900SL 復活
先のアップで8年放置からの再起の依頼は記事にしました。
エンジン始動確認してから 約1か月 交換部品や手を入れる箇所は ままありましたが 無事 登録車検も完了して 晴れて 公道走れるようになり先日 無事 オーナー Hさんに納車されました。
手を入れた箇所は多岐に渡るので かなり端折った内容だけ(苦笑)。
燃料タンク内は 経年のためガソリン残量もほぼ無かったですがその残りのガスは腐っていたのは当然でそのせいで タンク最下部は腐食、一部サビ化があったので 錆取り→タンクコーティングしました。
そして 燃料タンク内の燃料ポンプも流石の8年放置車なので 動くわけないと思ってましたが、ポンプ配線に電源は来ているの確認、外して電源直結しても 全く動く気配もなく、予想通り壊れてしまってました。
外した 燃料ポンプ、フィルター類。オール新品にします。
純正新品燃料ポンプはお高いですが 安い社外ポンプも多数存在しますが それらは99% 製造国やコストの問題でか 耐久性に難ありなので 電気部品はやはり純正で修理です。
その流れでキャブ側です。
900SSのキャブはダウンドラフト式ですが 上部にBOX兼バッテリーケースや点火装置が装着されていてなりに外すまでは大変です。
外したキャブのバラした図。
8年放置の割にまともな方ですが それでもフロート室に残ったガソリンの影響で腐ってますよ。
久しぶりの キャブクリーナー使っての ほぼフルOHでしたね。
各部主要箇所のOリングは全交換。
SSのキャブはミクニ製でケイヒンと違って要交換ゴム類が多いのが難点です。
完成してキャブ装着後の バキュームゲージにて同調調整も久しぶりですね。
大きなずれもないですが 微妙なずれは気持ちよくないので調整しますが この調整ネジが900SSはやりづらい!! 調整しているときはいつも変な顔になっているはずです(笑)。
タイベル周りも サビサビでしたね~(泣)
この頃の 900SS、SLは タイミングベルトのプーリーも純正は全て鉄製なので 不動歴長い車両の場合 屋内、屋外関係なく 錆びてしまいますね。
予算が許せば 2000年以降の空冷900に使われるアルミプーリーに交換というのが理想ですが 一辺に交換となるとそれ相応の金額するので ここは どうせタイベル交換でプーリーを外す手間はあるので外した時に地道にサビ取りで対応です。
テンショナベアリングは交換です。
サビ腐食の影響は見えない部分もあって、前後タイヤ交換もあるのですが リヤのアクスルシャフトが最初抜けなかったのは難儀しました。
抜けてきたリヤのアクスルシャフト。サビより腐食が多いでした。
昔のホンダ車ならもっと抜けなかったでしょうね.......
CB400SFやCRMの前期モデルなんて新品アクスルシャフトを用意しておかないと....なんて事があったのを思い出します(苦笑)。
そして登録車検が完了して軽く試走で追加トラブルが フロントフォークシールからのオイル漏れ。
これは 不動車再起の場合に そのまま大丈夫なものもあれば今回のようにすぐにダメなパターンもありますが 今回はすぐでしたので 有無も言わず フォークシール交換です。
どうせなので左右交換します。
これ以外でも 他色々作業がありましたが 約一カ月で復旧できたのは良かったです。
やはり最初にエンジン始動がある程度すんなりいったことも大きいですね。
オール完成後の完成写真を撮るのを忘れてしまいました(笑)。
オーナーは今月半ばまで出張で納車されても乗れない状況でしたが 暖かくなってくる月末からまずはナラシがてら 定期的に乗ってバイクも人間もナラして行ってください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
注釈):
今回のような長期放置車は 全てがこのように復旧できるとは限らないことをご承知ください。
因みに 今回のような 長期放置車復旧案件は 伊東二輪では いつでもお引き受けするわけではありません。
理由は 確実に作業時間もかかるのと 一番は 車両復旧させる費用対効果を 必ず考えますもので......
また お引き受けの条件もありまして、基本 伊東二輪が販売した車両、ある程度長く携わった車両、復旧の見込みが臨めそうなもの、 限定でのお引き受けとなります。
上記以外のパターンの車両の場合 まずはご相談からとなりますのでご了承ください。
-------------------------------------------
PR