フュージョン 多くはないですが.....「あるある」な事例
長い常連さんで距離も乗られているホンダ フュージョンさん
今回は26年来でフュージョンで4ケースほどやった「あるある事例」です。
エンジンをほぼ「降ろす」ことになる重作業なのですがね(苦笑)......
事前に解っているが為に、勢いと気合が必要なのです!!
で、今までどれも共通しているのは、そこそこの荷物を積載してのそこそこの走行距離を走っているフュージョンがこの部分に問題が出ます。
今回の車両はもう長年診てきている、大工さんのOK田さん仕事車両ですが もうかれこれ15年は診てますか。走行距離も10万キロは突破しているのですが......実は今回のこの部分を交換が二回目という......前回は7~8年前ほどでしたか......
ではどこがどうなっちゃっているのかっていう前に。
交換部品の新品がこちら。
これを見る限りはなかなかなにかは解りませんよね。
では車体をバラしていって装着されている部分を見ていきましょう。
リヤ周りの外装バラして、リヤBOX周りのブラケット類も全部外します。
こうなるとなにか違う乗り物に変身できそうですが......
キャブも取り外し、上空から見えてきましたこの部分に装着されている物です。
全体像が見えませんので解りづらいですが、赤丸の部分の部品です。
これ、何かって言うと「エンジンマウントブラケットB」と言う名称の物。
Bと言うからにはAもあるのですが、Aはこの部分の先に装着されている部分を指します。
で、これを取り外すわけですが これを外すには 「エンジンマウント」と言っているからには、エンジンを「降ろす」方向への作業をしないと取り外せません。
この部品、要は スクーターはスイングアームがエンジン本体のため エンジンが上下するのが一般的構造です。大抵エンジン前側をブラケットで固定して、後ろ側がリヤサス固定となっている図式です。ですのでエンジンマウント部分も可動しないと「リジット(固定)」状態で乗る事になってしまいます。ですのでエンジンをフレームに連結しつつも可動できないといけないようにしつつ、動きすぎた時にはこの部分で規制してそれ以上の動作が出来ないようにもしているブラケットなのです。フュージョンは初期型の製作年が1986年頃の車両ですのでここいら辺の造りもその年代相応なのでしょうが.....そこで、この部分のマウントブラケットが二分割にされているわけで、「ブラケットA」がフレームとブラケットBを、「ブラケットB」がブラケットAとエンジンを繋げている部分となってます。
で、今回なぜ交換になったことをやっとここでお話しますと。
前回、リヤタイヤ交換の際に気がついたのですが 妙にエンジンがスラスト(水平)方向に動くということ.....リヤサス部分も可動用のカラーとゴムブッシュが入ってますが、特にその部分に問題があるようではなく......ここで嫌な予感が......でも考えられるのはフロント側のブラケット破損の可能性でした。
前回交換の時にはこの車両はこの部分が「真っ二つ」に折れてしまい、シャコタン状態になってしまい走行不能となった経緯があります。
今回は様子は違えど、違う車両で似たような動きになっていたのがやはり「ブラケットB」の一部破損でしたので.....
エンジン下ろす前に見える範囲では、ブラケットBにもブラケットAにも以上は見られませんが、動いている部分からして ブラケットBが怪しいです。
で、エンジンを半分下ろした状態で ブラケットBとエンジンを繋いでいる部分が見えます。
予想通り、向かって 右側のエンジンマウントボルトが通っている部分が一部欠損しておりました。
下の写真赤丸印の部分ですね。
で、上の写真が車体から引っ張り出した、ブラケットAとブラケットBが繋がった状態です。
いや、これ結構以前から割れていた模様ですね。後でオーナー本人に聞いたら 結構前からリヤ周りの落ち着きがなかったと。距離も走っているし、リヤサスがヘタったくらいにしか思ってなかったとも.....まぁ 前回は走行不能になったので一目瞭然でしたが、今回は走れていましたしね(
苦笑)
これまた余談ですが、新品交換して車体に積む時に苦労がありました。ブラケット側があのように欠損してしまっていて乗車していたので、欠損部分とエンジンクランクケースの接触面が削れてバリが出てしまい、そのままでは新品のブラケットが納まらない状態になってしまってました。ヤスリで細かく整形しては、はめてみてを繰り返し 収まりがキツいくらいでやめて 後は人海戦術で汗だくになりながらエンジンを無事装着したっていうオチでした。
装着された後は見違えるほど、全くスラスト方向にも動かなりました。走りも激変することだと思いますよ。
今回は最悪なパターンになる前だったので不幸中の幸いでしたが.....毎回思いますが......しばらくこの作業は来ないことを祈ります(笑)
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