんとなく使われ方も分かるかと。
そういった使われ方もあり オーナーさんも自分のエンジン状態の確認も含め、ついでに車体の方の整備も含めご依頼となった内容です。
その他 友人さんが指摘していたのも気になるのが 後ろ走っていると 「排気ガスにオイル臭がする」とのこと。
エンジンオイル交換は1000~1500kmほどで交換しているようですが 特に大きく減っている様子はないとのことですが 実際 エンジンを始動 アイドリングでさせている状態で排気ガスを嗅ぐと 若干臭いがするので 言っていることは本当かと。
エンジンにオイル漏れ等の雰囲気はないので 確実に排気に交じっているのでしょう。
かと言って 排気ガスが白いこともないので 軽度なのか.....
この辺は 空冷エンジンなのと 今までの使われ方からすると オイル上がりかな~?と思うところ。使われ方からするとピストン周りを疑いますが 軽度のオイル下がりでも同様な現象はありえるのでこれは どうせバラすので そこで検証です。
今回のメニューは最初から ピストン周り、カムシャフト、ロッカーアーム類、カムチェーン類は状態云々関係なく 新品交換前提です。オーナーさんの今後の車両との付き合い方も顧慮してここでリセットできるものはしておきます。
では 作業開始です。外装は勿論 タンクも外して 腰上外すことを目指します。
実は tetsu 初期のキャブのセロー250 DG11Jは腰上まで開けたことありますが FIになったDG17Jは未だありません。なので 当然 今回のファイナルはセローFIとしては初となります。
違いは キャブかスロットルボディと AIがあるかないか(17Jはあって31Jはないです)くらいで31Jで追加装備されたキャニスターは腰上とは特に関係ないし 逆にAIがないから少し楽じゃねくらいに思っていたのが大きな間違いでした(悲)。
センサー類のカプラを外して行くのはちょっと指がイタイですが(笑) スロットルボディを外すのはキャブを外すより全然楽なのでこれは高評価(笑)。しかし 困ったのはここから。
いざシリンダーヘッドを外す行程で 『あれ?これ簡単にエンジンから外せないんじゃね?!』という感じがしてきました。
セロー250のシリンダーヘッドはそのまますんなりは外れないのですが シリンダーの上で回転&傾けながら 外れそうな角度を見出すと 『おらよ!』って感じで外れます。....はずなのですが(苦笑)
セロー250の初期のキャブ(型式:DG11J)は 簡単ではないけどエンジン搭載状態でヘッド抜けましたが.....
というのが DG11Jにはない他の部品を固定する小さなステー類が DG31Jにはフレームから何カ所か出ているのが微妙に邪魔になってます。
tetsu所有の『老後のバイク』のDG17Jを確認してみると その辺のエンジンバラス時に邪魔になるであろうステー類は17Jも同じでしたので 多分 17Jも腰上OHの際には少し苦労するということか.....
それに加え オーナーさまの『投げっぷり』の影響で それらのステーが グニャっと曲がってしまっていたりするのでどこが正規なのかも不明なため それらが邪魔している可能性もありました(泣)。
結局 苦労しながらも こういうのでよくある『あれま?』って感じで抜き取りました。
トラスト時代にハーレーのエボリューションエンジンのヘッドカバー(特に後ろ)でたまに親分とあーだこーだと言って外れないカバーと格闘した事を思い出しながら セローのへっどが外れたときは一人で笑ってましたよ(笑)。
車体から降ろされた シリンダーヘッドだす。
因みにこういうパターンはハーレーはそうでしたが 入れるときも結構苦労するのが目に見えてます。ましてや カムチェーン問題もあります。
外す時はクランクケース内に カムチェーンが落下しないことだけをすればいいのでまだいいですが 組み立てる時はヘッドを載せながらカムチェーンをカムスプロケットの空間に通してから載せるイメージなので 手が4本くらい欲しい状況となります(マジ)。
なので セローの場合 アンダーフレームを緩めれば 若干エンジンを前倒しできるので ヘッド載せる時はエンジンハンガー緩めるのはこの時点で確定しております(笑)。
絶対その方が効率早いと確信したので!(笑)。
ヘッドの燃焼室状態は普通っぽいです。
カーボン蓄積量も使用環境からしたらこんなもんでしょう。
ピストンヘッドもこんなものでしょう。
今回はカムチェーンも交換するので 右クラッチカバーも開けてますのでカムチェーンが落下しても気は楽ですよ。
さてさて次はシリンダーも抜いて 諸々交換がてら検証です。
開けた腰上の診断はいかに......
その②に続く