セルモータ 内部破損.....
前回も「ツイていない」案件でしたが それは結果的にホンダのリコールがかかった部分でしたので しょうがなかったということですが。
今回も久しぶりの相談でしたが 最近セル始動時にセルが弱くて始動困難な事があるとのこと。で、ご来店時に見てみると 一見 バッテリーが弱っての始動不良の感じ。でも エンジン始動可の時はなにごともなく始動出来る感じ?
前回の修理時にバッテリーは謎の中華製をオーナー様が積み替えておりましたものが継続使用中。この時点でバッテリーが第一疑いの目となるのは必須。
お預かりにてまずはバッテリーをテスト用に換装。しか~~し!それでも変化ありません。
??と考えつつも別バッテリーにてセルモータ直結してみますと回ろうとしますがやはり弱い模様???
当該車両 2015年式の新車より実走 5000km車。普通に考えると セルモータ等が逝ってしまうには考えが及びません。とは言っても それ以外では現状 スタータワンウェイギアがおかしいかどちらかしか考えられません。
ベルトカバー外して クランクを直回ししてみましたが ここでは全く問題なく回せますので エンジン本体側に原因はなさそうです。エンジン始動出来たときはエンジン音も普通でしたし。
ここからは不明なので セルモータを単体で外してみることに。とはいえそこまで行くのも一苦労なのがビッグスクーター系です。特に近年物のホンダさんスクーターは兎に角カウル類を留めているネジがない! ほぼ嵌め込みにて外観形成されてますがこれまた部品は全部 ABS樹脂。簡単に言うとプラスチックの強化版みたいな感じですがそうは言っても無理な力では割れるし折れます。
メーカーはバラす側のこと考えていないと いつも思います。
正直 この手の外装バラしで破損せずにバラせるのは 新車のときくらいかも(マジ)。
しかもカウルの嵌まり込んでいる方向や場所が初見で解るはずもないのに....です!(怒)
話を元にもどしまして長年の経験を武器になんとか上記難題をかいくぐり セルモータ単体を取り外し。(大分ここまでで集中力ポイント低下です っていうかここまでの作業でモチベーションが上がる人はいるのだろうか......)
モーター芯部を手で回転方向に回す分には普通ですが 逆に回すとどうも違和感が。
この状態で再度 バッテリー直だと結構なトルク感でやはり回りますね.....
FORZA Siの 正常なセルモータの回りかたを知る由もないので 益々 分かりませんが やはり直感の「違和感」に照準を合わせて セルモータ全交換の様相でしょう。
約3万しますので安い部品ではないですが ブラシ等だけの問題ではなさそうな第六感にてセルモータ全交換へ決定。
それと同時に意を決して セルモータを分解してみました(何気に タイプにより元に戻すこと自体が大変な事が多いのでtetsuはおいそれとバラしません)。
そして 意外な部分が破損していたという驚きの結末に。
モーター内 外縁部に本来接着不動にされているはずの磁石が全て剥がれてました。
上の写真の下の方の四角の板状の物が一部のそれです。
外縁部に残っている物も一部は亀裂、破損していました。
こんなになっているセルモータは正直 32年来のバイク屋人生で初めて見ます。
よく回っていたものです。まぁ原理的には回りますが.....
そういう問題ではなくて!
2015年にもなった現在の技術でもこんな事があるんですね。
Hさん製なのに.....と思うのは tetsuだけではないでしょうが。
あ、コストや構造方向性を決めているのはH二輪ジャパンさんでしょうが製作はモータ制作会社ですので どちらに原因があるにしろ 「そりゃ~ないぜ セニョリータ!(泣)」って俺なら泣きたくなりますよ。
正直 驚きましたと共に オーナー様はついてなかったとしか言いようがありません。
ということでセルモ―タ交換にて始動不良から無事解放されました。
修理引き取り時のセルの始動音の違いに驚きの顔にて二度始動し直していたのには笑わせてもらいました(失礼)。
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